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内分泌系
副甲状腺ホルモン(パラトルモン)の作用として正しいものはどれか。
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1
腎臓でのリン酸再吸収を促進する。
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2
腸管でのカルシウム吸収を促進する。
✓ 正解
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3
血中カルシウム濃度を低下させる。
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4
骨からのカルシウム放出を抑制する。
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5
腎臓でのカルシウム再吸収を抑制する。
解説
副甲状腺ホルモンはビタミンDの活性化を促進し、腸管でのカルシウム吸収を間接的に促進する。また、骨からのカルシウム放出促進、腎臓でのカルシウム再吸収促進、リン酸再吸収抑制により血中カルシウム濃度を上昇させる。血中カルシウム濃度を低下させるのはカルシトニンの作用である。
同じテーマの次の問題フィードバック調節において、上位中枢からの刺激がホルモン分泌を促進する調節様式はどれか。この問題が収録された問題集人体の構造と機能KRW 12,900
核心解説
この問題は、副甲状腺ホルモン (Parathyroid Hormone: PTH) の生理作用を理解しているかを問うています。PTHは、体内のカルシウム恒常性を維持するために極めて重要なホルモンです。その作用を正しく理解するためには、PTHが「血中カルシウム濃度を上昇させる」という最終目標を持っていることをまず押さえましょう。PTHは、骨、腎臓、そして間接的に腸管の3つの標的器官に作用します。
正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は②です。
PTHは腎臓でビタミンDの活性化 (1α-水酸化) を促進します。活性型ビタミンDは腸管でのカルシウム吸収を促進するため、結果としてPTHは腸管でのカルシウム吸収を間接的に促進することになります。これは血中カルシウム濃度を上昇させるための重要なメカニズムの一つです。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番:混同注意! PTHは腎臓での リン酸再吸収を抑制 し、尿中へのリン酸排泄を促進します。これにより、血中のリン濃度が低下し、カルシウムとリンのバランス(Ca×P積)が調整されます。
③番:血中カルシウム濃度を低下させるのは カルシトニン (Calcitonin) の作用です。PTHは逆に血中カルシウム濃度を上昇させます。
④番:PTHは 骨吸収(骨からのカルシウムとリンの放出)を促進 します。これにより骨からカルシウムが血中に動員され、血中カルシウム濃度が上昇します。
⑤番:PTHは腎臓での カルシウム再吸収を促進 します。尿中へのカルシウム排泄を減らし、体内にカルシウムを保持することで、血中カルシウム濃度を上昇させます。
関連概念の整理 (Related Concepts)
PTHとカルシトニンは、血中カルシウム濃度に対して拮抗的に作用するホルモンです。また、PTHの過剰分泌による疾患が 原発性副甲状腺機能亢進症 (Primary Hyperparathyroidism) で、高カルシウム血症、腎結石、骨粗鬆症などが生じます。逆に、PTHの分泌低下や作用不全は 副甲状腺機能低下症 (Hypoparathyroidism) を引き起こし、低カルシウム血症によるテタニー(筋肉の痙攣)が出現します。
概念整理: 副甲状腺ホルモン (PTH) は、血中カルシウム濃度を上昇させるためのホルモンです。その作用は「骨から出す(骨吸収促進)」「腎臓で保つ(カルシウム再吸収促進、リン排泄促進)」「腸で吸う(活性型ビタミンDを介して間接的にカルシウム吸収促進)」と覚えましょう。
一目で比較!:
| ホルモン | 血中Ca濃度への作用 | 主な作用 |
|---|
| PTH(副甲状腺ホルモン) | 上昇 | 骨吸収促進 腎Ca再吸収促進 腎リン再吸収抑制 活性型VD産生促進 |
| カルシトニン (Calcitonin) | 低下 | 骨吸収抑制 腎Ca再吸収抑制 |
| 活性型ビタミンD | 上昇 | 腸管Ca吸収促進 骨吸収促進 腎Ca再吸収促進 |
看護過程ポイント:
- アセスメント: 副甲状腺機能亢進症の患者では、血清カルシウム値、血清リン値、PTH値を確認。高カルシウム血症に伴う症状(倦怠感、筋力低下、便秘、多飲多尿、意識障害など)の観察が重要です。
- 看護介入: 高カルシウム血症に対する 輸液療法 (Hydration) や ループ利尿薬 (Furosemide) の投与(心不全に注意)、 カルシトニン製剤 や ビスホスホネート製剤 の投与管理。また、病的骨折のリスクが高いため、安全な移動介助や環境整備が必須です。
暗記のコツ: 「PTHの3つの作用」を「骨・腎・腸」で覚えましょう。「PTH → 骨吸収(骨から出す) → Ca↑」「PTH → 腎でCa再吸収(腎で保つ) → Ca↑」「PTH → 活性型VD産生(腸で吸う) → Ca↑」と唱えると良いでしょう。
国試頻出ポイント: PTHの作用は、血中カルシウム濃度調節の仕組みとセットで毎年と言って良いほど出題されます。特に「PTHは血中カルシウム濃度を上げる」「カルシトニンは下げる」という対比は絶対に間違えないようにしましょう。また、PTHの作用が「直接的」か「間接的」か(腸管への作用は間接的)もよく問われます。
出題パターン注意!: 単純に「PTHの作用はどれか」という知識問題だけでなく、「高カルシウム血症を来す疾患の術後看護」や「副甲状腺機能低下症の患者にみられる症状」といった状況設定問題に発展することが多いです。この問題を基点に、関連する疾患と看護を総合的に学習しておきましょう。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario): 50代女性、健診で高カルシウム血症を指摘され、原発性副甲状腺機能亢進症と診断されました。副甲状腺摘出術が予定されています。術前の看護師の役割として、どのようなアセスメントとケアが必要でしょうか?
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! 術前のアセスメントでは、血清カルシウム値 (基準値: 8.8-10.1 mg/dL) の確認は必須です。高カルシウム血症が重度の場合 (12 mg/dL以上)、不整脈や意識障害 のリスクが高まるため、心電図モニター装着とバイタルサインの頻回測定が必要です。また、病的骨折予防のため、ベッド周囲の整理や転倒防止策を徹底します。術後は、残存副甲状腺組織の機能が未熟なために、急激な低カルシウム血症(Hungry Bone Syndrome)が生じることがあります。テタニーの兆候(Chvostek徴候やTrousseau徴候)を観察し、カルシウム製剤の静脈投与に備えることが重要です。
看護プロトコル: 術前は、高カルシウム血症の症状(多飲、多尿、便秘、筋力低下)の有無を確認。術後は、血清カルシウム値の頻回測定、テタニーの有無(口周囲のしびれ、手指の痙攣)の観察、カルシウム製剤や活性型ビタミンD製剤の投与スケジュールの管理を徹底します。SBAR報告では「術後○日目、血清Ca値○mg/dL、口周囲のしびれを訴えています」と具体的に伝えます。
先輩看護師の一言: 「カルシウムの話はホルモンの作用を整理するのが大変ですよね。でも、PTHとカルシトニンの対比をしっかり覚えておけば、国試の点数に直結します!そして、『高カルシウム血症の患者さんは脱水に注意』『術後は低カルシウム血症によるテタニーに注意』という臨床の流れも一緒に覚えておくと、看護計画が立てやすくなりますよ!」
- 副甲状腺ホルモン (Parathyroid Hormone: PTH) — 副甲状腺から分泌される、血中カルシウム濃度を上昇させるホルモン。骨吸収促進、腎でのカルシウム再吸収促進とリン再吸収抑制、活性型ビタミンD産生促進の作用を持つ。
- カルシトニン — 甲状腺傍濾胞細胞(C細胞)から分泌される、血中カルシウム濃度を低下させるホルモン。骨吸収抑制と腎でのカルシウム再吸収抑制により作用する。
- 活性型ビタミンD (Active Vitamin D) — PTHにより腎臓で活性化される。腸管でのカルシウム吸収を促進し、血中カルシウム濃度を上昇させる。
- 骨吸収 (Bone Resorption) — 破骨細胞の働きにより骨組織が分解され、カルシウムとリンが血中に放出される現象。PTHはこの過程を促進する。
- テタニー — 低カルシウム血症により神経筋の興奮性が亢進し、手指や口周囲の筋肉に起こる痙攣。Chvostek徴候やTrousseau徴候で確認する。
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