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診療に伴う技術
AEDを使用する際、パッドを貼る位置として正しいのはどれか。
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1
両側の前胸部
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2
背部と前胸部
-
3
左前胸部と右側胸部
-
4
右前胸部と左側胸部
✓ 正解
-
5
心尖部と胸骨上部
解説
AEDのパッドは、1枚を右鎖骨下(右前胸部)、もう1枚を左側胸部(心尖部)に貼る。これにより心臓を挟む形で電流を流し、除細動効果を高める。
同じテーマの次の問題心肺蘇生法(CPR)において、胸骨圧迫と人工呼吸の比として正しいのはどれか。この問題が収録された問題集看護師の基本となる基礎看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、自動体外式除細動器 (AED)のパッドの正しい貼付位置を問うています。AEDは、心室細動 (Ventricular Fibrillation, VF)や無脈性心室頻拍 (Pulseless Ventricular Tachycardia, pVT)といった致死性不整脈に対して、心臓を挟むように電流を流し、正常なリズムに戻すための機器です。パッドの貼付位置は、この電流が心臓を効果的に通過するために極めて重要であり、正しい位置を理解することは救命率向上に直結します。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! AEDのパッドは、心臓を挟んで電流が流れるように貼付します。具体的には、1枚を右前胸部(右鎖骨下)、もう1枚を左側胸部(心尖部、左腋窩前線上の第5肋間付近)に貼ります(選択肢④)。この位置関係により、心臓の長軸に沿って効果的な除細動エネルギーを供給できます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意!
① 誤り 両側の前胸部に貼ると、電流が心臓を十分に通過せず、除細動効果が著しく低下します。これは心電図モニターの電極貼付位置とは異なることを覚えておきましょう。
② 誤り 背部と前胸部への貼付は、小児用パッドや乳幼児に対して推奨される位置(前後法)です。成人の標準的な貼付位置ではありません。
③ 誤り 左前胸部と右側胸部は、正解の左右が逆になっています。これでは心臓を効果的に挟めません。
⑤ 誤り 心尖部と胸骨上部も心臓を挟む位置関係にはなりますが、AEDのパッドは専用の図示に従い、右前胸部と左側胸部に貼ることが標準であり、最も効果的かつ安全な位置として確立されています。
関連概念の整理 (Related Concepts)
- 小児への対応: 1歳以上8歳未満の小児には、専用の小児用パッドを使用します。小児用パッドがない場合は、成人用パッドを使用しても差し支えありません。その場合、パッド同士が接触しないように注意し、必要に応じて前後法(胸部と背部)を検討します。1歳未満の乳児には、可能であれば前後法が推奨されます。
- パッドの密着: パッドは肌にしっかりと密着させる必要があります。胸部に毛が多い場合は剃毛し、湿っている場合は拭き取ります。また、ペースメーカーや貼付薬(ニトログリセリンなど)が貼ってある場所は避けて貼ります。
- 安全確認: パッドを貼る前に、周囲の安全を確認し、誰も患者に触れていないことを確認します。ショック中も同様です。
概念整理: AED (Automated External Defibrillator)のパッド位置は、心臓を挟む「右前胸部 + 左側胸部」が基本です。電流の通り道をイメージすると覚えやすいです。
一目で比較!:
| 項目 | AEDパッド位置(成人) | 心電図モニター電極位置 |
|---|
| 目的 | 除細動(電気ショック) | 心電図波形の記録・監視 |
| 貼付位置 | 右前胸部(右鎖骨下)と左側胸部(心尖部) | 四肢(両腕・両足首)や胸部(V1~V6) |
| 数 | 2枚(1組) | 3~12個(誘導による) |
看護過程ポイント:
- アセスメント: 傷病者が突然の意識消失と正常呼吸がない(死戦期呼吸のみを含む)ことを確認し、BLSプロトコルに従います。
- 介入: AED到着後、速やかに電源を入れ、音声ガイダンスに従いパッドを正しい位置に貼付します。
- 評価: パッド貼付後、AEDが心電図解析を開始します。解析中およびショックボタン押下時は、傷病者から離れていることを確認します。
暗記のコツ: 「右前胸部(鎖骨下)、左側胸部(わきの下のライン)」と唱えて覚えましょう。イメージとして、心臓を両手で挟むようにパッドを置く位置を思い浮かべると良いです。
国試頻出ポイント: AEDの適応(VF/pVT)、使用手順(電源ON→パッド貼付→解析→ショック→胸骨圧迫再開)、安全確認事項(誰も触れていないか)、小児用パッドの使い分け、ペースメーカーや貼付薬への注意が頻出です。特にパッド位置は毎年と言って良いほど出題される基本事項です。
出題パターン注意!: 「AEDを使用する際、パッドを貼る位置として適切なのはどれか」という単純知識問題に加え、「AED到着後の看護師の行動を手順に並べ替えよ」といった手順問題、また「傷病者の胸部に貼付薬がある場合の対応」といった応用問題が出題されます。
臨床実践ガイド- 臨床シナリオ (Clinical Scenario)病棟で患者が突然、意識を失い、呼吸がありません。看護師が駆け付け、BLSを開始しました。別の看護師がAEDを持参しました。あなたはAEDの準備を任されました。
- 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
- 1準備と安全確認患者の胸部が露出しているか確認。濡れていたり、毛深い場合は速やかに処理。ペースメーカー(触知可能な硬い隆起)や貼付薬がないか確認し、あれば場所を避けてパッドを貼ります。
- 2パッド貼付右前胸部(右鎖骨下)と左側胸部(心尖部)にパッドをしっかりと密着させます。
- 3解析とショックAEDの音声ガイダンスに従い、解析中は「全員離れてください!」と声をかけ、自分を含め誰も患者に触れていないことを確認します。ショック適応と判断されれば、同様に安全確認後、ショックボタンを押します。
- 4胸骨圧迫再開ショック後は直ちに、AEDの解析を待たずに胸骨圧迫を再開します(5サイクルまたは約2分間)。その後、AEDが再度解析を行います。
- 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)最重要! AED使用中は、絶対に誰も患者に触れないこと。感電の危険があります。また、酸素ボンベやアルコール綿など引火性のあるものから患者を遠ざけてください。パッドは有効期限を確認し、開封後はすぐに使用します。
看護プロトコル: SBAR報告例:「医師へ報告します。3階A病棟の佐藤太郎様、70歳男性。先ほど突然意識を消失し、呼吸がありません。ただちにBLSを開始し、AEDを装着しました。AEDはショック適応と判断し、1回のショックを実施しました。現在、胸骨圧迫を継続中です。至急、応援と指示をお願いします。」
先輩看護師の一言: 「AEDの音声ガイダンスはとてもわかりやすいけど、焦ってると聞き逃しちゃうこともあるの。特に『全員離れて!』の確認は、大きな声で周囲に知らせるのが鉄則!パッドの位置は、普段からシミュレーションで何度も確認しておくと、いざという時に迷わないよ。国試でも現場でも、この基本を絶対に忘れないで!」
- AED (Automated External Defibrillator) — 自動体外式除細動器。心室細動や無脈性心室頻拍などの致死性不整脈に対して、心臓に電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器。音声ガイダンスに従って操作することで、非医療従事者でも使用可能。
- 心室細動 (Ventricular Fibrillation, VF) — 心臓の心室が無秩序に細かく震えるだけで、血液を全身に送り出すことができない致死性不整脈。意識消失、呼吸停止、脈拍消失をきたし、迅速な除細動が必要。
- パッド貼付位置 — AEDのパッドを貼る場所。成人では右前胸部(右鎖骨下)と左側胸部(心尖部)。心臓を挟んで電流を流すための最も効果的な位置。
- 死戦期呼吸 (Agonal Respiration) — 心停止直後などに見られる、不規則で途切れ途切れの苦しそうな呼吸。正常な呼吸ではないため、心肺蘇生の対象となる。これを「呼吸あり」と誤認しないことが重要。
- 前後法 (Anterior-Posterior Method) — AEDパッドの貼付方法の一つ。1枚を前胸部、もう1枚を背部(左肩甲骨の下など)に貼る方法。主に小児や乳幼児、または前胸部にペースメーカーなどがある場合に用いられることがある。
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