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一般・状況設定問題
順調に分娩が進行している妊娠40週0日の初産婦から「膣から水っぽいものが流れ、下着が濡れた」とナースコールがあった。看護師が流出したものを確認すると、量は少量で、羊水特有の臭いを認めた。このときの産婦への対応で優先度が高いのはどれか。
-
1
バイタルサインを測定する。
-
2
胎児心拍数を確認する。
✓ 正解
-
3
食事摂取を勧める。
-
4
更衣を促す。
解説
破水(水っぽいものの流出・羊水臭)が疑われる場合、羊水とともに臍帯が下垂・脱出すると、胎児への血流が遮断され急激な胎児機能不全に陥る危険があるため、直ちに「胎児心拍数を確認する」ことが最優先の対応です。
同じテーマの次の問題インシデントレポートについて適切なのはどれか。2つ選べ。この問題が収録された問題集【合格ライン突破】 過去問5年分 本気の実戦問題KRW 20,000
核心解説
この問題は、分娩経過中に発生した前期破水 (Premature Rupture of Membranes, PROM)の疑いがある産婦に対する、最も優先度の高い看護対応を問うています。分娩の進行中に破水が起こると、臍帯脱出 (Umbilical Cord Prolapse)という重篤な合併症が発生するリスクが高まります。臍帯が羊水とともに腟内や外陰部に下垂・脱出すると、胎児の頭部や骨盤によって臍帯が圧迫され、胎児への血流が遮断されます。これは最重要!緊急帝王切開 (Emergency Cesarean Section) を要する胎児機能不全 (Fetal Distress / Non-Reassuring Fetal Status)を引き起こすため、看護師は直ちに胎児の状態を評価する必要があります。
1. 核心概念の分析 (Key Concept): 破水 (Rupture of Membranes)の確認後、特に頭位であっても児頭が骨盤入口部に固定していない場合や、分娩第1期の早期に破水した場合、臍帯脱出のリスクが高まります。この問題では「順調に分娩が進行している」とありますが、破水直後は胎児の状態が急変する可能性を常に念頭に置く必要があります。
2. 正解の根拠 (Answer Rationale): 最重要! 破水を確認したら、胎児心拍数 (Fetal Heart Rate, FHR)を確認し、胎児が低酸素状態に陥っていないか(徐脈、遅発一過性徐脈、変動一過性徐脈など)をアセスメントします。これが最も優先度の高い対応です。
3. 誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! ①バイタルサイン測定 (Vital Signs) は産婦の全身状態を把握するために重要ですが、胎児の生命に関わる臍帯脱出のリスク評価と比較すると優先順位は下がります。③食事摂取の勧めは、破水後の経腟分娩が可能と判断された後の対応であり、緊急時には禁忌となる可能性があります。④更衣の促しも、感染予防や清潔の観点からは後で行う対応です。これらの対応は、胎児の安全が確認された後に行います。
4. 関連概念の整理 (Related Concepts): 前期破水 (PROM)と早期破水 (Early Rupture of Membranes)の区別、臍帯脱出 (Cord Prolapse)の分類(顕性・潜在性)、および臍帯脱出を疑う兆候(胎児心拍数の急激な低下、腟内に臍帯を触知)を押さえておきましょう。
概念整理: 破水後の看護で最も優先されるのは「臍帯脱出の早期発見と胎児機能不全の防止」です。これは、母体の安全よりも胎児の生命の危機が切迫している可能性が高いためです。看護師は、胎児心拍数モニタリング (Fetal Monitoring)を最優先で行い、異常があれば直ちに医師に報告し、緊急処置(トレンデレンブルグ体位、臍帯還納、緊急帝王切開の準備)を開始します。
一目で比較!:
| 状況 | 優先対応 |
|---|
| 破水を確認(羊水流出) | 胎児心拍数確認(臍帯脱出の有無評価) |
| 破水 + 発熱/悪臭 | 母体の感染兆候評価(絨毛膜羊膜炎の疑い) |
| 破水 + 陣痛微弱 | 陣痛促進・分娩進行評価(分娩誘発の検討) |
看護過程ポイント:
- アセスメント: 破水の確認(羊水の性状、色、臭い、量)と、最重要!胎児心拍数(基線、変動、一過性徐脈の有無)の確認。
- 看護診断: 胎児損傷のリスク (Risk for Fetal Injury)(臍帯脱出による)または非効果的な胎児組織灌流 (Ineffective Fetal Tissue Perfusion)。
- 計画・実施: ①胎児心拍数モニター装着、②内診による臍帯触知の確認(医師が実施)、③破水が確認されたら安静臥床(特に側臥位または骨盤高位)、④腟内感染予防のための清潔ケア。
- 評価: 胎児心拍数が正常範囲(110~160bpm)で、変動一過性徐脈や遅発一過性徐脈がないこと。
暗記のコツ: 「破水したら、まずは『赤ちゃんの心音(胎児心拍数)』を聞く!」と覚えましょう。羊水の流出によって、へその緒(臍帯)が滑り落ちてくる危険をイメージしてください。
国試頻出ポイント: この問題は、母性看護学の分娩期における「緊急時の優先順位」の定番問題です。類似問題として、「破水後、胎児心拍数が低下した場合の看護師の対応(体位変換、酸素投与、医師への報告)」なども頻出です。
出題パターン注意!: 単純に「破水後に行うことは?」という知識問題に加えて、「初産婦が破水を訴え、内診で臍帯を触知した。看護師の対応として適切なのはどれか。」という具体的な状況設定問題(事例問題)への応用が重要です。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario): あなたは産科病棟の看護師です。夜勤中、陣痛室にいる妊娠40週0日の初産婦(アセスメント上、児頭は固定している)から「破水したみたい」とナースコール。すぐに駆けつけると、少量の羊水がパッドに付着しており、羊水臭を認めました。産婦は「お腹が痛い」と少し不安そうな様子です。看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! ①まず、羊水流出を確認したら、すぐに胎児心拍数モニター(ドプラ法またはCTG)を装着し、胎児心拍数を確認します。②同時に、産婦の意識レベル、呼吸状態、腹痛の程度を観察し、必要に応じてバイタルサインも測定します。③胎児心拍数に異常(徐脈、遅発一過性徐脈、変動一過性徐脈)が認められた場合、直ちに医師へ報告! ④医師到着までの間、産婦を左側臥位にして、骨盤高位(トレンデレンブルグ体位)をとらせ、膝を胸に近づける姿勢(母体の体位変換)を試みます。これは臍帯の圧迫を軽減するための応急処置です。⑤酸素投与(10L/分、マスク)の準備も行います。⑥胎児心拍数が正常であれば、羊水の性状(混濁、胎便の有無)と量を確認し、医師に報告します。患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 破水後は腟内感染のリスクが高まるため、最重要!内診や腟内操作はできるだけ避け、清潔操作を徹底します。破水後は、母体の体温上昇(発熱)や悪臭の有無に注意し、絨毛膜羊膜炎 (Chorioamnionitis)の早期発見に努めます。また、破水が長時間続く場合(18~24時間以上)は、予防的な抗生物質投与が検討されることを覚えておきましょう。
看護プロトコル:- 1観察項目胎児心拍数(基線、変動、一過性徐脈の有無)、母体のバイタルサイン(体温、脈拍、血圧)、羊水の性状(色、量、臭い)、陣痛の状態(間隔、持続時間、強さ)。
- 2報告基準(SBAR)
- 3S (状況)「産婦Aさん、妊娠40週0日、初産。15分前に破水を確認しました。少量の透明な羊水です。」
- 4B (背景)「陣痛は5分間隔で続いています。胎児心拍数は140bpm、基線細変動は良好で、一過性徐脈は認めません。母体のバイタルサインは正常です。」
- 5A (アセスメント)「破水後の経過は順調で、臍帯脱出の兆候はありません。感染兆候も見られません。」
- 6R (提案)「引き続き胎児心拍数モニタリングと陣痛の観察を継続します。経腟分娩が可能かどうか、内診の指示をいただけますか?」
- 7記録のポイント破水した時刻、羊水の性状(色、量、臭い)、胎児心拍数、産婦の状態、実施したケア(胎児心拍数確認、体位変換、医師への報告時刻と指示内容)を漏れなく記録します。
先輩看護師の一言: 「分娩室での急変対応、特に『破水後の臍帯脱出』は、看護師の瞬時の判断が赤ちゃんの命を左右する場面です!国試では『何を一番先にやるか』が問われますが、現場では『胎児心拍数を聞く』と同時に、『医師に連絡する体制』も整えます。慌てず、冷静に、ルール通りに動くことが大切。みなさんも、この問題で『胎児心拍数確認』がなぜ最優先なのか、イメージできるようになってくださいね!」
- 前期破水 (Premature Rupture of Membranes, PROM) — 子宮口がほぼ全開大(分娩第1期)になる前に、自然に卵膜が破れて羊水が流出する状態。妊娠週数によって、正期産前期破水(37週以降)と前期破水(37週未満)に分類される。
- 臍帯脱出 (Umbilical Cord Prolapse) — 破水と同時に、または破水後に臍帯が児の先進部(頭部や臀部)よりも先に腟内や外陰部に下垂・脱出した状態。児頭による臍帯圧迫で胎児への血流が遮断され、胎児機能不全を引き起こす緊急事態。
- 胎児機能不全 (Fetal Distress / Non-Reassuring Fetal Status, NRFS) — 胎児が子宮内で低酸素状態(仮死)に陥っている状態。胎児心拍数モニタリング(CTG)で、徐脈、頻脈、基線細変動の減少、遅発一過性徐脈、変動一過性徐脈などの異常波形が認められる。
- 胎児心拍数モニタリング (Fetal Heart Rate Monitoring / Cardiotocography, CTG) — 胎児の心拍数と子宮収縮(陣痛)を同時に記録し、胎児の健康状態を評価する機器。胎児機能不全の早期発見に不可欠で、分娩管理の中核をなす。
- 絨毛膜羊膜炎 (Chorioamnionitis, CAM) — 卵膜(絨毛膜、羊膜)に細菌感染が生じた状態。前期破水後や長時間分娩の際に発症リスクが高まり、母体の発熱、悪臭のある羊水、子宮の圧痛などがみられる。母体・胎児双方に重篤な影響を及ぼす可能性がある。
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