膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌され、血糖値を低下させるホルモンはどれか。 | MyMerci
内分泌系
問題

膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌され、血糖値を低下させるホルモンはどれか。

解説
インスリンはランゲルハンス島β細胞から分泌され、末梢組織での糖取り込み促進や肝臓での糖新生抑制により血糖値を低下させる。グルカゴンはα細胞から分泌され血糖値を上昇させる。ソマトスタチンはδ細胞から分泌され、インスリンやグルカゴンの分泌を抑制する。

詳細解説

核心解説 この問題は、膵臓 (Pancreas) の内分泌機能、特に ランゲルハンス島 (Islets of Langerhans) の各細胞が分泌するホルモンの作用を問う、基礎医学の頻出テーマです。血糖値の調節機構を理解する上で、どのホルモンが血糖を上昇/低下させるのか、そしてどの細胞から分泌されるのかを正確に覚えることが求められます。
最重要! 血糖値を低下させる唯一のホルモンは インスリン (Insulin) です。これはランゲルハンス島の β細胞 (Beta Cells) から分泌され、末梢組織(骨格筋、脂肪組織)でのグルコース取り込みを促進し、肝臓での糖新生を抑制することで、血糖値を下げます。
逆に、血糖値を上昇させるホルモン(グルカゴン (Glucagon)、コルチゾール、アドレナリン、成長ホルモンなど)と混同しないように注意が必要です。 正解の根拠 (Answer Rationale)
選択肢② インスリン が正解です。β細胞から分泌され、血糖値を低下させるという2つの条件を完全に満たしています。インスリン分泌が低下する 1型糖尿病 (Type 1 Diabetes Mellitus) や、インスリン作用が低下する 2型糖尿病 (Type 2 Diabetes Mellitus) では、高血糖状態が続くことを理解しておきましょう。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 各ホルモンの分泌細胞と作用を整理しましょう。
膵ポリペプチド (Pancreatic Polypeptide, PP) はランゲルハンス島のPP細胞(F細胞)から分泌され、消化管運動や膵液分泌を調節しますが、血糖値への直接的な作用は主ではありません。
グルカゴン (Glucagon) はα細胞から分泌され、肝臓でのグリコーゲン分解と糖新生を促進して血糖値を上昇させるため、インスリンと対になるホルモンです。低血糖時に分泌が亢進します。
グレリン (Ghrelin) は主に胃で産生されるホルモンで、食欲を促進し成長ホルモン分泌を刺激します。血糖値調節が主作用ではありません。
ソマトスタチン (Somatostatin) はδ細胞から分泌され、インスリンやグルカゴン、成長ホルモンなどの分泌を抑制するパラクリン作用を持ちますが、それ自体が直接血糖値を低下させる主要ホルモンではありません。 関連概念の整理 (Related Concepts)
血糖調節に関わるホルモンは、インスリン(唯一の血糖降下ホルモン)と、グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモン(全て血糖上昇ホルモン)の拮抗的な作用によって成り立っています。このバランスが崩れると糖尿病や低血糖症を発症します。また、インスリンとグルカゴンの分泌がソマトスタチンによって局所的に調節されていることも、膵臓の微小循環を考える上で重要です。 概念整理
細胞分泌ホルモン主な作用
α細胞 (A細胞)グルカゴン (Glucagon)血糖上昇(グリコーゲン分解・糖新生促進)
β細胞 (B細胞)インスリン (Insulin)血糖低下(糖取り込み促進・糖新生抑制)
δ細胞 (D細胞)ソマトスタチン (Somatostatin)インスリン・グルカゴン分泌抑制(パラクリン)
PP細胞 (F細胞)膵ポリペプチド (Pancreatic Polypeptide)消化管運動・膵液分泌調節
一目で比較!
ホルモン血糖への影響分泌細胞
インスリン低下β細胞
グルカゴン上昇α細胞
アドレナリン上昇副腎髄質
コルチゾール上昇副腎皮質
看護過程ポイント
- アセスメント: 糖尿病患者の血糖コントロール状態を評価する際、このインスリンと拮抗ホルモンの関係を理解していると、低血糖症状(冷汗、振戦、意識障害)高血糖症状(口渇、多飲、多尿)の出現メカニズムを患者に説明できます。
- 看護介入: インスリン投与時は、低血糖発現のリスクを常に考慮し、血糖測定と症状観察を徹底します。 暗記のコツ
- 「インスリンは血糖を下げる」と覚えましょう。インスリン(Insulin)の語感から「In(中に) sugar(糖)をin(入れる)」とイメージすると、末梢細胞への糖取り込み促進を思い出せます。
- グルカゴン(Glucagon)は「血糖を上げる」ホルモンです。「glucose(ブドウ糖)を上げる(go up)」と関連付けると良いでしょう。 国試頻出ポイント
- 「血糖値を下げるホルモンはどれか」という直接的な問題。
- 「ランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるホルモンはどれか」という分泌細胞とホルモンの組合せ問題。
- 状況設定問題では、糖尿病患者の低血糖発作時に、グルカゴンとインスリンのどちらを投与するべきか(グルカゴンが正解)という応用問題としても出題されます。 出題パターン注意!
単純な知識問題としてだけでなく、「インスリン分泌が低下した際に、相対的に優位になるホルモンはどれか?」のように、糖尿病の病態生理と絡めた問題も頻出です。ホルモンの作用を「上げる」「下げる」の方向性で整理しておきましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 例えば、1型糖尿病 (Type 1 Diabetes Mellitus) の10代の患者さんが、インスリン自己注射を忘れて高血糖(血糖値 450mg/dL)で受診しました。看護師は、インスリンの絶対的欠乏によるケトアシドーシス(DKA)のリスクをアセスメントする必要があります。
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察: バイタルサイン(特に呼吸数・深さ:Kussmaul呼吸の有無)、意識レベル、皮膚の乾燥、口渇の程度、アセトン臭の有無を確認します。
2. アセスメント: 高血糖による浸透圧利尿で脱水が進行している可能性が高いです。同時に、インスリン不足により細胞内で糖が利用できず、代わりに脂肪が分解されケトン体が産生されている状態を疑います。
3. 報告と介入: 医師にSBARで報告(S: 血糖値450mg/dL、Kussmaul呼吸あり、B: インスリン自己注射忘れ、A: DKAの可能性、R: 至急の対応が必要)。医師の指示に基づき、生理食塩液の急速輸液持続インスリン静脈注射(インスリンポンプ)の準備を開始します。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 低血糖注意! インスリン投与開始後は、急激な血糖低下による低血糖発作に注意し、1時間毎の血糖測定と意識レベルのモニタリングが必要です。
- 輸液とインスリン投与に伴う電解質異常(特に カリウム変動)に注意し、心電図モニターを装着します。
先輩看護師の一言
「『インスリンは血糖を下げる』という単純な知識が、患者さんの命を救う場面でどれほど重要か!低血糖の症状(冷や汗、震え、空腹感)と高血糖の症状(喉の渇き、頻尿、倦怠感)は、患者さん自身が気づきやすいサインです。国試で覚えたことを、患者教育に活かしてあげてくださいね。」

重要概念

MyMerciで看護師国家試験を完全対策

過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。

無料で始める

学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。