プライマリナーシングの説明で適切なのはどれか。 | MyMerci
一般・状況設定問題
問題

プライマリナーシングの説明で適切なのはどれか。

解説
プライマリナーシングとは、1人の看護師(プライマリナース)が、特定の患者の「入院から退院までの24時間の看護計画の立案と評価に一貫して責任を持つ」看護提供方式です。継続性のある個別的なケアが提供できます。

詳細解説

核心解説 この問題は、看護提供方式の一つであるプライマリナーシング (Primary Nursing)の特徴を理解しているか問うています。看護師国家試験では、各看護提供方式(プライマリナーシング、チームナーシング、機能別看護、モジュール方式など)の定義、長所・短所を比較して問われる頻出テーマです。

核心概念の分析 (Key Concept): プライマリナーシング (Primary Nursing) は、1人の看護師(プライマリナース)が、特定の患者の入院から退院、あるいは在宅療養に至るまで、一貫して看護計画の立案、実施、評価に責任を持つ看護提供方式です。この方式の最大の目的は、看護の継続性 (Continuity of Care)患者とのパートナーシップ (Nurse-Patient Partnership) を強化し、個別性の高い、質の高い看護を提供することです。プライマリナースが不在の時は、その看護計画に基づいてアソシエイトナース(準看護師や他の看護師)がケアを代行しますが、最終的な責任はプライマリナースにあります

正解の根拠 (Answer Rationale): 正解は③「1人の看護師が1人の患者の入院から退院まで一貫して責任をもつ」です。これはプライマリナーシングの定義そのものです。この方式により、看護師は患者の全体像を把握しやすく、患者の状態変化に応じた柔軟な看護計画の修正や、退院後の生活を見据えた継続的な指導が可能となります。

誤答の分析 (Distractor Analysis):
①「業務を短時間で効率よく実施できる。」
混同注意! これは機能別看護 (Functional Nursing) の特徴です。機能別看護は、与薬、清拭、処置などの業務を看護師ごとに分担する方式で、業務の効率性に優れますが、看護が細分化され患者の全体像を捉えにくいという欠点があります。プライマリナーシングは、個別性と継続性を重視するため、効率性だけを追求する方式ではありません。
②「リーダーの調整力が看護チームの目標達成に影響する。」
混同注意! これはチームナーシング (Team Nursing) の特徴です。チームナーシングでは、チームリーダーがメンバーを指導・調整し、チーム全体で複数の患者の看護を提供します。プライマリナーシングでは、看護師個人と患者の1対1の関係が基盤であり、リーダーシップよりも看護師個人の自律性と責任が重視されます
④「日替わりで受け持ち看護師が変わるので看護ケアの継続が難しくなる。」
混同注意! これは モジュール方式 (Modular Nursing) や、チームナーシングにおけるチーム編成の短所を説明したものです。モジュール方式では、数人の看護師が小さなチーム(モジュール)を組み、担当患者グループのケアを日替わりで行うことがあります。プライマリナーシングの最大の特徴は まさに「看護ケアの継続性を担保する」点にあり、この選択肢はプライマリナーシングの説明としては不適切です。

関連概念の整理 (Related Concepts): 看護提供方式は、患者の状態や病棟の特性、看護師のスキルミックスに応じて選択されます。プライマリナーシングは、クリティカルケア領域慢性期・在宅看護のように、患者との継続的な関係構築と個別性の高いケア計画が必要な場面で特にその効果を発揮します。一方、急性期一般病棟では、チームナーシングやモジュール方式と組み合わせて運用されることも多く、絶対的な優劣があるわけではありません

概念整理: プライマリナーシングの核心
項目内容
責任の主体プライマリナース(1人の看護師)
対象期間入院から退院まで(一貫性)
目標看護の継続性、個別性の高いケア、患者とのパートナーシップ
代行アソシエイトナースがケアを代行(計画に基づく)
課題看護師の自律性と判断力が求められる。業務の効率性やチーム連携に課題が生じる場合もある。

一目で比較!: 代表的な看護提供方式
提供方式特徴長所短所
プライマリナーシング1人の看護師が患者に一貫して責任継続性、個別性、患者満足度向上看護師への負担、効率性の低下
チームナーシングチームリーダーが調整しチームでケアチーム内での指導・協働が可能、新人育成に有効リーダーの能力に依存、責任の分散
機能別看護業務(与薬、処置など)ごとに看護師を配置業務効率が高い、熟練者による専門的ケアが可能看護の断片化、患者の全体像把握困難
モジュール方式小チームが患者グループを担当(日替わりも)機能別看護より患者理解は深まる継続性が不十分になりうる

看護過程ポイント: プライマリナーシングでは、看護過程(アセスメント、看護診断、計画、実施、評価)の全段階において、プライマリナースの責任が明確です。特に、退院を見据えた長期的な看護計画(ロングタームゴール)の立案と、患者の状態変化に応じた計画の修正(リアセスメント)が重要となります。アソシエイトナースは、プライマリナースの立案した計画に従い、日々のケアを提供し、その結果をプライマリナースにフィードバックします。

暗記のコツ: 「プライマリ」=「Primary」=「第一の、主要な」。つまり、患者にとって第一に責任を持つ看護師がいる方式、と覚えましょう。他の方式と混同しないように、「継続性」と「個人の責任」というキーワードで必ずリンクさせてください。

国試頻出ポイント: このテーマは、各看護提供方式の定義と特徴を単純に問う問題(本問のような4択)の他に、「状況設定問題(事例問題)」として出題されることがあります。例えば、「急性期病棟で、看護の継続性を重視し、患者個々の状態に応じたきめ細かな指導が必要な場合、最も適切な看護提供方式はどれか」といった形で、実践的な文脈で判断させる問題も頻出です。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): あなたは、地域包括ケア病棟で働く看護師です。80代女性のAさんが、大腿骨頸部骨折の手術とリハビリテーションを経て、自宅退院を目指しています。病棟ではプライマリナーシングを導入しており、あなたはAさんのプライマリナースです。Aさんは「家に帰っても、自分で歩けるか不安で…」と話します。

看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! あなたはプライマリナースとして、Aさんの入院時からのアセスメントを踏まえ、退院後の生活を見据えた看護計画を立案します。
1. 観察・アセスメント: Aさんの「歩行に対する不安」の背景を探ります(筋力低下の程度、家屋環境、家族のサポート体制、自己効力感など)。
2. 計画: 医師、理学療法士、医療ソーシャルワーカーとカンファレンスを行い、Aさんの退院計画を具体化します。看護計画には、自宅での転倒予防指導、家族への介護指導、訪問看護サービスの導入などを盛り込みます。
3. 実施・評価: あなたの休日には、アソシエイトナースが計画に沿ってリハビリの継続や不安への傾聴を行います。あなたはその情報を引き継ぎ、計画の修正が必要か評価します。Aさんの退院後も、あなたは必要に応じて外来や訪問看護と連携を取ります。
このように、プライマリナースとしての責任は退院後も続くことが重要なポイントです。

看護プロトコル: プライマリナーシングでは、看護記録(経過記録、看護計画)の質が非常に重要です。アソシエイトナースがスムーズにケアを継続できるよう、SBAR (状況・背景・アセスメント・提案) を用いた情報共有や、明確な看護計画の記載が求められます。プライマリナースは、患者の全体像と長期目標を常に意識し、多職種連携のハブとなる役割も担います。

先輩看護師の一言: 「プライマリナーシングって、責任が重くて大変に感じるかもしれないけど、患者さんの退院後の笑顔をイメージしながらケアできる、すごくやりがいのある方式なんだよ。国試でもよく出るから、『継続性』と『看護師個人の責任』ってキーワードは絶対に押さえておいてね!」

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