副腎皮質から分泌されるホルモンとその作用の組み合わせで正しいのはどれか。 | MyMerci
内分泌系
問題

副腎皮質から分泌されるホルモンとその作用の組み合わせで正しいのはどれか。

解説
コルチゾールは糖質コルチコイドであり、抗炎症作用、免疫抑制作用、血糖上昇作用、タンパク質異化作用などを持つ。アルドステロンは鉱質コルチコイドであり、腎臓でのナトリウム再吸収とカリウム排泄を促進する。アドレナリンは副腎髄質ホルモンである。アンドロゲンは男性化作用を持つ。

詳細解説

核心解説 この問題は、副腎皮質ホルモン (Adrenal Cortex Hormones)の種類と生理作用を問う、内分泌系の基礎知識です。副腎皮質は外側から順に球状帯 (Zona Glomerulosa)束状帯 (Zona Fasciculata)網状帯 (Zona Reticularis)の3層に分かれており、それぞれ異なるホルモンを分泌します。それぞれのホルモンの作用を正確に理解することが、副腎疾患やホルモン補充療法の看護の基盤となります。 正解の根拠 (Answer Rationale):
コルチゾール (Cortisol)糖質コルチコイド (Glucocorticoid)の主成分です。主要な作用として、抗炎症作用 (Anti-inflammatory Effect)免疫抑制作用 (Immunosuppressive Effect)を持ち、この作用を利用してリウマチ性疾患アレルギー疾患などの治療に用いられます。また、血糖上昇作用、タンパク質異化作用、骨吸収促進など多岐にわたる作用があります。本選択肢の組み合わせは正しいです。 誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意!アルドステロン (Aldosterone)鉱質コルチコイド (Mineralocorticoid)であり、腎臓でのナトリウム再吸収促進とカリウム排泄促進が主な作用です。「カリウム再吸収促進」ではなく「カリウム排泄促進」が正しいため、誤りです。
アンドロゲン (Androgen)は副腎皮質の網状帯から分泌される弱い男性ホルモンで、主に男性化作用 (Androgenic Effect)を持ちます。「女性化作用」は女性ホルモン(エストロゲン)の作用であり、誤りです。
③ アルドステロンの作用は「ナトリウム排泄促進」ではなく、前述の通り「ナトリウム再吸収促進」です。誤りです。
アドレナリン (Adrenaline / Epinephrine)混同注意! 副腎髄質から分泌されるホルモンであり、副腎皮質ホルモンではありません。作用は血糖上昇(グリコーゲン分解促進)、心拍数増加、気管支拡張など交感神経刺激作用が主です。「血糖値低下作用」はインスリン (Insulin)の作用であり、誤りです。 関連概念の整理 (Related Concepts):
副腎ホルモンの分類を層別に整理しましょう。
副腎の層ホルモン主な作用
球状帯 (最外層)アルドステロンNa⁺再吸収・K⁺排泄・血圧上昇
束状帯 (中間層)コルチゾール抗炎症・免疫抑制・血糖上昇
網状帯 (最内層)アンドロゲン男性化作用
髄質 (中心部)アドレナリン血糖上昇・心拍数増加・気管支拡張
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群 (Cushing's Syndrome))ではコルチゾール過剰による中心性肥満・満月様顔貌・高血糖など、原発性アルドステロン症(コン症候群 (Conn's Syndrome))では高血圧・低K血症など、それぞれのホルモン過剰症状を病態と結びつけて覚えましょう。
概念整理: 副腎皮質は3層構造で、球状帯→鉱質コルチコイド(アルドステロン)、束状帯→糖質コルチコイド(コルチゾール)、網状帯→性ホルモン(アンドロゲン)と、層ごとに分泌ホルモンと作用が異なる。髄質は別系統(カテコールアミン:アドレナリン・ノルアドレナリン)である。
一目で比較!: 混同注意! コルチゾール(糖質コルチコイド)vs アルドステロン(鉱質コルチコイド)。前者は「糖と免疫」、後者は「電解質と血圧」とキーワードで覚えると良い。
看護過程ポイント: 副腎皮質ホルモン(特にコルチゾール)を長期投与している患者の看護では、アセスメントで易感染性(免疫抑制による感染リスク)・高血糖・骨粗鬆症・消化性潰瘍に注意。看護診断「感染リスク状態」「血糖変動リスク状態」「転倒リスク状態」が優先される。介入では、感染予防のための手指衛生・バイタルサイン観察、血糖モニタリング、転倒予防策を徹底する。
暗記のコツ: 副腎皮質ホルモンの語呂合わせ「皮質ルド(アルドステロン:球状帯)→Naップ(再吸収)、コルチ(コルチゾール:束状帯)→コル(抗炎症・免疫抑制)、アンド(アンドロゲン:網状帯)→アン(男性化作用)」と覚える。
国試頻出ポイント: 「ホルモン名とその作用の組み合わせ」は毎年のように出題される基本問題。特に「コルチゾールの抗炎症・免疫抑制作用」と「アルドステロンのNa⁺再吸収・K⁺排泄作用」の正誤は頻出。また、副腎皮質と髄質のホルモンを混同しないように注意(アドレナリンは髄質ホルモン)。
出題パターン注意!: 単純な知識問題から、状況設定問題へ発展。例:「クッシング症候群の患者の看護計画を立案せよ」「ステロイド長期使用中の患者に発熱がみられた場合のアセスメントと対応」など、ホルモンの作用を病態・看護介入に応用する問題が出題される。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario):
50代女性、関節リウマチ (Rheumatoid Arthritis)の治療のため、プレドニゾロン (Prednisolone)(合成糖質コルチコイド)を長期内服中。外来受診時に「最近、のどの痛みと微熱がある」と訴えました。バイタルサインは体温37.8℃、血圧140/85mmHg、脈拍88回/分。採血結果でCRP上昇と血糖値180mg/dLが認められました。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
最重要! ステロイド長期使用患者の易感染性を考慮し、感染症の有無を迅速にアセスメントします。観察:バイタルサイン(特に発熱の有無、血圧上昇に注意)、呼吸音、皮膚の状態(感染兆候)。アセスメント:ステロイドの免疫抑制作用により、通常より感染症状がマスクされる可能性がある(発熱が軽度、炎症反応が抑制される)。報告:SBARを使用。S(状況)「関節リウマチでプレドニゾロン内服中の患者が、咽頭痛と微熱あり」、B(背景)「ステロイド長期使用中」、A(アセスメント)「易感染状態にあり、感染症の可能性が高い」、R(推奨)「採血(CRP・血糖・血液培養)と抗菌薬の処方を検討してほしい」。介入:医師の指示のもと、感染源の特定(咽頭培養など)、必要に応じて抗菌薬投与。評価:症状の経過、バイタルサインの安定、血糖コントロール状態。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
⚠️ 禁忌・注意! ステロイド長期投与中の患者では、副腎クリーゼ (Adrenal Crisis)のリスクがあるため、急な休薬・減量は絶対に行わない。感染症発症時には、通常より多めのステロイド補充(ストレスカバー)が必要となる場合がある。また、高血糖や消化性潰瘍、骨粗鬆症、易感染性などの副作用に常に注意し、患者教育(感染予防、血糖自己測定、転倒予防)を徹底する。
看護プロトコル: 観察項目:バイタルサイン(4時間毎)、血糖値(食前・食後)、体重(浮腫評価)、便潜血(消化性潰瘍スクリーニング)、皮膚の状態。報告基準:体温38℃以上、血糖250mg/dL以上、血圧160/90mmHg以上、または患者の訴え(腹痛・黒色便・呼吸困難など)があれば医師に報告。記録:SOAP形式で経過を記載。家族への説明:ステロイドの副作用(感染しやすい・血糖が上がりやすい・骨折しやすいなど)と、その予防方法(手洗い・バランスの良い食事・転倒予防)を具体的に伝える。
先輩看護師の一言: 「コルチゾールは‘命のホルモン’とも呼ばれるほど、体の恒常性に重要なホルモンです。国試では作用を覚えるのはもちろん、ステロイドを長期に使っている患者さんは‘感染リスク’と‘高血糖’を常に意識して観察してね!『患者さんがちょっとだるそうだな』『熱が微熱でなかなか上がらないな』と思ったら、ステロイドの免疫抑制作用で症状がマスクされているかもしれない、とアセスメントできる看護師になりましょう!」

重要概念

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