喉頭摘出および気管孔造設術を受けた患者にみられるのはどれか。 | MyMerci
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問題

喉頭摘出および気管孔造設術を受けた患者にみられるのはどれか。

解説
喉頭摘出と気管孔造設により、呼吸の経路が鼻腔から頸部の気管孔へと変わります。そのため、鼻腔に空気が通らなくなり、においを感じにくくなる「嗅覚低下」がみられます。
同じテーマの次の問題インシデントレポートについて適切なのはどれか。2つ選べ。

詳細解説

核心解説 この問題は、喉頭摘出術 (Laryngectomy)気管孔造設術 (Tracheostomy) 後の患者に生じる生理学的変化を問うています。喉頭全摘出術では、喉頭(声帯を含む)が完全に摘出されるため、呼吸の経路が鼻腔・口腔から頸部の気管孔へと完全に変更されます。これにより、空気が鼻腔を通らなくなるため、嗅覚に大きな影響が生じます。 正解の根拠 (Answer Rationale): 最重要! 正解は ② 嗅覚低下 (Hyposmia) です。嗅覚は、吸気時に鼻腔の上部にある嗅粘膜(嗅上皮)に空気中の匂い分子が到達することで生じます。喉頭摘出後は、呼吸が気管孔(頸部)から行われるため、空気が鼻腔を通過しなくなり、嗅覚が著しく低下または消失します。これは「呼吸性嗅覚障害」と呼ばれるもので、手術の避けられない結果です。 誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! ① 難聴:喉頭摘出術は聴覚(内耳や聴神経)に直接影響を与える手術ではありません。難聴は術後合併症として生じることはありません。
混同注意! ③ 咀嚼困難:咀嚼(噛むこと)は下顎の運動と歯、咀嚼筋、三叉神経(第Ⅴ脳神経)によって行われます。喉頭摘出術ではこれらの構造に直接侵襲を加えないため、咀嚼機能は温存されます。
混同注意! ④ 誤嚥:重要!誤嚥は術前の状態と術後で解釈が異なります。 喉頭摘出術により、気道と食道が完全に分離されます(喉頭の摘出により、気管断端が頸部皮膚に縫合される)。そのため、術後は解剖学的に誤嚥が生じない状態になります。むしろ、誤嚥性肺炎の予防が適応となる疾患(例:高度の嚥下障害)に対して本手術が行われることもあります。 関連概念の整理 (Related Concepts):
- 喉頭摘出術後の発声方法の変化:喉頭がなくなるため、声帯による音声発声は不可能になります。代わりに、食道発声 (Esophageal Speech)人工喉頭 (Artificial Larynx / 電気式人工喉頭)気管食道シャント発声 (Tracheoesophageal Puncture Speech / TEP) などが用いられます。
- 気管孔 (Tracheostoma) のケア:気管孔は常に開放されており、空気の加湿・加温・ろ過機能が失われるため、喀痰の増加や気道感染のリスクが高まります。気管孔カバー(フィルター機能付き)の装着や、ネブライザー による加湿が重要です。 概念整理: 喉頭摘出術後 = 解剖学的経路の変更
- 呼吸:鼻腔 → 気管孔(頸部)
- 発声:声帯使用不可 → 代用発声法(食道発声、TEP、人工喉頭)
- 嚥下:気道と食道が完全分離 → 誤嚥リスクは解剖学的に消失
- 嗅覚:空気が鼻腔を通らない → 嗅覚低下/消失(呼吸性嗅覚障害) 一目で比較!: 気管切開 (Tracheotomy) vs 喉頭摘出 (Laryngectomy)
項目気管切開(喉頭温存)喉頭全摘出
解剖気管前壁に穴を作る(喉頭は残存)喉頭を完全摘出(気管断端を皮膚に縫合)
呼吸鼻・口と気管孔の両方可能(カフ付きチューブ使用時は鼻・口不可)気管孔のみ(完全)
嗅覚温存される(鼻呼吸可能なため)低下/消失
誤嚥ありうる(喉頭蓋機能は温存されるが、気管切開により嚥下動態に影響が出る場合あり)解剖学的に消失
発声声帯があるため発声可能(気管切開チューブの通過や空気漏れで声がかすれることはある)声帯がないため不可能(代用発声法必要)
看護過程ポイント:
- アセスメント:術後の嗅覚低下が患者の生活の質(QOL)に与える影響(食事のおいしさの低下、ガス漏れ・火災への気づきの遅れ、体臭・環境臭の認識困難)を評価する。
- 看護診断「感覚・知覚の変調:嗅覚」(NANDA-I)または 「転倒リスク状態」(ガス漏れに気づかないリスク)など。
- 看護介入嗅覚低下に対する安全指導(ガス機器の使用注意、火災報知器の設置、賞味期限の確認の徹底、家族への周知)、代わりに味覚(塩味・甘味・酸味・苦味・うま味)を活用した食事の提案。
- 評価:患者が嗅覚低下による危険(ガス漏れ、火災、腐敗食の摂取)を回避するための対策を理解し実践できているか。 暗記のコツ: 「のどを取ると、鼻がきかなくなる」と覚えましょう。「呼吸の通り道が変わる=においの通り道がなくなる」というイメージが大切です。喉頭摘出と気管切開(喉頭は残っている)を混同しないようにしましょう。 国試頻出ポイント: 喉頭摘出術後は、「嗅覚低下」「発声不能」「誤嚥の消失(解剖学的に)」の3点がセットで頻出です。特に「誤嚥がなくなる」という点は、他の術後合併症と混同しやすいため、注意深く学習しましょう。 出題パターン注意!: 単純知識問題から、事例問題(「喉頭摘出術後の患者が『ご飯の味がしない』と訴えた。看護師の適切な対応はどれか」など)への発展が予想されます。嗅覚低下による味覚への二次的影響(風味の知覚低下)を理解しておく必要があります。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 60代男性、喉頭全摘出術後5日目。経口摂取が開始されました。患者さんが「味がしない、食事がおいしくない」と看護師に訴えています。バイタルサインは安定、気管孔からの喀痰吸引は少量、創部に異常はありません。担当看護師として、どのようにアセスメントし、患者さんに説明しますか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
1. 観察:まず、患者の訴えの真意を確認します。「味がしない」とは、甘味・塩味などの基本味が感じられないのか、それとも食べ物の「香り(風味)」が感じられないのかを区別します。
2. アセスメント:喉頭摘出後は嗅覚が低下しているため、「風味(フレーバー)」を感じにくくなっていることが原因である可能性が高いです。味覚(舌の味蕾)そのものは正常に機能していることが多いです。嗅覚が「風味」の大部分を担っていることを理解しましょう。
3. 説明と介入:「喉の手術をされた後は、鼻に空気が通らなくなるため、においを感じにくくなります。食べ物の味は、舌で感じる甘味や塩味と、鼻で感じる香りの両方でできています。においが感じられないと、食事がおいしく感じられないことがあるんですよ。」と説明します。次に、基本味を強調した食事の工夫(しっかりとした味付け、食感の変化、温度の工夫(熱いものは熱く、冷たいものは冷たく)、彩りの良い盛り付け)を提案します。
4. 評価:食事摂取量の増加や、患者の「おいしい」という主観的評価の変化を確認します。必要に応じて、管理栄養士と連携します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
- 最重要!安全指導:嗅覚低下により、ガス漏れや火災に気づかないリスクがあります。患者と家族に、ガス警報器・火災報知器の設置、調理中の目視確認の徹底を指導します。また、腐敗した食品の臭いに気づかないため、賞味期限の確認を習慣づけるよう指導します。
- 気管孔の管理:気管孔が露出しているため、湯船への浸水シャワーの直撃による溺水を防ぐため、入浴時は専用の防水カバーを使用します。 看護プロトコル:
- 観察項目:嗅覚低下の自覚の有無、食事摂取量、体重変化、QOL(食事の満足度)、安全対策の理解度。
- 報告基準 (SBAR)
- S (状況): 「喉頭全摘出術後5日目の◯◯さんが、『食事の味がしない』と訴えています。」
- B (背景): 「手術の影響で嗅覚が低下していることが原因と考えられます。創部や全身状態に異常はありません。」
- A (アセスメント): 「嗅覚低下による風味の知覚低下が主な原因です。味覚自体は保たれている可能性が高いです。食事の味付けの工夫や、安全面での指導が必要と考えます。」
- R (提案): 「食事の味付けについて栄養士への相談を提案します。また、ガス漏れなどの安全面についても改めて指導を行います。」
- 記録のポイント:患者の訴え(「味がしない」「おいしくない」)、看護師の説明内容と患者の反応、安全指導の実施状況と理解度を客観的に記録します。 先輩看護師の一言: 「喉頭摘出後の患者さんが『味がしない』と訴えるのはとても多いんです。でも、それは味覚がなくなったわけじゃなくて、『におい』という大事なパートナーを失ったから。舌で感じる『甘い・塩っぱい』は残っていることがほとんどです。だからこそ、看護師は『どうすれば少しでも食事を楽しめるか』を一緒に考えてあげてください。そして何より、ガス漏れや火事の危険から患者さんを守る安全指導を忘れずに!国試では『嗅覚低下』が正解のこの問題、現場ではその先のケアまで考えられる看護師になりましょうね。」(qn_ai_explain): 核心解説 この問題は、喉頭摘出術 (Laryngectomy)気管孔造設術 (Tracheostomy) 後の患者に生じる生理学的変化を問うています。喉頭全摘出術では、喉頭(声帯を含む)が完全に摘出されるため、呼吸の経路が鼻腔・口腔から頸部の気管孔へと完全に変更されます。これにより、空気が鼻腔を通らなくなるため、嗅覚に大きな影響が生じます。 正解の根拠 (Answer Rationale): 最重要! 正解は ② 嗅覚低下 (Hyposmia) です。嗅覚は、吸気時に鼻腔の上部にある嗅粘膜(嗅上皮)に空気中の匂い分子が到達することで生じます。喉頭摘出後は、呼吸が気管孔(頸部)から行われるため、空気が鼻腔を通過しなくなり、嗅覚が著しく低下または消失します。これは「呼吸性嗅覚障害」と呼ばれるもので、手術の避けられない結果です。 誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! ① 難聴:喉頭摘出術は聴覚(内耳や聴神経)に直接影響を与える手術ではありません。難聴は術後合併症として生じることはありません。
混同注意! ③ 咀嚼困難:咀嚼(噛むこと)は下顎の運動と歯、咀嚼筋、三叉神経(第Ⅴ脳神経)によって行われます。喉頭摘出術ではこれらの構造に直接侵襲を加えないため、咀嚼機能は温存されます。
混同注意! ④ 誤嚥:重要!誤嚥は術前の状態と術後で解釈が異なります。 喉頭摘出術により、気道と食道が完全に分離されます(喉頭の摘出により、気管断端が頸部皮膚に縫合される)。そのため、術後は解剖学的に誤嚥が生じない状態になります。むしろ、誤嚥性肺炎の予防が適応となる疾患(例:高度の嚥下障害)に対して本手術が行われることもあります。 関連概念の整理 (Related Concepts):
- 喉頭摘出術後の発声方法の変化:喉頭がなくなるため、声帯による音声発声は不可能になります。代わりに、食道発声 (Esophageal Speech)人工喉頭 (Artificial Larynx / 電気式人工喉頭)気管食道シャント発声 (Tracheoesophageal Puncture Speech / TEP) などが用いられます。
- 気管孔 (Tracheostoma) のケア:気管孔は常に開放されており、空気の加湿・加温・ろ過機能が失われるため、喀痰の増加や気道感染のリスクが高まります。気管孔カバー(フィルター機能付き)の装着や、ネブライザー による加湿が重要です。 概念整理: 喉頭摘出術後 = 解剖学的経路の変更
- 呼吸:鼻腔 → 気管孔(頸部)
- 発声:声帯使用不可 → 代用発声法(食道発声、TEP、人工喉頭)
- 嚥下:気道と食道が完全分離 → 誤嚥リスクは解剖学的に消失
- 嗅覚:空気が鼻腔を通らない → 嗅覚低下/消失(呼吸性嗅覚障害) 一目で比較!: 気管切開 (Tracheotomy) vs 喉頭摘出 (Laryngectomy)
項目気管切開(喉頭温存)喉頭全摘出
解剖気管前壁に穴を作る(喉頭は残存)喉頭を完全摘出(気管断端を皮膚に縫合)
呼吸鼻・口と気管孔の両方可能(カフ付きチューブ使用時は鼻・口不可)気管孔のみ(完全)
嗅覚温存される(鼻呼吸可能なため)低下/消失
誤嚥ありうる(喉頭蓋機能は温存されるが、気管切開により嚥下動態に影響が出る場合あり)解剖学的に消失
発声声帯があるため発声可能(気管切開チューブの通過や空気漏れで声がかすれることはある)声帯がないため不可能(代用発声法必要)
看護過程ポイント:
- アセスメント:術後の嗅覚低下が患者の生活の質(QOL)に与える影響(食事のおいしさの低下、ガス漏れ・火災への気づきの遅れ、体臭・環境臭の認識困難)を評価する。
- 看護診断「感覚・知覚の変調:嗅覚」(NANDA-I)または 「転倒リスク状態」(ガス漏れに気づかないリスク)など。
- 看護介入嗅覚低下に対する安全指導(ガス機器の使用注意、火災報知器の設置、賞味期限の確認の徹底、家族への周知)、代わりに味覚(塩味・甘味・酸味・苦味・うま味)を活用した食事の提案。
- 評価:患者が嗅覚低下による危険(ガス漏れ、火災、腐敗食の摂取)を回避するための対策を理解し実践できているか。 暗記のコツ: 「のどを取ると、鼻がきかなくなる」と覚えましょう。「呼吸の通り道が変わる=においの通り道がなくなる」というイメージが大切です。喉頭摘出と気管切開(喉頭は残っている)を混同しないようにしましょう。 国試頻出ポイント: 喉頭摘出術後は、「嗅覚低下」「発声不能」「誤嚥の消失(解剖学的に)」の3点がセットで頻出です。特に「誤嚥がなくなる」という点は、他の術後合併症と混同しやすいため、注意深く学習しましょう。 出題パターン注意!: 単純知識問題から、事例問題(「喉頭摘出術後の患者が『ご飯の味がしない』と訴えた。看護師の適切な対応はどれか」など)への発展が予想されます。嗅覚低下による味覚への二次的影響(風味の知覚低下)を理解しておく必要があります。 (qn_case): 臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 60代男性、喉頭全摘出術後5日目。経口摂取が開始されました。患者さんが「味がしない、食事がおいしくない」と看護師に訴えています。バイタルサインは安定、気管孔からの喀痰吸引は少量、創部に異常はありません。担当看護師として、どのようにアセスメントし、患者さんに説明しますか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
1. 観察:まず、患者の訴えの真意を確認します。「味がしない」とは、甘味・塩味などの基本味が感じられないのか、それとも食べ物の「香り(風味)」が感じられないのかを区別します。
2. アセスメント:喉頭摘出後は嗅覚が低下しているため、「風味(フレーバー)」を感じにくくなっていることが原因である可能性が高いです。味覚(舌の味蕾)そのものは正常に機能していることが多いです。嗅覚が「風味」の大部分を担っていることを理解しましょう。
3. 説明と介入:「喉の手術をされた後は、鼻に空気が通らなくなるため、においを感じにくくなります。食べ物の味は、舌で感じる甘味や塩味と、鼻で感じる香りの両方でできています。においが感じられないと、食事がおいしく感じられないことがあるんですよ。」と説明します。次に、基本味を強調した食事の工夫(しっかりとした味付け、食感の変化、温度の工夫(熱いものは熱く、冷たいものは冷たく)、彩りの良い盛り付け)を提案します。
4. 評価:食事摂取量の増加や、患者の「おいしい」という主観的評価の変化を確認します。必要に応じて、管理栄養士と連携します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
- 最重要!安全指導:嗅覚低下により、ガス漏れや火災に気づかないリスクがあります。患者と家族に、ガス警報器・火災報知器の設置、調理中の目視確認の徹底を指導します。また、腐敗した食品の臭いに気づかないため、賞味期限の確認を習慣づけるよう指導します。
- 気管孔の管理:気管孔が露出しているため、湯船への浸水シャワーの直撃による溺水を防ぐため、入浴時は専用の防水カバーを使用します。 看護プロトコル:
- 観察項目:嗅覚低下の自覚の有無、食事摂取量、体重変化、QOL(食事の満足度)、安全対策の理解度。
- 報告基準 (SBAR)
- S (状況): 「喉頭全摘出術後5日目の◯◯さんが、『食事の味がしない』と訴えています。」
- B (背景): 「手術の影響で嗅覚が低下していることが原因と考えられます。創部や全身状態に異常はありません。」
- A (アセスメント): 「嗅覚低下による風味の知覚低下が主な原因です。味覚自体は保たれている可能性が高いです。食事の味付けの工夫や、安全面での指導が必要と考えます。」
- R (提案): 「食事の味付けについて栄養士への相談を提案します。また、ガス漏れなどの安全面についても改めて指導を行います。」
- 記録のポイント:患者の訴え(「味がしない」「おいしくない」)、看護師の説明内容と患者の反応、安全指導の実施状況と理解度を客観的に記録します。 先輩看護師の一言: 「喉頭摘出後の患者さんが『味がしない』と訴えるのはとても多いんです。でも、それは味覚がなくなったわけじゃなくて、『におい』という大事なパートナーを失ったから。舌で感じる『甘い・塩っぱい』は残っていることがほとんどです。だからこそ、看護師は『どうすれば少しでも食事を楽しめるか』を一緒に考えてあげてください。そして何より、ガス漏れや火事の危険から患者さんを守る安全指導を忘れずに!国試では『嗅覚低下』が正解のこの問題、現場ではその先のケアまで考えられる看護師になりましょうね。」

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