核心解説
この問題は、
自動体外式除細動器 (AED)のパッドの正しい貼付位置を問うています。AEDは、
心室細動 (Ventricular Fibrillation, VF)や無脈性心室頻拍 (Pulseless Ventricular Tachycardia, pVT)といった致死性不整脈に対して、心臓を挟むように電流を流し、正常なリズムに戻すための機器です。パッドの貼付位置は、この電流が心臓を効果的に通過するために極めて重要であり、正しい位置を理解することは救命率向上に直結します。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! AEDのパッドは、心臓を挟んで電流が流れるように貼付します。具体的には、1枚を
右前胸部(右鎖骨下)、もう1枚を
左側胸部(心尖部、左腋窩前線上の第5肋間付近)に貼ります(選択肢④)。この位置関係により、心臓の長軸に沿って効果的な除細動エネルギーを供給できます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意!
①
誤り 両側の前胸部に貼ると、電流が心臓を十分に通過せず、除細動効果が著しく低下します。これは心電図モニターの電極貼付位置とは異なることを覚えておきましょう。
②
誤り 背部と前胸部への貼付は、小児用パッドや乳幼児に対して推奨される位置(前後法)です。成人の標準的な貼付位置ではありません。
③
誤り 左前胸部と右側胸部は、正解の左右が逆になっています。これでは心臓を効果的に挟めません。
⑤
誤り 心尖部と胸骨上部も心臓を挟む位置関係にはなりますが、AEDのパッドは専用の図示に従い、右前胸部と左側胸部に貼ることが標準であり、最も効果的かつ安全な位置として確立されています。
関連概念の整理 (Related Concepts)
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小児への対応: 1歳以上8歳未満の小児には、専用の小児用パッドを使用します。小児用パッドがない場合は、成人用パッドを使用しても差し支えありません。その場合、パッド同士が接触しないように注意し、必要に応じて前後法(胸部と背部)を検討します。1歳未満の乳児には、可能であれば前後法が推奨されます。
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パッドの密着: パッドは肌にしっかりと密着させる必要があります。胸部に毛が多い場合は剃毛し、湿っている場合は拭き取ります。また、ペースメーカーや貼付薬(ニトログリセリンなど)が貼ってある場所は避けて貼ります。
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安全確認: パッドを貼る前に、周囲の安全を確認し、誰も患者に触れていないことを確認します。ショック中も同様です。
概念整理:
AED (Automated External Defibrillator)のパッド位置は、心臓を挟む「右前胸部 + 左側胸部」が基本です。電流の通り道をイメージすると覚えやすいです。
一目で比較!:
| 項目 | AEDパッド位置(成人) | 心電図モニター電極位置 |
|---|
| 目的 | 除細動(電気ショック) | 心電図波形の記録・監視 |
| 貼付位置 | 右前胸部(右鎖骨下)と左側胸部(心尖部) | 四肢(両腕・両足首)や胸部(V1~V6) |
| 数 | 2枚(1組) | 3~12個(誘導による) |
看護過程ポイント:
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アセスメント: 傷病者が
突然の意識消失と
正常呼吸がない(死戦期呼吸のみを含む)ことを確認し、BLSプロトコルに従います。
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介入: AED到着後、速やかに電源を入れ、音声ガイダンスに従いパッドを正しい位置に貼付します。
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評価: パッド貼付後、AEDが心電図解析を開始します。解析中およびショックボタン押下時は、傷病者から離れていることを確認します。
暗記のコツ: 「右前胸部(鎖骨下)、左側胸部(わきの下のライン)」と唱えて覚えましょう。イメージとして、心臓を両手で挟むようにパッドを置く位置を思い浮かべると良いです。
国試頻出ポイント: AEDの適応(VF/pVT)、使用手順(電源ON→パッド貼付→解析→ショック→胸骨圧迫再開)、安全確認事項(誰も触れていないか)、小児用パッドの使い分け、ペースメーカーや貼付薬への注意が頻出です。特にパッド位置は毎年と言って良いほど出題される基本事項です。
出題パターン注意!: 「AEDを使用する際、パッドを貼る位置として適切なのはどれか」という単純知識問題に加え、「AED到着後の看護師の行動を手順に並べ替えよ」といった手順問題、また「傷病者の胸部に貼付薬がある場合の対応」といった応用問題が出題されます。