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一般・状況設定問題
複数の筋腹が腱で直列につながっている筋はどれか。
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1
咬筋
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2
上腕二頭筋
-
3
腹直筋
✓ 正解
-
4
大腿四頭筋
解説
腹直筋は、複数の筋腹が腱画(けんかく)と呼ばれる腱で直列につながっている多腹筋の代表例です。
同じテーマの次の問題インシデントレポートについて適切なのはどれか。2つ選べ。この問題が収録された問題集【合格ライン突破】 過去問5年分 本気の実戦問題KRW 20,000
核心解説
この問題は、骨格筋 (Skeletal Muscle)の構造的分類、特に「筋腹 (Muscle Belly)」と「腱 (Tendon)」の結合様式を問うています。筋はその形態から、単一の筋腹を持つ単腹筋と、複数の筋腹が腱で直列または並列に結合する多腹筋に分類されます。本問の核心は「腱画 (Tendinous Intersection)」と呼ばれる腱で筋腹が直列に連結される代表筋を理解することです。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 腹直筋 (Rectus Abdominis)は、複数の筋腹が腱画で直列に連結された多腹筋の代表例です。この構造により、腹直筋は体幹の屈曲を強力に行うとともに、腹圧を高めて内臓の支持や排便・分娩を補助します。腱画は筋腹を分節化し、筋全体の収縮力を各分節で独立して制御できる特徴があります。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 各選択肢は、筋の構造的・機能的特徴の理解を試しています。
① 咬筋 (Masseter)は、単一の筋腹を持つ短い筋で、下顎を挙上する咀嚼筋の一つです。複数の筋腹はありません。
② 上腕二頭筋 (Biceps Brachii)は、2つの起始(長頭と短頭)を持つ二頭筋ですが、筋腹は1つで、腱で直列に連結されているわけではありません。近位端で2つの腱に分かれるが、筋腹は単一です。
④ 大腿四頭筋 (Quadriceps Femoris)は、4つの起始(大腿直筋、内側広筋、外側広筋、中間広筋)が合流し、共通の腱(膝蓋腱)で停止する羽状筋の一種です。筋腹は並列に配置され、直列ではありません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
多腹筋は、筋腹の配置により「直列多腹筋」と「並列多腹筋」に分けられます。直列多腹筋の代表が腹直筋であり、並列多腹筋の例として前腕屈筋群 (Flexor Muscles of Forearm)や下腿三頭筋 (Triceps Surae)が挙げられます。筋の形態と機能の関連を押さえ、腱画の存在が腹直筋の分節的な収縮と腹圧調節にどう寄与するかを理解しましょう。
概念整理
- 単腹筋 (Unipennate/Fusiform Muscle): 1つの筋腹(例:上腕二頭筋、咬筋、大腿四頭筋)
- 多腹筋 (Multipennate Muscle): 複数の筋腹が腱で結合
- 直列多腹筋 (In-series Multipennate): 筋腹が腱で直線状に連結(例:腹直筋)
- 並列多腹筋 (In-parallel Multipennate): 筋腹が横に並んで結合(例:前腕屈筋群)
一目で比較!
| 筋名 | 筋腹数 | 腱の結合様式 | 機能 |
|---|
| 腹直筋 | 複数 (腱画で分節) | 直列 | 体幹屈曲、腹圧調整 |
| 上腕二頭筋 | 1つ | 単一 (近位で2腱) | 肘関節屈曲、前腕回外 |
| 大腿四頭筋 | 4つ (並列) | 並列 (共通腱) | 膝関節伸展 |
| 咬筋 | 1つ | 単一 | 下顎挙上 (咀嚼) |
看護過程ポイント
- アセスメント: 腹直筋の腱画は腹部の表面解剖で「腹筋の割れ目」として触知可能。術後患者の腹筋の緊張評価や、腹式呼吸の指導時に筋の分節的収縮を観察する。
- 看護介入: 腹直筋の収縮を促す腹圧訓練(例:排便補助、咳嗽時サポート)では、腱画を意識した等尺性収縮を指導する。
- 評価: 腹直筋の筋力低下は、咳嗽困難や起立性低血圧に影響するため、術後患者の離床評価の指標となる。
暗記のコツ
「腹直筋は、腹筋が縦に連なった『しゃもじ型』をイメージ!腱画は横ジワ(分節)で、収縮すると『腹筋の割れ目(シックスパック)』が現れる。」直列多腹筋は、「腱でつながった筋腹の連鎖」と覚えましょう。
国試頻出ポイント
解剖学の基本問題として、多腹筋の代表例(腹直筋)は頻出です。また、筋の構造分類(単腹筋/多腹筋、羽状筋/平行筋)と機能(筋力/可動域)の関係も合わせて問われるため、「腹直筋=直列多腹筋=筋力が強く、微細調整に優れる」と押さえましょう。
出題パターン注意!
単純知識問題(「多腹筋はどれか」)から、応用問題(「術後腹圧低下の原因となる筋はどれか」「咳嗽を補助する筋群の構造的特徴を問う問題」)へ発展します。腱画の存在理由を機能と結びつけて理解することが、高得点への鍵です。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)65歳男性、大腸癌術後(開腹手術)。術後3日目、創部痛は軽減したが、咳嗽時に「お腹が痛い」と訴え、有効な排痰ができず、軽度の肺音低下を認める。看護師として、腹直筋の機能を評価し、咳嗽を補助する方法を検討する必要があります。看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)最重要! まず、腹直筋の腱画(表面解剖で横ジワとして触知)の緊張状態と創部の離開徴候をアセスメント。次に、咳嗽補助の方法として、両手で腹部を創部の外側から圧迫する「スプリント法 (Splinting)」を実施。腱画が直列に連結されているため、腹直筋全体の収縮を均等に支援できるよう、腹部全体を包み込むように圧迫します。咳嗽後は、呼吸音とSpO2を評価し、喀痰の排出状態を確認。腹直筋の筋力低下が続く場合は、呼吸理学療法士(PT)と連携し、腹式呼吸訓練や呼吸補助筋(腹横筋、内・外腹斜筋)のトレーニングを導入します。患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)創部感染の兆候(発赤、腫脹、排膿)を確認しながら圧迫を行うこと。過度な圧迫は縫合不全や創離開のリスクとなるため、患者の反応をみながら調整する。高齢者や糖尿病患者では創傷治癒が遅延する可能性が高いため、より慎重な観察が必要。
看護プロトコル- 1観察項目創部の状態(離開、感染兆候)、咳嗽の有効性(喀痰量・性状)、呼吸音(ラ音・気管支呼吸音)、バイタルサイン(SpO2、呼吸数)
- 2報告基準 (SBAR)「S(状況): 術後3日目の患者で、咳嗽時に創部痛を訴え、喀痰が排出困難」「B(背景): 腹直筋の切開による筋力低下が疑われる」「A(アセスメント): 咳嗽補助としてスプリント法が必要」「R(推奨): 疼痛コントロールと呼吸理学療法の依頼」
- 3記録のポイント咳嗽時の創部痛の程度(NRS 0-10)、使用した圧迫方法、咳嗽後の呼吸音と喀痰量
先輩看護師の一言
「腹直筋の腱画って、解剖の教科書では『横ジワ』としか覚えなかったけど、臨床では術後患者の咳嗽を助ける重要な手がかりなんです。筋の構造を理解していると、『どこをどう圧迫すれば、患者さんの苦痛を最小限にして痰を出せるか』が直感的にわかるようになります。国試でも、『筋の構造と機能の関係』をイメージできると、応用問題に強くなりますよ!」
- 腱画 — 腹直筋に見られる、筋腹を分節化する横走する腱組織。筋の収縮力を分節的に制御する。
- 多腹筋 — 複数の筋腹が腱で結合された骨格筋。直列型と並列型がある。
- 腹直筋 — 腱画により分節化された直列多腹筋。体幹屈曲と腹圧調整に重要。
- スプリント法 — 術後患者の咳嗽時に創部を両手で圧迫し、痛みを軽減しながら喀痰排出を促す看護技術。
- 単腹筋 — 単一の筋腹からなる骨格筋。多くの四肢筋が該当する。
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