ウイルス性肝炎の起炎ウイルスでDNAウイルスはどれか。 | MyMerci
一般・状況設定問題
問題

ウイルス性肝炎の起炎ウイルスでDNAウイルスはどれか。

解説
肝炎ウイルスのうち、B型肝炎ウイルス(HBV)のみがDNAウイルスであり、他(A、C、E型など)はすべてRNAウイルスです。

詳細解説

核心解説 この問題は、ウイルス性肝炎 (Viral Hepatitis) の起炎ウイルスの核酸の種類(DNAかRNAか)を問うています。核心概念の分析 (Key Concept): ウイルスはその遺伝子の種類によってDNAウイルスRNAウイルスに大別されます。肝炎ウイルスの中で唯一、B型肝炎ウイルス (Hepatitis B Virus, HBV) のみがDNAウイルスであり、他の主要な肝炎ウイルス(A型、C型、D型、E型、G型)はすべてRNAウイルスです。この違いは、治療戦略(抗ウイルス薬の標的)やワクチン開発にも直結する重要な基礎知識です。

正解の根拠 (Answer Rationale): ②番のB型肝炎ウイルス (HBV)が正解です。HBVはDNAウイルスであり、感染後、肝細胞核内でcccDNA(covalently closed circular DNA)という安定した鋳型を形成するため、完全な排除が難しく、慢性化しやすいという病態生理学的特徴を持ちます。

誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! A型肝炎ウイルス (HAV) はRNAウイルスです。主に経口感染(糞口感染)し、急性肝炎を起こしますが、慢性化はしません。
③ C型肝炎ウイルス (HCV) はRNAウイルスです。血液を介して感染し、高率に慢性化する点がHBVと似ていますが、遺伝子の種類が異なります。
④ E型肝炎ウイルス (HEV) もRNAウイルスです。HAV同様、経口感染で、特に妊婦で重症化しやすい特徴があります。

関連概念の整理 (Related Concepts): 肝炎ウイルスの分類を整理すると、最重要! B型のみDNA、他(A,C,D,E,G)はRNAと覚えましょう。また、D型肝炎ウイルス (HDV) はRNAですが、HBVに感染している場合のみ増殖できる不完全ウイルス(デルタ肝炎ウイルス)である点も重要です。


概念整理: 肝炎ウイルスの核酸分類をまとめます。
ウイルス核酸の種類主な感染経路慢性化
B型肝炎ウイルス (HBV)DNAウイルス血液・体液感染(垂直感染含む)あり(特に乳幼児期感染)
A型肝炎ウイルス (HAV)RNAウイルス経口感染(糞口感染)なし
C型肝炎ウイルス (HCV)RNAウイルス血液感染あり(高率)
E型肝炎ウイルス (HEV)RNAウイルス経口感染(水系感染・人獣共通感染症)なし


一目で比較!: DNAウイルス vs RNAウイルス。抗ウイルス薬の作用機序やワクチンの開発戦略が異なります。例えば、HBVには核酸アナログ製剤(エンテカビル、テノホビルなど)が使用され、HCVには直接作用型抗ウイルス薬 (DAA) が使用されます。

看護過程ポイント: 肝炎患者の看護では、感染経路に応じた標準予防策 (Standard Precautions)感染経路別予防策の徹底が重要です。特にHBV・HCVは血液感染するため、針刺し事故防止が最優先課題です。また、B型肝炎はワクチンで予防可能であるため、医療従事者はHBs抗体陽性化を確認しておく必要があります。

暗記のコツ: 「B(ビー)型肝炎ウイルス = DNA」と覚えましょう。「B」の文字を「Double-stranded DNA」の「Double」と関連付けると記憶に残りやすいです。他の肝炎ウイルス(A, C, D, E)はすべて「RNA」とまとめて覚えましょう。

国試頻出ポイント: 肝炎ウイルスの種類、感染経路、慢性化の有無、治療薬は毎年頻出のテーマです。特に「DNAウイルスはどれか」という一問一答形式だけでなく、「B型肝炎患者の看護で適切なのはどれか」という状況設定問題に発展しやすいので、病態と看護介入をセットで学習しましょう。

出題パターン注意!: 近年の国試では、単純暗記ではなく、複数のウイルスを比較する問題や、「HBV陽性の患者が術後出血を起こした時の看護師の対応」といった臨床推論を問う問題が出題されています。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド この知識は、実際の病棟での感染対策や患者指導に直結します。

臨床シナリオ (Clinical Scenario): 30歳男性、B型慢性肝炎のためインターフェロン療法を開始することになりました。患者さんは「この病気はうつりますか?家族にうつさないために気をつけることはありますか?」と質問してきました。

看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
1. 観察・アセスメント: 患者の感染経路に関する知識レベルと不安の程度を評価します。
2. 報告・介入: 最重要! B型肝炎は血液・体液感染であり、日常的な接触(食器の共有、トイレ、咳、くしゃみなど)では感染しないことを明確に説明します。感染予防策として、歯ブラシやカミソリの共用を避けること、出血した際のガーゼやティッシュの適切な処理(ビニール袋に密閉して捨てる)を指導します。家族には、B型肝炎ワクチン接種が最も有効な予防策であることを勧めます。
3. 評価: 患者の不安が軽減されたか、正しい知識に基づいた行動がとれるようになったかを確認します。

看護プロトコル: B型肝炎患者のケアでは、針刺し事故防止のための安全器材の使用、血液が付着したリネンや器材の適切な処理(感染性廃棄物としての分別)が必須です。また、患者のプライバシーに配慮し、診療情報(感染症の有無)の取り扱いには十分注意します。

先輩看護師の一言: 「B型肝炎はDNAウイルスだという知識は、治療薬の種類やワクチンの効果を理解する基礎になります。現場では、『感染するかどうか』の不安が患者さんや家族のQOLを大きく左右します。正しい知識を持って、根拠に基づいた安心できる説明をしてあげてください!」

重要概念

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