肝切除術後3日の患者のドレーンから黄褐色の排液がみられた。考えられる原因はどれか。 | MyMerci
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一般・状況設定問題
問題

肝切除術後3日の患者のドレーンから黄褐色の排液がみられた。考えられる原因はどれか。

解説
肝切除術後のドレーン排液が「黄褐色」である場合、胆汁が漏れ出ている「胆汁漏(たんじゅうろう)」が強く疑われます。出血であれば赤色〜暗赤色、腹水であれば淡黄色透明です。
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詳細解説

核心解説 この問題は、肝切除術 (Hepatic Resection) 後のドレーン排液の性状をアセスメントする看護技術を問うています。術後合併症の早期発見には、ドレーン排液の色調・性状・量の経時的観察が極めて重要です。問題文にある「黄褐色」という排液は、胆汁漏 (Bile Leakage) を示唆する典型的な所見であり、これは肝切除後の重大な合併症の一つです。胆汁は肝臓で生成され、黄褐色~暗緑色を呈するため、腹腔内やドレーン排液に混入するとこのような色調になります。 正解の根拠 (Answer Rationale) 最重要! 肝切除術後、胆管の切離断端や吻合部からの胆汁漏出が発生することがあります。この胆汁漏は、排液の色調が「黄褐色~緑色」であること、排液量が急に増加すること、腹痛・発熱・腹膜刺激症状を伴うことが特徴です。ドレーンから黄褐色の排液が確認された場合は、胆汁漏の発生を強く疑い、速やかに医師へ報告する必要があります。胆汁が腹腔内に貯留すると、胆汁性腹膜炎 (Bile Peritonitis) を引き起こし、重篤な状態に陥る危険性があるため、早期発見と対応が看護師の重要な役割です。 誤答の分析 (Distractor Analysis)混同注意! 黄疸 (Jaundice):黄疸は血液中のビリルビン値上昇による皮膚・眼球結膜の黄染であり、ドレーン排液の性状とは直接関係がありません。術後の肝機能障害や胆汁うっ滞で生じる症候ですが、排液の色調から黄疸を疑うことはありません。 ② 混同注意! 出血 (Bleeding/Hemorrhage):出血があれば排液は鮮紅色~暗赤色です。黄褐色の排液は出血の所見とは異なります。術後出血はドレーン排液が血液そのものとなるため、色調で明確に鑑別できます。 ③ 混同注意! 腹水 (Ascites):肝切除後は低アルブミン血症や門脈圧亢進により腹水が貯留しやすくなります。腹水の性状は淡黄色透明~淡黄色で、胆汁のように黄褐色の強い色調は呈しません。 関連概念の整理 (Related Concepts) 肝切除術後の主要な合併症には、出血胆汁漏腹腔内膿瘍 (Intra-abdominal Abscess)肝不全 (Liver Failure)腹水があります。ドレーン排液の観察では、色調(赤色・黄褐色・乳白色・膿性など)と性状(漿液性・血性・胆汁性・膿性)を正しく識別することが求められます。特に胆汁漏は、排液ビリルビン値が血清ビリルビン値の3倍以上という診断基準もあり、ドレーン排液の検査オーダーが入ることもあります。 概念整理 - 肝切除術後ドレーン排液のアセスメント:色調・性状・量・臭味を系統的に観察 - 胆汁漏:黄褐色~緑色、ビリルビンを含む、腹膜刺激症状・発熱の有無を確認 - 出血:鮮紅色→暗赤色、Hb低下・血圧低下・頻脈に注意 - 腹水:淡黄色透明、アルブミン低値、腹囲増大・体重増加を観察 一目で比較!
排液の色調原因疾患/合併症主な随伴症状
鮮紅色~暗赤色出血 (Bleeding)血圧低下、頻脈、冷汗、Hb低下
黄褐色~緑色胆汁漏 (Bile Leakage)発熱、腹痛、腹膜刺激症状、排液量増加
淡黄色透明腹水 (Ascites)腹囲増大、体重増加、呼吸困難感
白色~黄色混濁膿瘍 (Abscess)高熱、悪寒、WBC・CRP上昇
乳白色リンパ漏 (Lymphorrhea)排液量増加、低栄養傾向
看護過程ポイント - アセスメント:ドレーン排液の性状観察(色調・粘稠度・量の経時的変化)、バイタルサイン(発熱・血圧変動)、腹部所見(圧痛・筋性防御の有無) - 看護診断:「体液量不足リスク (Risk for Deficient Fluid Volume)」「感染リスク (Risk for Infection)」「急性疼痛 (Acute Pain)」などが優先される - 計画・実施:医師への迅速な報告、ドレーン回路の閉塞や逸脱がないか確認、排液量の正確な測定と記録、胆汁漏が疑われた場合の絶食指示の確認とIV管理 - 評価:排液の色調改善、排液量減少、バイタルサイン安定、腹腔内感染兆候の有無 暗記のコツ 「肝臓=胆汁=黄褐色」とセットで覚えましょう。手術部位の臓器から漏れ出る液体は、その臓器が産生する液体の色調を呈します。「肝臓の黄色い胆汁が漏れたら『胆汁漏』」とイメージすれば、迷わず正解を選べます。 国試頻出ポイント 消化器外科術後(肝切除・胆嚢摘出・膵頭十二指腸切除)のドレーン排液の観察は頻出テーマです。特に「黄褐色=胆汁漏」と「暗赤色=出血」の鑑別は、事例問題で出題されやすいため確実に覚えてください。また、排液が「膿性=感染」を示唆することも併せて学習しましょう。 出題パターン注意! 単純な知識問題に加え、「肝切除術後3日、ドレーンから黄褐色の排液が200ml/日あり、腹痛と37.8℃の発熱が出現。看護師のアセスメントで正しいのはどれか」のような状況設定問題にも対応できるよう、症状と排液の関連性を理解しておきましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド - 臨床シナリオ (Clinical Scenario):肝切除術後3日目、担当患者さん(60代男性)のドレーンバッグを確認すると、排液がそれまでの淡黄色透明から黄褐色に変化し、排液量も前日の150mlから250mlに増加していました。患者さんは「お腹が張って痛い」と顔をしかめ、体温は37.6℃(術後は37.2℃台で推移)、脈拍は90回/分と軽度上昇しています。 - 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):まずドレーン排液の性状を確認し、黄褐色であること、胆汁漏を疑う所見であるとアセスメントします。最重要! 直ちにバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数、SpO2、体温)を測定し、腹部の視診・触診(膨満・圧痛・筋性防御の有無)を実施。観察結果をSBAR(Situation-Background-Assessment-Recommendation)で医師に報告します:「S: 肝切除後3日目、ドレーン排液が黄褐色に変化、腹部膨満と圧痛あり。B: これまでは淡黄色透明で経過良好でした。A: 胆汁漏を疑います。R: 腹部CTのオーダーと絶食の指示を検討いただけませんか」。その後、指示に基づき絶食管理、IVルート確保、必要時は抗生剤の準備を行います。ドレーン回路の閉塞や逸脱がないかも再確認します。 - 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):胆汁漏が進行すると胆汁性腹膜炎(Bile Peritonitis)へ移行し、敗血症性ショック (Septic Shock) を引き起こすリスクがあります。観察中に血圧低下(収縮期血圧90mmHg未満)や頻脈(120回/分以上)、意識レベルの低下、腹部全体の強い圧痛・反跳痛が出現した場合は、緊急対応が必要です。感染対策として、ドレーン挿入部の観察と清潔操作の徹底も怠らないでください。 看護プロトコル - 観察項目:ドレーン排液の色調・性状・量(1時間ごとまたは4時間ごと)、排液の臭気、ドレーン回路の接続状態、腹部所見(圧痛・膨満・腸蠕動音)、バイタルサイン、血液検査(Hb・Ht・WBC・CRP・ビリルビン) - 報告基準(SBAR):排液色調の変化、排液量の急増(前日の1.5倍以上)、発熱・腹痛の出現、血圧低下・頻脈 - 記録のポイント:排液の性状変化に気づいた時刻とその後の経過、医師への報告内容と指示内容、実施したケア(観察・安静・食事指示・点滴管理)、患者の反応(疼痛スコア・バイタルサインの変化) 先輩看護師の一言 「ドレーン排液は、患者さんの体内で起きていることを教えてくれる小さな窓です。色や量が少しでも変わったら『あれ?いつもと違う』と気づけるかどうかが、看護師の観察力の真骨頂。この問題で覚えた『黄褐色=胆汁漏』は、臨床でも本当によく使う知識です。現場で患者さんを守るために、しっかり身につけてくださいね!」

重要概念

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