脳血管障害による右片麻痺患者のブルンストロームステージ(Brunnstrom stage)を評価したところ、右上肢がステ… | MyMerci
運動機能障害のある患者の看護
問題

脳血管障害による右片麻痺患者のブルンストロームステージ(Brunnstrom stage)を評価したところ、右上肢がステージIVであった。このステージでみられる特徴的な運動パターンはどれか。

解説
ブルンストロームステージIVは、共同運動パターンから分離した運動が出現し始める段階である。例えば、肩関節外転90度での肘関節屈曲や、手を腰の後ろに持っていく動作などが可能になるが、手指の伸展(手を開く)はまだ困難である。

詳細解説

核心解説 この問題は、脳血管障害(Cerebrovascular Accident, CVA)による片麻痺患者の回復過程を評価する上で重要なブルンストロームステージ (Brunnstrom Stage)の理解を問うています。ブルンストロームステージは、脳卒中後の運動回復を6段階に分類し、麻痺側の運動パターンの変化を評価する指標です。特にステージIVは、共同運動 (Synergy) から分離運動 (Isolated Movement) への移行期であり、この段階の特徴を正確に捉えることが看護アセスメントの鍵となります。 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! ブルンストロームステージIVの特徴は、共同運動パターンから分離した運動が出現し始めることです。例えば、肩関節を外転90度に保ちながら肘関節を屈曲する、手を腰の後ろに持っていく、手を前に伸ばすなどの動作が可能になります。しかし、混同注意! この段階では、手指の伸展(手のひらを開くこと)はまだ困難であり、巧緻運動は不完全です。選択肢2は、この「分離運動の出現」と「手指伸展の困難さ」の両方を正しく捉えています。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
⚠️ 以下の分析は学習用の詳細解説です。選択肢の横に表示される短いコメント(qn_wrong_c)とは別のUI領域です。
- ①番(共同運動の要素が強く、個別の指の動きは困難である):混同注意! これはステージIII(共同運動が最盛期で、随意運動が共同運動パターン内でのみ可能)の特徴です。ステージIVでは共同運動からの分離が始まります。
- ③番(分離した運動が可能で、手指の巧緻運動がほぼ正常である):ステージVI(最終段階)の特徴です。ステージIVでは手指の動きはまだ協調性に欠けます。
- ④番(強い痙性がみられ、共同運動のみが可能である):ステージII〜IIIの特徴です。ステージIVでは痙性は徐々に低下し始めます。
- ⑤番(随意運動はみられず、完全に弛緩した状態である):ステージI(弛緩期)の特徴です。 関連概念の整理 (Related Concepts)
ブルンストロームステージは、片麻痺の回復を段階的に評価するゴールドスタンダードです。ステージI(弛緩期)→ II(痙性出現・共同運動開始)→ III(共同運動最盛期)→ IV(分離運動出現)→ V(分離運動発達)→ VI(ほぼ正常)。特にステージIVは、運動療法 (Therapeutic Exercise)日常生活動作 (ADL)訓練の介入を積極的に進める重要な節目です。看護師は、患者がどのステージにあるかを把握し、適切なポジショニングや関節可動域訓練(ROM訓練)、自己介助での更衣や食事動作の指導に役立てます。
概念整理: ブルンストロームステージIV(分離運動出現期)は、共同運動から自由な運動への過渡期。手指伸展は困難だが、肩・肘の分離運動が可能になる。痙性は低下傾向。
一目で比較!:
ステージ特徴運動パターン
I弛緩性麻痺随意的な動きなし
II痙性出現共同運動の初期
III共同運動最盛期強い痙性、共同運動内でのみ随意運動可能
IV分離運動出現共同運動から分離し始めるが手指伸展困難
V分離運動発達より複雑な分離運動可能、手指伸展可能
VIほぼ正常巧緻運動含めほぼ正常

看護過程ポイント: アセスメントでは、共同運動の有無とそのパターン分離運動の程度(肩外転での肘屈曲など)手指の動きを観察。看護診断として「身体可動性障害 (Impaired Physical Mobility)」が挙げられ、計画では段階に応じたADL訓練(例:ステージIVでは麻痺側上肢を使った更衣動作の練習)を立案する。評価では、分離運動の獲得状況やADL遂行度の向上を確認する。
暗記のコツ: ブルンストロームステージは「I: 弛緩、II: 痙性・共同、III: 共同最盛、IV: 分離始まる、V: 分離進む、VI: 正常」とゴロで覚えましょう。「イチ に さん し ご ろく」のリズムで。「IVは『手を開けず、分離運動が始まる段階』」をキーワードに。
国試頻出ポイント: ブルンストロームステージは、脳卒中リハビリテーション看護の頻出項目です。特に各ステージの「できること」「できないこと」を正しく区別する問題がよく出ます。ステージIVとIIIの鑑別(共同運動 vs 分離運動の出現)が重要です。
出題パターン注意!: 「右上肢がステージIVの患者のADLで適切な指導はどれか」といった応用問題や、事例問題で「患者の麻痺の状態をアセスメントし、適切なリハビリ目標を選ぶ」形式に発展することがあります。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
脳梗塞(Cerebral Infarction)による右片麻痺の50代男性。発症後3週間が経過し、リハビリ病棟に転棟しました。ブルンストロームステージは右上肢IV、手指はIII程度です。患者さんは「左手だけで何とか服を着ているけど、右手も使いたい」と話しています。看護師として、患者さんのリハビリ目標と具体的な介入方法をどのように考えますか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
まず、患者の運動機能を正確にアセスメントします。ステージIVであれば、肩関節の外転や肘の屈曲伸展はある程度可能ですが、手指の伸展(手を開く)は困難なことを確認します。次に、最重要! ADL訓練の計画を立てます。例えば、更衣では麻痺側上肢を袖に通す動作は介助または軽度の促しで行い、ボタンかけは健側(左手)主体で行うよう指導します。食事では、スプーンやフォークの柄を太くする自助具を提案し、麻痺側の手で器を支える練習から始めます。また、作業療法士 (Occupational Therapist)理学療法士 (Physical Therapist)と連携し、分離運動を促すリハビリプログラム(例:肩外転位での肘屈伸練習)を統合的に進めます。評価は、毎日のADL遂行状況と、患者さんの「できた」という主観的満足度を確認しながら行います。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
混同注意! 痙性がまだ残るため、無理に麻痺側を引っ張ったり、関節を過伸展しないよう注意します。転倒・転落リスクが高いため、ベッド柵の使用や歩行時の介助は徹底します。また、患者の焦りや意欲低下に配慮し、「できないこと」よりも「できるようになったこと」を積極的にフィードバックする関わりが重要です。
看護プロトコル: 観察項目:ブルンストロームステージの定期的評価(週1回)、ADL(更衣・食事・整容)の自立度、関節可動域(ROM)の制限、疼痛の有無。報告基準(SBAR):S(状況)「患者の右上肢ブルンストロームステージがIVです」、B(背景)「手指伸展は困難だが肩肘の分離運動が出現」、A(アセスメント)「ADL訓練のステップアップが可能」、R(提案)「作業療法士と連携し、更衣訓練を開始したい」。記録:評価日、ステージ、ADLの具体的な介助量、患者の反応。
先輩看護師の一言:「ブルンストロームステージは、患者さんの回復の『今』を教えてくれる地図のようなものです。ステージが上がるたびに、患者さんも看護師も本当に嬉しくなりますよ!国試ではステージの数字と特徴を暗記するだけでなく、『このステージの患者さんには、どんな生活動作で困っていて、私たち看護師はどう支援できるのか』を想像しながら勉強してみてください。現場で必ず役立ちます!」

重要概念

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