敗血症性ショックについて正しいのはどれか。2つ選べ。 | MyMerci
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問題

敗血症性ショックについて正しいのはどれか。2つ選べ。

解説
敗血症性ショックは、グラム陰性菌が産生する「エンドトキシン」などによって過剰な炎症反応が起こり、血管拡張による血圧低下や組織の低灌流(乳酸値の上昇)をきたします。進行すると「多臓器不全(MODS)」に至ります。初期がウォームショックで後期にコールドショックへ移行します。
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詳細解説

核心解説 この問題は、敗血症性ショック (Septic Shock) の病態生理と臨床経過を理解しているか問うています。敗血症性ショックは、感染症に伴う制御不能な全身性炎症反応によって循環不全が生じ、組織の低灌流と細胞障害をきたす致死的な病態です。最重要! 病態の進行段階と血行動態の変化を正確に把握することが鍵となります。 正解の根拠 (Answer Rationale) - ③ エンドトキシンが原因である敗血症性ショックの原因微生物として最も多いのはグラム陰性桿菌 (Gram-negative rods) です。これらの細菌は細胞壁成分であるエンドトキシン (Endotoxin / LPS) を放出し、これがマクロファージや好中球を活性化してサイトカインストーム (Cytokine Storm) を引き起こし、全身性炎症反応症候群 (SIRS) から敗血症性ショックへと進行させます。 - ④ 最重症の臨床像は多臓器不全である敗血症性ショックが進行すると、持続的な組織低灌流と酸素需給バランスの破綻により、複数の臓器が障害される多臓器不全 (Multiple Organ Dysfunction Syndrome / MODS) を来します。これは敗血症性ショックにおける最も重篤な病態であり、死亡率も極めて高いです。 誤答の分析 (Distractor Analysis) - 混同注意! ①「血圧は上昇する」:敗血症性ショックでは、エンドトキシンなどによる血管拡張と血管透過性亢進により、相対的低容量性ショックの状態となり血圧は著明に低下します。 収縮期血圧 < 90 mmHg、または平均血圧 (MAP) < 65 mmHg が診断基準です。 - ②「血中の乳酸濃度は低下する」:組織低灌流により嫌気性代謝が亢進し、血中乳酸濃度 (Lactate) は上昇します。 乳酸値 > 2 mmol/L は組織低灌流の指標であり、敗血症性ショックの診断と重症度評価に必須です。 - 混同注意! ⑤「コールドショックからウォームショックに移行する」:これは経過が逆です。敗血症性ショックの初期は血管拡張により皮膚が温かく紅潮するウォームショック (Warm Shock / Hyperdynamic State) ですが、病態が進行し心拍出量が低下すると、皮膚が冷たく蒼白となるコールドショック (Cold Shock / Hypodynamic State) へ移行します。 関連概念の整理 (Related Concepts) 敗血症性ショックの鑑別として、混同注意! 他のショック分類を比較整理します。
ショック分類特徴代表例
敗血症性ショック血管拡張 + 血管透過性亢進肺炎、尿路感染症、胆管炎
心原性ショック心ポンプ機能低下による心拍出量減少急性心筋梗塞、重症心筋炎
低容量性ショック循環血液量の絶対的減少出血、脱水、熱傷
アナフィラキシーショックアレルギー反応による血管拡張 + 気道狭窄薬剤アレルギー、食物アレルギー

概念整理: 敗血症性ショックの核心は「感染症 → サイトカインストーム → 血管拡張・血管透過性亢進 → 組織低灌流 → 乳酸上昇・臓器障害」という病態連鎖です。ウォームショック(初期)とコールドショック(後期)の血行動態の違いを理解し、初期の輸液蘇生と昇圧薬投与の重要性を押さえましょう。
一目で比較!: ショックの種類による血行動態パターンを比較してください。
指標敗血症性ショック(初期)心原性ショック
心拍出量 (CO)上昇(高拍出性)低下(低拍出性)
全身血管抵抗 (SVR)低下上昇(代償性)
皮膚所見温かい・紅潮(ウォーム)冷たい・蒼白(コールド)
中心静脈圧 (CVP)低下(相対的低容量)上昇(うっ血)

看護過程ポイント: - アセスメント:バイタルサイン(特にMAPと心拍数)、乳酸値、意識レベル、尿量、皮膚の色調と温度(ウォームかコールドか)を経時的に評価。最重要! 急激な血圧低下や意識障害、尿量減少はショック進行のサインです。 - 看護診断「非効果的組織灌流 (Ineffective Tissue Perfusion)」「体液量不足リスク (Risk for Deficient Fluid Volume)」 - 介入:医師の指示に基づく大量輸液療法(クリスタロイド液の急速投与)、昇圧薬(ノルアドレナリン)投与の準備と管理、血液培養採取(抗菌薬投与前)、体温管理(発熱時は冷却、低体温時は保温)。 - 評価:MAP 65 mmHg以上維持、乳酸値の低下、尿量 0.5 mL/kg/hr以上、意識レベルの改善。
暗記のコツ: 「敗血症=血管が緩んで漏れる(拡張+透過性亢進)→ 血圧下がる、むくむ。乳酸は『酸欠サイン』だから上がる。ウォーム→コールドの順は『最初は火事(炎症)で熱い、最後は燃え尽きて冷める』と覚えましょう!」
国試頻出ポイント: 敗血症性ショックは毎年必出のテーマです。特に「ウォームショックとコールドショックの鑑別」「エンドトキシンの原因菌(グラム陰性桿菌)」「診断基準(qSOFA:呼吸数、意識、血圧)」「初期対応(輸液、抗菌薬、昇圧薬)」が繰り返し問われます。
出題パターン注意!: 近年は単純な知識問題から、「70歳男性、肺炎で入院中に血圧低下、意識混濁。SpO2 88%、呼吸数 28回/分。qSOFAスコアは?」のような事例問題で、病態評価と初期対応を問う形式が増加しています。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 「夜勤中の一般病棟。あなたは、前日に胆管炎で入院した80代女性の患者さんの状態を確認しています。21時にバイタルサインを測定したところ、血圧 80/50 mmHg、心拍数 110回/分、呼吸数 24回/分、体温 38.8℃、SpO2 93%(酸素2L/分投与中)。皮膚は温かく紅潮しています。意識は『何だか体がだるい』と少し反応が鈍いです。尿量は過去3時間でわずか40 mLでした。あなたは何を優先的に行いますか?」

看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 1. 観察とアセスメント: 最重要! バイタルサイン(血圧低下、頻脈、頻呼吸、発熱)と意識レベルの低下、乏尿は敗血症性ショックの進行を示す重大な警告です。皮膚が温かい(ウォームショック)ことから、初期の高拍出性状態と判断します。直ちにqSOFAスコアを確認:呼吸数≧22回/分(1点)、意識変容(1点)、収縮期血圧≦100 mmHg(1点) → 3点(高リスク)。医師への緊急報告が必要です。 2. 報告と指示受け (SBAR): - Situation (状況):「80代女性、胆管炎患者、21時、血圧低下と意識変容あり。敗血症性ショックを疑います。」 - Background (背景):「前日胆管炎で入院。これまで経過良好でした。」 - Assessment (アセスメント):「qSOFA 3点。ウォームショックの状態。乳酸値の測定と輸液開始が必要と考えます。」 - Recommendation (提案):「血液培養2セット採取後、抗菌薬の追加投与、乳酸測定、輸液(晶質液)ボーラス投与の指示をお願いします。」 3. 初期介入: - 静脈路の確保(すでにあれば開存確認)。医師の指示に基づき、晶質液(生理食塩液やリンゲル液)を30 mL/kgで30分以内に急速投与開始。 - 血液培養採取(抗菌薬投与前、2セット)。 - 昇圧薬(ノルアドレナリン)の投与準備(輸液だけでは血圧が改善しない場合)。 - モニター装着(心電図、SpO2、血圧(自動血圧計または動脈ライン)、尿量測定)。 4. 評価: MAPが65 mmHgを超えるか、乳酸値が低下するか、尿量が増加するかを経時的に評価。改善がなければICU/CCUへの転棟を検討。

患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): - 禁忌! 昇圧薬は必ず中心静脈ラインからの投与が推奨されます(末梢から投与する場合は血管外漏出による組織壊死に注意!)。 - 大量輸液による肺水腫(心不全合併例では特に注意)のサイン(SpO2低下、呼吸音の湿性ラ音、頸静脈怒張)を観察。 - 急変時には直ちにBLS/ACLSに移行する準備。 - 高齢者は臓器予備能が低く、急激な状態悪化を来しやすいため、頻回な観察と早期介入が生命予後に直結します。
看護プロトコル: 敗血症性ショック発見時の観察項目は【A】気道・呼吸(SpO2、呼吸数、呼吸音)【B】循環(血圧、心拍数、皮膚色・温、尿量)【C】中枢神経(意識レベル、JCS/GCS)【D】体温【E】検査(乳酸、血液培養、CBC、CRP)。報告はSBARで迅速に。記録は発見時間、バイタルサイン、対応、医師報告時間、指示内容、患者の反応を時系列で正確に記載します。
先輩看護師の一言: 「敗血症性ショックは『ゴールデンアワー』が命を分けると言われます。バイタルサインの『いつもと違う』、特に意識の変化や尿量減少を見逃さないでください。『何だか変だな』という直感を信じて、迷わず先輩や医師を呼んでください。国試でも『早期発見・早期対応』が問われる問題が非常に多いので、ショックの初期症状をしっかり覚えましょう!」

重要概念

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