核心解説
この問題は、
患者調査 (Patient Survey) の結果に基づく入院医療の特徴を問うものです。看護師国家試験では、日本の医療統計を理解した上で、
在院日数や受療率の傾向を把握することが求められます。特に、精神科病床における長期入院の実態は頻出事項です。
正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! 患者調査において、傷病分類別の平均在院日数を比較すると、
精神及び行動の障害 (Mental and Behavioral Disorders) が圧倒的に長く、特に統合失調症などで200日を超える長期入院がみられます。これは精神病床の特性であり、他の身体疾患と明確な差があります。全体の平均在院日数は減少傾向ですが、この点は現在も変わりません。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
①
混同注意! 都道府県別の受療率には差があります。医療資源の偏在(都市部への集中)や、地域の高齢化率、医療施設の分布などにより、大きな地域差が存在します。
② 推計患者数(入院)で最も多いのは、
循環器系疾患 (Diseases of the Circulatory System) ではなく、
悪性新生物(がん) (Malignant Neoplasms) です。外来も含めた総患者数では循環器系が上位ですが、入院に限定するとがんが最多となります。
③ 年齢階級別の受療率(入院)が最も高いのは、80歳代ではなく
85歳以上 です。高齢になるほど入院率は上昇するため、「最も高い」という表現には注意が必要です。
関連概念の整理 (Related Concepts):
-
患者調査の目的: 病院や診療所を利用する患者の実態を把握し、医療計画や保健医療施策の基礎資料とする。
-
平均在院日数: 近年、日本の平均在院日数は国際的にみても長い傾向にありましたが、診療報酬の改定(DPC/PDPSの導入など)により短縮化が進んでいます。ただし、精神科病床はこの流れから例外的に長期入院が続いています。
-
受療率: 人口10万人あたりの患者数で、年齢・性別・地域別に算出されます。
概念整理:
| 傷病分類 | 平均在院日数の特徴 |
|---|
| 精神及び行動の障害 | 最も長い(200日超) |
| 循環器系疾患 | 比較的短い(急性期治療が中心) |
| 悪性新生物 | 治療法により変動(手術・化学療法) |
一目で比較!: 「入院患者数が多い疾患」と「在院日数が長い疾患」は異なります。後者は精神科疾患、前者は悪性新生物(がん)です。これを混同しないようにしましょう。
看護過程ポイント: 精神科長期入院患者への看護では、
退院支援 (Discharge Planning) と
社会復帰 (Social Rehabilitation) が重要なアセスメント項目となります。入院期間が長期化するほど、患者の社会生活能力や家族支援の状況を丁寧に評価する必要があります。
暗記のコツ: 「精神の障害は、在院日数が飛び抜けて長い」と覚えてください。イメージとして「精神病床=長期療養」という連想を強く持つと良いでしょう。
国試頻出ポイント: このテーマは「医療統計の数値」として、単独で出題されることもあれば、
介護保険制度や
地域包括ケアシステムと絡めた事例問題の中で、退院支援の必要性を問う形で出題されることもあります。