核心解説
この問題は、
妊婦の活動と安静に関する適切な看護助言を問うています。特に、
経過が順調な妊婦には過度な安静は不要であり、母体と胎児の健康維持のために適度な運動が推奨されるという、
母性看護学の基本原則を理解することが鍵です。Aさんは妊娠16週で順調な経過であり、妊娠前から運動習慣があったことから、適切な活動を再開することが勧められます。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 妊娠経過が順調な場合、安静を強いる必要はなく、むしろ
過度な安静は体力低下や血栓症、体重増加、マイナートラブル(腰痛、便秘など)のリスクを高めます。Aさんは妊娠前からウォーキングの習慣があり、転倒や腹部への衝撃リスクが低いウォーキングは、妊娠中でも安全に行える有酸素運動です。週3回のバスケットボールから現在は全く動かない状態になっており、
活動量の急激な低下が懸念されます。そのため、②番の「ウォーキングを再開しましょう」が最も適切です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番の「仕事は辞めましょう」は、高齢妊娠であることのみを理由とした過剰な安静指導であり、医学的根拠に乏しく、経済的・社会的な不利益も生じる可能性があるため不適切です。③番の「週1回バスケットボールをやりましょう」は、
接触や転倒のリスクが高く、腹部への衝撃が危険なため、妊娠中のスポーツとしては禁忌です。④番の「ご家族の言うように安静にしていましょう」は、夫の過度な心配に同調したものであり、医学的に正しい判断ではありません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
妊娠中の運動の原則として、
有酸素運動の継続(ウォーキング、水中歩行、マタニティヨガなど)が推奨されますが、
混同注意! 転倒・接触リスクの高いスポーツ(バスケットボール、スキー、乗馬など)や、過度な負荷がかかる運動は禁忌です。また、妊娠初期の流産リスクが高い時期(12週未満)や、後期の早産リスクが高まる時期は特に注意が必要ですが、本ケースは妊娠16週で安定期に入っていることもポイントです。
概念整理: 経過順調な妊婦への運動指導は「適度な有酸素運動の推奨」と「危険なスポーツの回避」が二大原則。安静指示は切迫流産・切迫早産など医学的適応がある場合に限定される。
一目で比較!:
| 推奨される活動 | 避けるべき活動 |
|---|
| ウォーキング、水中歩行、軽いストレッチ、マタニティヨガ | バスケットボール、サッカー、スキー、ランニング(高強度)、腹部に圧のかかる筋トレ |
看護過程ポイント:
アセスメント: Aさんの妊娠経過、既往歴、運動習慣、家族のサポート状況を評価。
看護診断: 「活動過少(過度の安静)に関連する非効果的健康維持」のリスク。
計画: 安全な運動(ウォーキング)の再開を提案し、具体的な頻度と時間(例:週3~5回、20~30分)を指導する。
実施: 運動中の注意点(こまめな水分補給、息切れしない程度、痛みや出血があれば中止)を説明。
評価: 運動を安全に継続できているか、マイナートラブルが予防できているかを確認。
暗記のコツ: 「妊婦は
楽な有酸素運動!コンタクトスポーツは
NG!」と覚えましょう。バスケのように体がぶつかる競技は絶対に避けます。
国試頻出ポイント: 妊婦の運動指導は頻出テーマです。「高齢妊娠=安静」という思い込みを正し、医学的根拠に基づいた助言ができるかを問われます。運動の種類だけでなく、「いつから再開するか」「どのくらいの強度か」という具体的な指導内容もセットで覚えておきましょう。
出題パターン注意!: 単純な○×問題だけでなく、事例問題として「妊婦が『動きすぎじゃないですか?』と心配している」という状況設定で、適切な看護師の返答を選ばせる形式でも出題されます。