視床下部で合成され、下垂体後葉から放出されて抗利尿作用を示すホルモンはどれか。 | MyMerci
内分泌系
問題

視床下部で合成され、下垂体後葉から放出されて抗利尿作用を示すホルモンはどれか。

解説
バソプレシン (抗利尿ホルモン, ADH) は視床下部の視索上核・室傍核で合成され、軸索輸送により下垂体後葉に運ばれ貯蔵・放出される。腎臓の集合管での水の再吸収を促進し、体液浸透圧を調節する。オキシトシンも下垂体後葉から放出されるが、子宮収縮や射乳に関与する。

詳細解説

核心解説 この問題は、視床下部-下垂体系 (Hypothalamic-Pituitary System) におけるホルモンの合成・貯蔵・放出経路を問う、基礎医学の代表的な頻出問題です。特に、抗利尿ホルモン (Antidiuretic Hormone, ADH / バソプレシン) の発生起源を正確に理解しているかが鍵となります。 核心概念の分析 (Key Concept): 下垂体には大きく分けて「前葉」と「後葉」があり、ホルモンの発生起源が異なります。最重要! 下垂体後葉 (Neurohypophysis) から放出されるホルモンは、視床下部 (Hypothalamus) の神経細胞(視索上核・室傍核)で合成され、軸索輸送(Axonal Transport)によって後葉に運ばれ、貯蔵・放出されます。これに対し、下垂体前葉 (Adenohypophysis) のホルモンは、視床下部から分泌される放出ホルモン・抑制ホルモンの指令を受けて、前葉細胞内で合成・分泌されます。 正解の根拠 (Answer Rationale): ②番の バソプレシン (Vasopressin / ADH) が正解です。視床下部で合成され、下垂体後葉に蓄えられ、体の水分不足(血液浸透圧上昇)や血圧低下などの刺激で放出されます。放出後は腎臓の集合管(Collecting Duct)に作用し、水の再吸収を促進して尿量を減少させ、体液を保持します。これが「抗利尿作用 (Antidiuretic Action)」です。 誤答の分析 (Distractor Analysis): (qn_ai_explain)内に詳細を記述します。 - ①番の成長ホルモン (GH):混同注意! 下垂体前葉から分泌されるホルモンです。肝臓でのIGF-1産生を促進し、体の成長や代謝を調整します。 - ③番のプロラクチン (Prolactin):下垂体前葉から分泌され、乳腺の発達と乳汁分泌を促進します。視床下部からのプロラクチン抑制因子(ドーパミン)の制御を受けます。 - ④番の副腎皮質刺激ホルモン (ACTH):下垂体前葉から分泌され、副腎皮質からのコルチゾール分泌を刺激します。視床下部からのCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)の指令を受けます。 - ⑤番のオキシトシン (Oxytocin):混同注意! 正解のADHと同様に視床下部で合成され、下垂体後葉から放出されますが、作用が異なります。オキシトシンは分娩時の子宮収縮促進と産後の射乳反射に関与します。ADHとオキシトシンは分子構造が非常によく似ており、視床下部-後葉系のホルモンとして対で覚えることが重要です。 関連概念の整理 (Related Concepts): この問題では、下垂体前葉ホルモン(GH, TSH, ACTH, FSH, LH, PRL)と下垂体後葉ホルモン(ADH, オキシトシン)を正確に分類できることが求められます。また、ADHの作用を阻害する物質として、アルコール (Alcohol) があり、飲酒後に尿量が増える(多尿)現象と関連付けて覚えると効果的です。逆に、ADHが過剰に分泌される病態が SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群) であり、希釈性低ナトリウム血症を来たします。 概念整理:
部位ホルモン主な作用
視床下部ADH (バソプレシン) と オキシトシンのみ合成神経細胞体で合成後、軸索輸送
下垂体後葉ADH (バソプレシン), オキシトシン貯蔵・放出のみ(合成はしない)
下垂体前葉GH, TSH, ACTH, FSH, LH, PRL視床下部ホルモンの指令で前葉内で合成・分泌
一目で比較!: 混同注意! ADH vs オキシトシン:
・ADH → 腎臓集合管に作用(水再吸収)→ 抗利尿・血圧上昇
・オキシトシン → 子宮平滑筋・乳腺筋上皮細胞に作用 → 子宮収縮・射乳 看護過程ポイント: ADHの異常に関連する看護問題として、SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)では「体液過剰 (Excess Fluid Volume)」と「低ナトリウム血症 (Hyponatremia)」が問題となり、意識障害やけいれんの観察が必要です。一方、尿崩症 (Diabetes Insipidus)ではADHの作用不足により「体液不足 (Deficient Fluid Volume)」と多尿による脱水リスクに注意します。 暗記のコツ: 「視床下部で作られ、後葉で待機。ADHとオキシトシンは双子のホルモン!」と覚えましょう。ADHは「おしっこを我慢(Antidiuretic)」、オキシトシンは「お産を促進(Oxytocic action)」と機能で区別します。 国試頻出ポイント: この問題は「視床下部-下垂体系」の基礎知識を問う、毎年のように出題される定番問題です。特に「合成場所」「貯蔵・放出場所」「作用部位」の3点セットで問われるため、正確に暗記しておきましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 頭部外傷や脳腫瘍の術後管理において、ADHの異常は頻繁に遭遇する臨床問題です。例えば、下垂体近くの手術後、患者が急に多尿(尿量300mL/時間以上)となり、口渇を訴え、血漿浸透圧が上昇した場合を想像してください。この時、体内ではADHが不足している可能性が高く(尿崩症)、補充療法が必要になります。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! 術後患者の尿量が異常に多い場合(多尿)、以下の流れでアセスメント・介入します。 1. 観察: 時間尿量、尿比重、バイタルサイン(特に血圧・脈拍)、血清Na値、口渇の有無を確認。 2. アセスメント: 尿量増加 + 低比重尿(145mEq/L) → 尿崩症 (Diabetes Insipidus) を強く疑います。 3. 報告・介入: 医師にSBARで報告(状況、尿量、Na値、バイタルサイン)。指示があれば、デスモプレシン(DDAVP)の投与や、輸液(低張液の補充)を開始します。転倒防止のため、頻回のトイレ介助やポータブルトイレの準備も行います。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): - ADH補充(デスモプレシン)の副作用として、水中毒(低Na血症) に注意。投与後は尿量の減少とともに、Na値の低下が起こらないか経過観察が必要です。 - 特に高齢者では、口渇感が低下していることがあるため、水分摂取量の管理を慎重に行います。 - 意識障害がある患者では、尿量と体重の変化を正確にモニタリングします。 看護プロトコル: - 観察項目: 1時間ごとの尿量、尿比重、血清Na、血漿浸透圧(計算値)、口渇の有無、皮膚ツルゴール、体重変化。 - 報告基準 (SBAR): Situation(状況)「術後3日目、尿量が1時間で300mLを超えています」、Background(背景)「下垂体腫瘍摘出術後です」、Assessment(評価)「尿崩症の可能性が高いと考えられます」、Recommendation(提案)「血清Naと尿比重の緊急測定、およびデスモプレシンの投与についてご指示ください」。 - 記録のポイント: 正確なインテーク・アウトプット(I/O)バランスの記録。尿量の増加傾向や、Na値の推移を時系列で記録します。 先輩看護師の一言: 「ADHとオキシトシンは、どこで作られてどこから出るかはセットで覚えましょう!『視床下部で製造、後葉で出荷』です。そして、術後の多尿を見たら『尿崩症かも』とまず疑って、すぐにデータを確認する習慣をつけてください。それが患者さんの急変を防ぐ第一歩です!」

重要概念

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