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一般・状況設定問題
肺結核について正しいのはどれか。2つ選べ。
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1
結核の10%程度である。
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2
感染経路は接触感染である。
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3
肺アスペルギルス症と同じ原因菌である。
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4
二次性の発症は過去の感染の再活性化による。
✓ 正解
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5
DOTS(Directly Observed Treatment, Short-course)が推奨される。
✓ 正解
解説
肺結核は飛沫核感染(空気感染)し、結核全体の約8割を占めます。発症の多くは過去に感染した結核菌が免疫力低下により再び増殖する「二次結核(再活性化)」です。治療の確実な継続のために、医療者の目の前で服薬を確認する「DOTS(直接服薬確認療法)」が推奨されます。
同じテーマの次の問題インシデントレポートについて適切なのはどれか。2つ選べ。この問題が収録された問題集【合格ライン突破】 過去問5年分 本気の実戦問題KRW 20,000
核心解説
この問題は、肺結核 (Pulmonary Tuberculosis) の疫学、感染経路、原因菌、発症機序、治療法に関する基本的な知識を問うています。結核は現在でも日本の重要な感染症の一つであり、その正確な理解は看護師国家試験において必須です。
1. 核心概念の分析 (Key Concept): 結核は 結核菌 (Mycobacterium tuberculosis) による感染症です。肺結核は結核全体の大部分を占め、主に 飛沫核感染(空気感染) によって伝播します。初感染後に発症する一次性結核と、過去の感染巣が免疫力低下により再活性化する二次性結核があります。治療では、多剤併用療法と服薬アドヒアランス向上のための戦略が重要です。
2. 正解の根拠 (Answer Rationale): 正解は ④ 二次性の発症は過去の感染の再活性化による と ⑤ DOTSが推奨される の2つです。
- 最重要! ④について:成人の肺結核の多くは、小児期などに初感染し、体内に封じ込められた結核菌が、加齢、栄養不良、免疫抑制状態などによって 再活性化 することで発症します。これが二次結核(再活性化結核)です。
- 最重要! ⑤について:DOTS (Directly Observed Treatment, Short-course) は、医療従事者が患者の服薬を直接確認する戦略です。結核治療は長期にわたるため、服薬中断による薬剤耐性菌の出現を防ぐために世界保健機関(WHO)が推奨しており、日本でも広く実施されています。
3. 誤答の分析 (Distractor Analysis):
- 混同注意! ①「結核の10%程度である」:これは誤りです。肺結核は全結核患者の約 80~85% を占めます。10%は肺外結核(リンパ節結核、骨・関節結核、粟粒結核など)の割合と混同しないようにしましょう。
- ②「感染経路は接触感染である」:結核の主な感染経路は 飛沫核感染(空気感染) です。患者の咳やくしゃみによって空気中に放出された微細な飛沫核(5μm以下)が、健常者の肺胞まで到達することで感染します。接触感染は誤りです。
- ③「肺アスペルギルス症と同じ原因菌である」:肺アスペルギルス症の原因は アスペルギルス属 (Aspergillus spp.) という真菌(カビ)です。結核菌とは全く異なる微生物です。結核の治癒後に生じる空洞内にアスペルギルスが寄生する「アスペルギローマ (Aspergilloma)」と呼ばれる状態は存在しますが、原因菌は別物です。
4. 関連概念の整理 (Related Concepts): 感染経路の分類を整理しましょう。結核は 飛沫核感染 の代表的疾患です。同じ飛沫核感染には 麻疹 (Measles) や 水痘 (Varicella) があります。一方、飛沫感染(インフルエンザ、風疹など)や 接触感染(MRSA、ノロウイルスなど)と混同しないように標準予防策(スタンダードプリコーション)と経路別予防策をセットで覚えましょう。
概念整理: 結核(Tuberculosis)
| 項目 | 内容 |
| 原因菌 | 結核菌 (Mycobacterium tuberculosis)(抗酸菌) |
| 好発部位 | 肺(肺結核が80%以上) |
| 感染経路 | 飛沫核感染(空気感染) |
| 発症機序 | 一次性(初感染後すぐ発症) 二次性(再活性化)が大部分 |
| 治療の基本 | 多剤併用療法(イソニアジドINH、リファンピシンRFP、エタンブトールEB、ピラジナミドPZAなど) |
| 治療管理 | DOTS(直接服薬確認療法) |
| 感染対策 | 陰圧個室隔離、N95マスク着用 |
一目で比較!: 感染経路の比較
| 感染経路 | 主な疾患 | 予防策 |
| 飛沫核感染(空気感染) | 結核、麻疹、水痘 | 陰圧個室、N95マスク |
| 飛沫感染 | インフルエンザ、風疹、ムンプス | 個室、サージカルマスク |
| 接触感染 | MRSA、ノロウイルス、疥癬 | 手袋、ガウン、環境消毒 |
看護過程ポイント: 肺結核患者の看護
- アセスメント: 持続する咳、痰、血痰、微熱、体重減少(消耗症状)の有無。治療開始前の喀痰検査(塗抹、培養、PCR)の結果。
- 看護診断: 【感染症伝播リスク状態】【非効果的健康管理】【気道クリアランスの低下】など。
- 計画・実施: 空気感染対策(N95マスク、陰圧個室隔離)。患者への隔離の必要性と治療の重要性についての説明。DOTSの実施。服薬スケジュール管理と副作用モニタリング(肝機能障害、視力障害など)。栄養状態の改善。
- 評価: 喀痰検査の陰性化、症状の改善、確実な服薬継続、副作用の早期発見・対処。
暗記のコツ: 「結核は結核菌(抗酸菌)が原因。肺結核は全体の8割以上。感染経路は空気(飛沫核)感染。発症は再活性化がメイン。治療はDOTSで服薬確認!」と唱えましょう。
国試頻出ポイント: 感染経路(特に空気感染と飛沫感染の区別)、肺結核の症状(特に血痰や微熱などの消耗症状)、DOTSの目的(服薬アドヒアランス向上と薬剤耐性防止)、結核と非結核性抗酸菌症(NTM症)の違いが頻出です。
出題パターン注意!: 単純な知識問題に加えて、事例問題で「咳が続く患者への対応」「隔離が必要な感染症の判断」「喀痰検査の解釈」など、実践的な判断を問う問題が出題されます。
臨床実践ガイド- 1臨床シナリオ (Clinical Scenario)「あなたは呼吸器内科病棟の看護師です。70代男性、数週間前からの湿性咳嗽と微熱、体重減少を主訴に来院。胸部X線で右上葉に空洞性病変を認め、喀痰塗抹検査でガフキー3号の陽性が判明しました。医師から結核と診断され、治療開始の方針です。あなたはどのような看護を計画しますか?」
- 2看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
最重要! 1. 感染対策の最優先実施: 患者を陰圧個室へ移動し、部屋の入口に「空気感染対策」の表示を行います。入室時は必ず N95マスク を着用します。患者には咳エチケット(サージカルマスク着用)を指導します。- 2治療開始と服薬確認医師の処方に基づき、多剤併用療法(INH, RFP, EB, PZAなど)を開始します。DOTSの導入 について患者と家族に説明し、毎日の服薬を直接確認する計画を立てます。
- 3観察と記録バイタルサイン(特に体温)、咳嗽の程度と痰の性状、血痰の有無を観察します。治療の副作用として 肝機能障害(AST/ALT上昇、黄疸)、視力障害(EBによる)、末梢神経障害(INHによる)の早期発見に努めます。症状や検査データはSBARで報告します。
- 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
看護プロトコル: 喀痰検査の結果が連続3回陰性になるまでは 陰圧個室隔離 を継続します。患者の外出は制限し、検査等で部屋を出る場合は患者にサージカルマスクを着用してもらいます。家族への面会制限や感染予防についての説明も必要です。退院後もDOTSは継続されるため、保健所と連携した地域での服薬支援体制を整えます。
先輩看護師の一言: 「結核は昔の病気と思われがちですが、今も日本で確実に存在する感染症です。国試では『感染経路』と『DOTS』は鉄板です。現場では、患者さんが『なんで自分だけ隔離されなきゃいけないんだ』と不安や怒りを感じることがあります。隔離の意味や治療の大切さを、患者さんの気持ちに寄り添いながら丁寧に説明してあげてください。それが治療の成功、ひいては感染拡大の防止につながります!」
- 結核菌 (Mycobacterium tuberculosis) — 結核の原因となる抗酸菌。空気感染し、主に肺に病変を形成する。
- 飛沫核感染 (Droplet Nuclei Infection) — 空気感染とも呼ばれ、5μm以下の微細な飛沫核が空気中を浮遊し、吸入されることで感染が成立する経路。結核、麻疹、水痘などが該当する。
- DOTS (Directly Observed Treatment, Short-course) — 直接服薬確認療法。医療従事者が患者の服薬を直接確認することで、服薬アドヒアランスを向上させ、薬剤耐性結核の発生を防ぐ戦略。
- 二次性結核 (Secondary Tuberculosis / Reactivation Tuberculosis) — 過去に初感染した結核菌が、免疫力低下により再活性化して発症する結核。成人の肺結核の大部分がこれに該当する。
- 肺外結核 (Extrapulmonary Tuberculosis) — 肺以外の臓器(リンパ節、胸膜、骨、腎臓、髄膜など)に発症する結核。全結核の約10~15%を占める。
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