こんな問題があと491問挑戦 ›
内分泌系
血中カルシウム濃度が上昇した際に、分泌が促進されるホルモンはどれか。
-
1
成長ホルモン (GH)
-
2
副甲状腺ホルモン (PTH)
-
3
活性型ビタミンD
-
4
アルドステロン
-
5
カルシトニン
✓ 正解
解説
カルシトニンは甲状腺傍濾胞細胞 (C細胞) から分泌され、血中カルシウム濃度上昇時に骨吸収を抑制しカルシウムを低下させる。PTH はカルシウム低下時に分泌され上昇させる。活性型ビタミンD はカルシウム吸収を促進するが、分泌調節は PTH やカルシウム濃度に依存する。
同じテーマの次の問題フィードバック調節において、上位中枢からの刺激がホルモン分泌を促進する調節様式はどれか。この問題が収録された問題集人体の構造と機能KRW 12,900
核心解説
この問題は、血中カルシウム (Calcium) 濃度の調節に関わるホルモンを問うています。体内のカルシウム濃度は、非常に狭い範囲で厳密に調節されており、その主役は 副甲状腺ホルモン (PTH: Parathyroid Hormone) と カルシトニン (Calcitonin) の2つです。この2つのホルモンは、血中カルシウム濃度に対して相反する作用を持ち、互いにバランスをとっています。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 正解は カルシトニン です。カルシトニンは甲状腺傍濾胞細胞(C細胞)から分泌され、その主な作用は骨吸収 (Bone Resorption) の抑制です。血中カルシウム濃度が上昇すると、それを感知したC細胞からカルシトニンが分泌され、骨からのカルシウム放出を抑えることで、血中カルシウム濃度を正常範囲に戻そうとします。つまり、カルシトニンはカルシウム低下ホルモンです。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意!
- ②番の副甲状腺ホルモン (PTH)は、血中カルシウム濃度が低下した際に分泌が促進され、骨吸収や腎でのカルシウム再吸収を促進することで、血中カルシウム濃度を上昇させます。つまり、カルシトニンとは逆の作用を持つホルモンです。
- ③番の活性型ビタミンDは、腸管でのカルシウム吸収を促進する作用がありますが、その分泌はPTHによって調節される側面が強く、血中カルシウム上昇に直接反応して分泌が促進されるわけではありません。
- ①番の成長ホルモン (GH)は、骨の成長を促進しますが、カルシウム代謝の直接的な調節ホルモンではありません。
- ④番のアルドステロンは、副腎皮質から分泌され、ナトリウムとカリウムのバランスを調節する鉱質コルチコイドであり、カルシウム代謝には直接関与しません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
カルシトニンとPTHの作用を対比して覚えましょう。PTHは「カルシウムを上げる」ホルモン、カルシトニンは「カルシウムを下げる」ホルモンです。また、カルシトニンは、骨粗鬆症 (Osteoporosis) の治療薬としても使用されることがあることも押さえておきましょう。
概念整理: 血中カルシウム濃度調節ホルモン
| ホルモン | 分泌部位 | 分泌刺激 | 主な作用 | 血中Caへの影響 |
| 副甲状腺ホルモン (PTH) | 副甲状腺 | 血中Ca ↓ | 骨吸収促進 / 腎Ca再吸収促進 / 活性型ビタミンD産生促進 | 上昇 |
| カルシトニン | 甲状腺C細胞 | 血中Ca ↑ | 骨吸収抑制 | 低下 |
一目で比較!: 混同注意! 「Caが低い → PTHが出る → Caが上がる」「Caが高い → カルシトニンが出る → Caが下がる」というネガティブフィードバック機構をセットで覚えましょう。
看護過程ポイント: カルシウム異常の患者さんでは、高カルシウム血症 (Hypercalcemia)では脱力感・便秘・不整脈、低カルシウム血症 (Hypocalcemia)ではテタニー・しびれ・痙攣に注意が必要です。
暗記のコツ: 「カルシトニンはCaをトニン(止める)」と覚えましょう。血中Caが上がったら、Caを骨から出すのを「止める」ホルモンです。
国試頻出ポイント: PTHとカルシトニンの分泌調節機序は、ホルモンとその作用を問う頻出問題です。特に「分泌刺激」と「作用」の方向性を正しく理解しておくことが重要です。
臨床実践ガイド臨床シナリオ (Clinical Scenario)70代女性、骨粗鬆症で通院中。定期採血の結果、血中カルシウム値が10.8mg/dLと高値を示しました。主治医が「甲状腺機能に問題はないか」とコメントしました。この時、あなたはカルシトニンの分泌動態をどのようにアセスメントしますか?
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)カルシトニンは、血中Ca上昇に反応して分泌が促進されるホルモンです。この患者さんの高Ca血症は、骨吸収の亢進(骨粗鬆症の進行)が原因の可能性があります。しかし、カルシトニンが正常に分泌されていれば、それを抑制しようとする生体反応が働いているはずです。看護師は、高Ca血症の症状(倦怠感、食欲不振、便秘、多尿、不整脈)の有無を観察し、必要に応じて医師へ報告します。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)最重要! 高Ca血症の患者さんでは、脱水と不整脈に注意が必要です。また、カルシトニン製剤を治療で使用する際には、アナフィラキシーショックや吐き気などの副作用に注意しながら投与します。
看護プロトコル: 高Ca血症の観察項目:バイタルサイン(特に心電図モニターでのQT短縮の有無)、意識レベル、筋力(脱力感)、消化器症状(嘔気・嘔吐・便秘)、尿量(多尿による脱水リスク)。
先輩看護師の一言: 「ホルモンの作用は、まるで生体の精密な天秤のようなもの!PTHとカルシトニンの関係は、この天秤の両端に乗っているイメージで覚えると、『どっちが上がったら、どっちが出る』という関係がスッと頭に入りますよ。国試だけでなく、実際の患者さんの検査値を見るときにも役立ちます!」
- カルシトニン — 甲状腺傍濾胞細胞(C細胞)から分泌されるホルモン。血中カルシウム濃度上昇時に分泌が促進され、骨吸収を抑制することでカルシウムを低下させる。
- 副甲状腺ホルモン — 副甲状腺から分泌されるホルモン。血中カルシウム濃度低下時に分泌が促進され、骨吸収・腎再吸収・活性型ビタミンD産生を介してカルシウムを上昇させる。
- 高カルシウム血症 — 血中カルシウム濃度が基準範囲を超えて上昇した状態。脱力感、便秘、不整脈などの症状を引き起こす。
- 低カルシウム血症 — 血中カルシウム濃度が基準範囲を下回った状態。テタニー(筋肉の痙攣)、しびれ、テルソー徴候などが現れる。
- 骨吸収 — 破骨細胞によって骨組織が分解され、骨からカルシウムやリンが血中に放出される過程。PTHは促進、カルシトニンは抑制する。
MyMerciで看護師国家試験を完全対策
過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。
無料で始める
学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。