核心解説
この問題は、
アレルギーの分類 (Allergy Classification) に関する知識を問うています。アレルギー反応は、免疫機序の違いによりⅠ型からⅣ型に分類(Gell & Coombs分類)されます。各型に特徴的な病態と代表疾患を正確に区別することが、国試で頻出されるポイントです。
1. 核心概念の分析 (Key Concept)
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II型アレルギー (Type II Hypersensitivity): 細胞傷害型 (Cytotoxic Type) とも呼ばれます。IgGまたはIgM抗体が、細胞表面や基底膜に存在する抗原(自己抗原または外来抗原)に結合し、補体の活性化や抗体依存性細胞傷害(ADCC)により標的細胞を破壊します。
- 代表疾患:
特発性血小板減少性紫斑病 (Idiopathic Thrombocytopenic Purpura, ITP)、自己免疫性溶血性貧血 (Autoimmune Hemolytic Anemia, AIHA)、輸血反応、新生児溶血性疾患 (Rh不適合)、
グッドパスチャー症候群 (Goodpasture Syndrome) など。
2. 正解の根拠 (Answer Rationale)
- 選択肢⑤
特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) が正解です。
- ITPは、血小板表面の糖蛋白 (GPIIb/IIIa や GPIb/IX) に対する自己抗体 (主にIgG) が産生され、この抗体が結合した血小板が脾臓などの細網内皮系で貪食・破壊されることで、血小板減少と出血症状をきたす疾患です。
- この機序は、
抗体が細胞(血小板)表面の抗原に結合し、その細胞を破壊するというII型アレルギーの定義に完全に合致します。
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最重要! ITPは「血小板が自己抗体によって破壊される」という病態を覚えておきましょう。
3. 誤答の分析 (Distractor Analysis)
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混同注意! ①番の
糸球体腎炎 (Glomerulonephritis):これは
混同注意! III型アレルギー (免疫複合体型) の代表です。抗原抗体複合体 (immune complex) が糸球体基底膜に沈着し、補体を活性化することで炎症を引き起こします。溶連菌感染後急性糸球体腎炎 (PSAGN) やループス腎炎が該当します。
- ②番の
関節リウマチ (Rheumatoid Arthritis, RA):これも
III型アレルギー (免疫複合体型) です。関節滑膜において、リウマトイド因子 (RF) とIgGからなる免疫複合体が沈着し、慢性炎症を引き起こします。
- ③番の
アトピー性皮膚炎 (Atopic Dermatitis):これは
I型アレルギー (即時型) が関与します。IgE抗体がマスト細胞に結合し、アレルゲン曝露によりヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されることで、即時性の痒みや湿疹を引き起こします。
- ④番の
アレルギー性結膜炎 (Allergic Conjunctivitis):これも
I型アレルギー (即時型) です。花粉などのアレルゲンが眼結膜のマスト細胞上のIgEに結合し、ヒスタミンが放出されることで発症します。
4. 関連概念の整理 (Related Concepts)
| 分類 | 型 | 免疫機序 | 代表疾患 |
| 即時型 | I型 | IgE / マスト細胞 | アナフィラキシー、気管支喘息、花粉症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、蕁麻疹 |
| 細胞傷害型 | II型 | IgG / IgM / 補体 / ADCC | ITP、自己免疫性溶血性貧血、輸血反応、新生児溶血性疾患、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症(抗AChR抗体) |
| 免疫複合体型 | III型 | 免疫複合体 / 補体 | 全身性エリテマトーデス (SLE)、関節リウマチ (RA)、血清病、糸球体腎炎 (PSAGN)、過敏性血管炎 |
| 遅延型 | IV型 | 感作T細胞 / マクロファージ | ツベルクリン反応、接触皮膚炎、移植拒絶反応、1型糖尿病、多発性硬化症 |
概念整理: アレルギーのGell & Coombs分類(Ⅰ〜Ⅳ型)は、免疫反応の種類と関与するエフェクター細胞/分子で区別します。II型は「抗体が細胞を攻撃する」というイメージを持つと覚えやすいです。ITP、自己免疫性溶血性貧血、新生児溶血性疾患、輸血反応が頻出です。
一目で比較!:
混同注意!
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I型 vs II型:I型は「抗原+IgE+マスト細胞」で即時症状(くしゃみ、じんましん)。II型は「抗原+IgG/IgM+補体」で細胞破壊(血小板減少、溶血)。
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II型 vs III型:II型は「細胞表面抗原」に抗体が結合。III型は「遊離抗原と抗体の複合体」が組織に沈着。
看護過程ポイント:
ITP の患者では、
血小板減少による出血リスクが優先アセスメントです。
皮下出血斑 (紫斑)、粘膜出血 (歯肉出血、鼻出血)、消化管出血、頭蓋内出血の観察と予防が重要です。血小板輸血の適応判断、ステロイド療法や免疫抑制薬の副作用モニタリング、感染予防が看護計画の柱となります。
暗記のコツ: 「I love IgE(Ⅰ型)、II need cell(Ⅱ型は細胞傷害)、III hate complex(Ⅲ型は免疫複合体)、IV hate cell(Ⅳ型は細胞性免疫・T細胞)」と語呂合わせで覚えると、各型の本質が頭に入りやすいです。
国試頻出ポイント: アレルギー型分類は毎年必ず1〜2問出題されるテーマです。特に「疾患名を問う問題(本問のようなパターン)」と「反応時間(即時型か遅延型か)を問う問題」が頻出です。本問のITPのように、II型とIII型の代表疾患をセットで覚えておくことが重要です。
出題パターン注意!: 「ある患者(例:SLEの患者)にみられるアレルギー反応は何型か?」という状況設定問題に発展します。SLE=III型、ITP=II型、アナフィラキシー=I型、接触皮膚炎=IV型のように、疾患と型を確実にリンクさせておきましょう。