核心解説
この問題は、
院内急変(In-hospital Cardiac Arrest)時の看護師の初期対応を問うています。心停止(Cardiac Arrest)とは、心臓のポンプ機能が停止し、全身への血流が途絶えた状態です。看護師に求められるのは、
迅速な一次救命処置(BLS: Basic Life Support)の開始であり、特に
最重要! 胸骨圧迫(Chest Compression)の早期開始が生存率に直結します。成人の院内心停止(IHCA: In-hospital Cardiac Arrest)では、「蘇生の連鎖(Chain of Survival)」の最初の環である「即座の救命処置と迅速な通報」が看護師の役割です。
正解の根拠(Answer Rationale)
最重要! 看護師が患者の心停止を確認した場合、
医師を待たずに直ちに胸骨圧迫を開始することが国際的な蘇生ガイドライン(AHA/ERCガイドライン2020)で推奨されています。1分遅れるごとに生存率は7~10%低下するため、迅速な胸骨圧迫で脳や心臓への血流を維持することが最優先です。胸骨圧迫は
毎分100~120回のテンポ、深さ約5cm で行い、中断を最小限にします。
誤答の分析(Distractor Analysis)
- ①番:家族への連絡は、蘇生処置開始後または他のスタッフに任せる段階での対応であり、最初に行うべき行動ではありません。
- ②番:気管挿管(Endotracheal Intubation)は二次救命処置(ACLS: Advanced Cardiac Life Support)の一環であり、医師や特定の資格を持つ看護師が行います。看護師が最初に行うべきは胸骨圧迫です。
- ④番:ベッドサイドで観察しているだけでは、患者の生命を救う能動的な介入になりません。状況判断は瞬時に行い、行動に移す必要があります。
- ⑤番:医師の到着を待つことは致命的です。看護師は蘇生のファーストレスポンダーとして、自ら胸骨圧迫を開始する責任があります。
関連概念の整理(Related Concepts)
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混同注意! BLS(一次救命処置) vs ACLS(二次救命処置):BLSは胸骨圧迫と人工呼吸、AED使用が中心で、看護師が単独で開始可能です。ACLSは気管挿管、薬剤投与(アドレナリンなど)、心電図解析を含み、医師の指示や特定行為が必要です。
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院内心停止(IHCA) vs 院外心停止(OHCA):IHCAではモニター監視下での早期発見が可能であり、看護師の迅速な対応が特に重要です。
概念整理:心停止とは、心臓の拍動が停止し、意識消失・呼吸停止・脈拍触知不能となる病態。看護師の役割は「蘇生の連鎖」の第一環である早期BLS開始(特に胸骨圧迫)と、院内コードブルーシステムの起動。
一目で比較!:
| 対応段階 | 看護師の行動 | 医師の役割 |
|---|
| 心停止直後(0~1分) | 胸骨圧迫開始・助けを呼ぶ | 到着まで蘇生指示 |
| 2~5分 | バッグバルブマスク換気補助 | 気管挿管・除細動 |
| 5分以降 | 薬剤準備・記録 | ACLSプロトコル実施 |
看護過程ポイント:
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アセスメント:反応確認(肩を叩き「大丈夫ですか?」)、呼吸確認(胸の動きを見る、10秒以内)、頸動脈触知(医療者向け)。
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看護診断:「心肺停止(Cardiopulmonary Arrest)」→ 即時救命処置。
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計画・実施:BLSアルゴリズムに従いC-A-B(循環・気道・呼吸)の順で介入。C:胸骨圧迫、A:気道確保(頭部後屈あご挙上)、B:人工呼吸。
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評価:胸骨圧迫の質(テンポ・深さ・リコイル)、SpO2波形、ETCO2(終末呼気二酸化炭素濃度)モニタリング。
暗記のコツ:「心停止を見たら、まず胸を押せ!」と覚えましょう。C-A-Bの「C(Circulation)」が最初です。昔のA-B-C(気道→呼吸→循環)から変更された理由は、胸骨圧迫の開始を遅らせないためです。
国試頻出ポイント:看護師国家試験では、「心停止時の看護師の初期対応」として、
胸骨圧迫の開始が最優先であることを問う問題が頻出です。状況設定問題では、「バイタルサイン測定中に意識消失→脈拍触知不能」という流れで出題されます。
出題パターン注意!:単純な知識問題に加え、「夜間、1人で担当患者の心停止を発見した。あなたはまず何をするか?」という状況設定問題で、助けを呼びながら胸骨圧迫を開始する行動が正解となるパターンがよく出ます。電話で指示を仰ぐだけでは不十分です。