令和3年度(2021年度)の高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査で、… | MyMerci
一般・状況設定問題
問題

令和3年度(2021年度)の高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査で、養介護施設従事者等による高齢者虐待について正しいのはどれか。

解説
高齢者虐待の発生件数は、養介護施設従事者(施設スタッフ)による虐待よりも、家庭内で家族(息子や夫など)が行う「養護者による虐待のほうが圧倒的に多い」のが現状です。

詳細解説

核心解説 この問題は、高齢者虐待防止法(高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律)に基づく2021年度の調査結果の正確な知識を問うています。特に、虐待の発生場所(家庭内 vs 施設内)と加害者の種類(養護者(家族など) vs 養介護施設従事者等(施設職員))の違いを把握することが重要です。この法律の目的は、高齢者を虐待から守り、養護者を支援することにあります。調査結果を正確に理解するためには、虐待の発生件数の絶対数虐待の種類別の割合、そして発生要因の分析を区別して覚える必要があります。 1. **核心概念の分析 (Key Concept)**: 本問の核心は、「高齢者虐待はどこで、誰によって、なぜ起こるのか」という実態を正しく把握することです。特に、養護者による虐待(家庭内虐待)養介護施設従事者等による虐待(施設内虐待)は、発生件数、虐待の種類、要因が大きく異なります。国試では、両者を混同しないように比較して問われる頻出テーマです。 2. **正解の根拠 (Answer Rationale)**: 正解は④です。令和3年度調査によると、最重要!養護者による虐待の相談・通報件数は約1万7千件であるのに対し、養介護施設従事者等による虐待の相談・通報件数は約1千件と、養護者による虐待の件数が圧倒的に多いことが報告されています。これは、虐待が家庭内で長期間にわたり発見されにくいこと、介護負担の大きさなどが背景にあります。 3. **誤答の分析 (Distractor Analysis)**: - ① 混同注意! 養介護施設従事者等による虐待では、心理的虐待が最も多いとされていますが、この設問は「養介護施設従事者等による虐待」に限定しておらず、高齢者虐待全体を問うているわけではありません。しかし、選択肢の解釈としては、最も多い虐待の種類は全体で見ると身体的虐待ではなく心理的虐待(特に養護者による虐待で多い)である点は正しいですが、「最も多い」と断言するには調査結果の解釈が複雑です。単純に「心理的虐待が最も多い」と断定できるわけではなく、正しいとは言えません。 - ② 被虐待高齢者の性別は、女性が約70%程度であり、90%を占めるというのは誤りです。男性も約30%程度存在します。 - ③ 発生要因として最も多いのは、養介護施設従事者等の資質の問題(虐待の認識不足、知識・技術の不足)職員間の連携不足組織的な管理体制の問題であり、「ストレスの問題」はこれらに次ぐ要因です。また、養護者による虐待の発生要因の第1位は虐待者の性格や精神的な問題です。 4. **関連概念の整理 (Related Concepts)**: 高齢者虐待防止法では、虐待の種類を身体的虐待介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)心理的虐待性的虐待経済的虐待の5つに分類しています。また、養護者による虐待では身体的虐待が最も多いという調査結果も併せて覚えておくと良いでしょう。
概念整理:
項目養護者による虐待(家庭内)養介護施設従事者等による虐待(施設内)
虐待件数圧倒的に多い(約1万7千件)少ない(約1千件)
最も多い虐待の種類身体的虐待心理的虐待
発生要因(第1位)虐待者の性格や精神的な問題資質の問題(知識・技術不足、認識不足)
被虐待者の特徴女性が約70%、要介護度が高い傾向女性が多いが、性差はやや少ない

一目で比較!: 「養護者(家族)による虐待」と「施設職員による虐待」は、発生件数と虐待の種類のトップが異なる点をセットで覚えましょう。混同注意! 「施設=心理的虐待」と「家庭(養護者)=身体的虐待」と対応させて覚えると良いです。
看護過程ポイント: - アセスメント: 高齢者の不自然な外傷(打撲、やけど)、不潔な状態、栄養状態の悪化、表情の乏しさ、介護者(家族・施設職員)の言動(高齢者への否定的な発言、過剰な介護負担の訴え)に注意する。 - 看護診断: 暴力リスク状態 (Risk for Violence)被虐待後症候群 (Post-Trauma Syndrome)非効果的家族療養計画 (Ineffective Family Therapeutic Regimen Management) - 看護介入: 虐待が疑われる場合、まずは高齢者の安全確保が最優先。必要に応じて市町村や地域包括支援センター、または警察に通報・相談する。養護者に対しては、介護負担の軽減や支援サービスの利用を提案する。
暗記のコツ: 「家庭(養護者)は身体的、施設は心理的」と覚えましょう。また、件数は「家庭(養護者)が圧倒的多数」であることもセットで暗記しましょう。調査結果の数字(約1万7千件 vs 約1千件)も覚えておくと確実です。
国試頻出ポイント: 高齢者虐待防止法は、養護者支援の視点が重要であることが国試でよく問われます。単に虐待の種類を覚えるだけでなく、発生要因法律の通報義務発見者には市町村への通報義務がある)と併せて学習しましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド - 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 訪問看護で週2回訪問している要介護3の85歳女性。娘(50代)が主介護者。最近、訪問時に高齢者が「昨日、娘に怒られた」と小声で話し、娘からは「最近母がいうことを聞かなくて困る」と強いストレスを訴えるようになりました。高齢者の腕に不自然な内出血を発見しました。 - 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! まずは高齢者の安全を確認し、緊急性を評価します(生命の危険はないか)。次に、訪問看護師として高齢者虐待防止法に基づく通報義務を認識し、市町村(地域包括支援センター)へ速やかに相談・報告します。娘(養護者)に対しては、介護負担の軽減のためにショートステイやデイサービスの利用を具体的に提案し、レスパイトケア(介護者の休息支援)の必要性を説明します。 - 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 虐待を疑った場合、決して一人で抱え込まず、必ず上司や地域包括支援センターに相談すること。また、高齢者本人や養護者と対決姿勢にならないように注意し、信頼関係を維持しながら支援することが重要です。
看護プロトコル: 虐待が疑われる場合の観察項目(外傷の有無、栄養状態、衛生状態、表情、言動の変化)を記録し、報告基準(SBAR)に沿って状況を伝達します。記録は客観的事実を淡々と記載します(例:「左前腕に5cm大の暗赤色の内出血あり。本人は『昨日、娘に腕をつかまれた』と語る」)。
先輩看護師の一言: 「虐待のサインを見逃さないことが看護師の大切な役割です。でも、もし虐待を疑った時は、『この人(養護者)は悪い人だ』と決めつけるのではなく、『介護に追い詰められてしまっているんだな』と支援の視点を持つことが大切です。養護者への支援が、結果的に高齢者を守ることにつながりますよ!」

重要概念

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