こんな問題があと491問挑戦 ›
内分泌系
血糖値が低下した際に、膵臓から分泌が促進されるホルモンはどれか。
-
1
ソマトスタチン
-
2
グルカゴン
✓ 正解
-
3
インスリン
-
4
膵ポリペプチド
-
5
グレリン
解説
グルカゴンは膵臓ランゲルハンス島のα細胞から分泌され、血糖値低下時に肝臓でのグリコーゲン分解や糖新生を促進し血糖を上昇させる。インスリンは血糖値上昇時にβ細胞から分泌される。ソマトスタチンは成長ホルモンやインスリン・グルカゴンの分泌を抑制する。
同じテーマの次の問題フィードバック調節において、上位中枢からの刺激がホルモン分泌を促進する調節様式はどれか。この問題が収録された問題集人体の構造と機能KRW 12,900
核心解説
この問題は、血糖調節に関する内分泌の基礎知識を問うています。血糖値が低下した際に分泌されるホルモンを正しく理解するには、膵臓 (Pancreas) のランゲルハンス島に存在する各細胞の役割を把握することが鍵となります。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 血糖値が低下した時、体は血糖を上昇させる方向に働きます。その中心的な役割を担うのが グルカゴン (Glucagon) です。グルカゴンは膵臓の α細胞 (Alpha Cells) から分泌され、肝臓に作用して グリコーゲン分解 (Glycogenolysis) や 糖新生 (Gluconeogenesis) を促進し、血糖値を上昇させます。まさに「血糖値低下」に対する直接的な応答ホルモンです。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番の ソマトスタチン (Somatostatin) は膵臓δ細胞 (Delta Cells) から分泌され、インスリンとグルカゴンの両方の分泌を抑制する「抑制役」です。③番の インスリン (Insulin) はβ細胞 (Beta Cells) から分泌され、血糖値上昇時に作用して血糖を下げるホルモンで、問題文とは逆の方向性です。④番の 膵ポリペプチド (Pancreatic Polypeptide) はPP細胞から分泌され、消化管運動や消化液分泌の調節に関与します。⑤番の グレリン (Ghrelin) は主に胃から分泌され、食欲を亢進させる「空腹ホルモン」です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
血糖調節は、インスリン(低下作用)と グルカゴン(上昇作用)という二大ホルモンのバランスで成り立っています。これに加えて、副腎髄質 (Adrenal Medulla) から分泌される アドレナリン (Adrenaline) や、副腎皮質 (Adrenal Cortex) から分泌される コルチゾール (Cortisol)、甲状腺 (Thyroid Gland) から分泌される 甲状腺ホルモン (Thyroid Hormone) も血糖上昇に働くため、まとめて覚えておくと良いでしょう。
概念整理
血糖調節における膵臓ホルモンの役割を一覧で整理します。
| ホルモン名 | 分泌細胞 | 主な作用 | 分泌が促進される状況 |
| インスリン | β細胞 (Beta Cells) | 血糖値を下げる (グリコーゲン合成促進) | 血糖値上昇時 (食後) |
| グルカゴン | α細胞 (Alpha Cells) | 血糖値を上げる (グリコーゲン分解・糖新生) | 血糖値低下時 (空腹時) |
| ソマトスタチン | δ細胞 (Delta Cells) | インスリン・グルカゴン分泌を抑制する | 栄養素の過剰流入を防ぐ |
| 膵ポリペプチド | PP細胞 (PP Cells) | 消化管運動・消化液分泌を調節 | 食事摂取時 (特にタンパク質) |
一目で比較!
混同注意! インスリン vs グルカゴン:最も混同しやすい組み合わせです。「インスリン = 下げる(In-sulin = In に取り込む)」と「グルカゴン = 上げる(Gluco-gon = 糖をゴンゴン作る)」とイメージすると覚えやすいです。血糖値の変動に応じて、この2つがシーソーのようにバランスをとっています。
看護過程ポイント
糖尿病 (Diabetes Mellitus) の患者さんを看護する際、特に インスリン療法 (Insulin Therapy) 中は、低血糖 (Hypoglycemia) のリスクがあります。看護師は、患者さんが低血糖症状(冷汗、動悸、手指の震え、意識障害など)を訴えた際に、まず 血糖値を測定 (Blood Glucose Monitoring) し、状況に応じて糖分の補給(ブドウ糖や砂糖水、ジュースなど)や、医師への報告・指示を仰ぐ必要があります。この時、体が本来分泌する「グルカゴン」の作用を理解していると、低血糖時の緊急対応の重要性がより深く理解できます。
暗記のコツ
膵臓のホルモンは「G・I・S」で覚えましょう!
- G:グルカゴン (Glucagon) → α細胞 → 血糖上昇
- I:インスリン (Insulin) → β細胞 → 血糖下降
- S:ソマトスタチン (Somatostatin) → δ細胞 → 抑制
アルファベット順でα→β→δの細胞も合わせて覚えられます。
国試頻出ポイント
この問題は、第1順位で出題される基礎知識です。単独のホルモンの作用を問うだけでなく、「血糖値上昇時に分泌されるのは?」「糖尿病治療薬との関係は?」といった形で、他の分野と関連付けて出題されることが多いため、必ず押さえておきましょう。
出題パターン注意!
「70歳男性。2型糖尿病で経口血糖降下薬を服用中。昨夜から食欲がなく今朝は未摂食。意識レベルが低下し、冷や汗を認める。看護師の初期対応として最も適切なのはどれか。」のような状況設定問題に発展します。この時、低血糖状態と判断し、迅速な血糖測定と糖質補給が必要です。正解根拠として「血糖値低下時に分泌されるグルカゴン作用の不足」を踏まえた対応が求められます。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)
例えば、糖尿病でインスリン治療中の入院患者さんが、夕食前に「何か変な感じがする」と訴え、冷汗 (Cold Sweat) と 手指の震え (Tremor) が認められたとします。バイタルサインは血圧 90/60 mmHg、脈拍 110回/分と頻脈です。看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)- 1観察まずは 迅速血糖測定 (Rapid Blood Glucose Test) を実施。結果が 50 mg/dL と低値であれば、最重要! 直ちに 低血糖 (Hypoglycemia) と判断します。
- 2アセスメント食事が遅れている、インスリン注射量が多い、など原因を推測。意識レベルが清明であれば、経口補糖(ブドウ糖 5~10g、またはジュースなど)。
- 3報告・介入医師に SBAR報告 (SBAR Communication)(状況:低血糖症状あり、背景:インスリン治療中、アセスメント:血糖値50 mg/dL、提案:ブドウ糖投与を実施しました)を行います。意識障害がある場合は、静脈路を確保し、医師の指示で 50%ブドウ糖注射液 (50% Glucose Solution) の静注や グルカゴン注射 (Glucagon Injection) の準備をします。
- 4評価15分後再度血糖値を測定し、症状が改善しているか確認します。改善後は、次の食事やインスリン量の調整を医師と相談します。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 意識障害がある患者への経口補糖は誤嚥のリスクがあるため禁忌です!
- 最重要! 低血糖は放置すると脳に不可逆的なダメージを与えるため、迅速な対応が看護師に求められます。逆に、高血糖(Diabetic KetoacidosisやHyperosmolar Hyperglycemic State)との鑑別も重要です。
- 高齢者や腎機能低下患者では、低血糖症状が非典型的(傾眠傾向のみなど)な場合があるため、注意深い観察が必要です。 看護プロトコル- 1観察項目血糖値、意識レベル(JCS/GCS)、バイタルサイン(特に脈拍・血圧)、発汗、振戦、口渇感の有無。
- 2報告基準(SBAR)
- 3S患者が低血糖症状(冷汗、意識低下)を呈しています。
- 4B糖尿病でインスリン治療中、本日朝から食事量が少ない。
- 5A血糖値が40mg/dLと低値であり、低血糖状態と考えます。
- 6R静脈路を確保し、50%ブドウ糖液の投与を検討いただけますか?
- 7記録のポイント発生時刻、血糖値、症状、実施したケア(補糖の方法・量)、患者の反応、医師への報告内容と指示内容。
先輩看護師の一言
「低血糖は『見つけたらすぐ』が鉄則です!『ちょっと様子を見よう』は絶対ダメ。患者さんの『なんか変』は信じてあげてください。この問題のグルカゴンの知識は、まさにその『なぜ低血糖が危険か』を理解するための基本。体が血糖を上げようとするホルモン(グルカゴン)を知っていると、なぜブドウ糖を急いで補給しなければならないか、納得できるでしょう?国試でも臨床でも、この『ホルモンの働き』と『看護の根拠』を結びつける習慣をつけましょうね。」
- グルカゴン — 膵臓ランゲルハンス島のα細胞から分泌されるホルモン。血糖値低下時に肝臓でのグリコーゲン分解と糖新生を促進し、血糖値を上昇させる。
- インスリン — 膵臓ランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるホルモン。血糖値上昇時に細胞へのグルコース取り込みを促進し、血糖値を低下させる。
- ソマトスタチン — 膵臓ランゲルハンス島のδ細胞から分泌されるホルモン。成長ホルモンやインスリン、グルカゴンの分泌を抑制する働きを持つ。
- 血糖値 (Blood Glucose Level) — 血液中のグルコース濃度。空腹時正常値は70~109 mg/dL。膵臓ホルモン(インスリン・グルカゴン)によって厳密に調節される。
- α細胞 (Alpha Cells) — 膵臓ランゲルハンス島に存在する細胞の一種で、グルカゴンを分泌する。血糖値の低下に応答して活性化する。
MyMerciで看護師国家試験を完全対策
過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。
無料で始める
学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。