核心解説
この問題は、
指鼻試験 (Finger-to-Nose Test) の目的を問う、神経学的診察法の基本問題です。指鼻試験は、運動の協調性、すなわち
小脳機能 (Cerebellar Function)を評価するための代表的検査です。小脳は、随意運動を円滑かつ正確に行うために、筋肉の収縮タイミングや力を微調整する役割を担います。この試験では、患者に自分の人差し指で自分の鼻の先と検者の示指を交互に触れさせる動作を繰り返させ、その動きの滑らかさ、速度、正確性を観察します。小脳に障害があると、目標に近づくにつれて震えが大きくなる
企図振戦 (Intention Tremor)や、測定異常(Dysmetria:目標を超えたり届かなかったりする)が出現し、陽性所見となります。
正解の根拠 (Answer Rationale):
指鼻試験は、小脳が司る
協調運動 (Coordination)の機能を直接評価する検査です。正解は「小脳機能」です。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
⚠️ 以下は、選択肢UI用の短いコメントではなく、学習用の詳細解説です。
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混同注意! ①番の「視野」の評価には、対向視野検査(Counting Fingers Test)やゴールドマン視野計などが用いられます。指鼻試験で視野は評価できません。
- ③番の「表在反射」は、皮膚や粘膜への刺激に対する反射(例:腹壁反射、角膜反射など)で、深部腱反射とは異なります。指鼻試験は反射の評価ではありません。
- ④番の「複合知覚」(例:立体覚、二点識別覚など)は、大脳皮質の感覚連合野の機能を評価するもので、主に触覚や位置覚を統合した高次機能です。指鼻試験では評価しません。
関連概念の整理 (Related Concepts):
小脳機能評価の他の検査と併せて覚えましょう。
| 検査名 | 評価内容 |
|---|
| 指鼻試験 | 小脳機能(協調運動・企図振戦) |
| 膝蓋腱反射 | 深部腱反射(上位運動ニューロン障害の評価) |
| ロンベルグ試験 | 深部感覚・前庭機能(立位バランスの評価) |
| 踵膝試験 | 下肢の協調運動(小脳機能) |
| 回内回外試験 | 上肢の協調運動(小脳機能・交互反復運動障害) |
概念整理: 指鼻試験は、小脳の協調運動機能を評価する神経診察法。陽性所見として企図振戦や測定異常がみられる。視野、反射、複合知覚とは全く異なる領域の評価である。
一目で比較!: 小脳機能検査 vs 反射検査 vs 感覚検査。指鼻試験・踵膝試験は「小脳」、膝蓋腱反射・アキレス腱反射は「脊髄反射弓」、対向視野検査・立体覚検査は「大脳皮質(感覚野・連合野)」の評価。
看護過程ポイント: アセスメント段階で指鼻試験の結果(巧拙、振戦の有無)を観察・記録する。小脳障害が疑われる患者では、転倒リスクが高まるため、歩行介助や環境調整(手すりの設置など)を計画に含める。
暗記のコツ: 「指で鼻を触る」→「小脳が運動の細かい調整をする」→「小脳の検査!」と連想する。「小脳=協調運動・バランス・円滑な動き」のイメージで覚えよう。
国試頻出ポイント: 指鼻試験は小脳機能評価の代名詞として頻出。同時に、踵膝試験、回内回外試験とのセットで出題されることが多い。小脳疾患(小脳梗塞、小脳出血、脊髄小脳変性症)の看護と関連づけて学習すると効果的。
出題パターン注意!: 単純な「指鼻試験の目的は?」という知識問題に加え、「小脳梗塞の患者にみられる所見は?」という形で企図振戦や測定異常を問う問題、あるいは「パーキンソン病(静止時振戦)と小脳障害(企図振戦)の鑑別」として出題されることもある。