こんな問題があと1,192問挑戦 ›
一般・状況設定問題
鼻中隔前方からの出血への対応で正しいのはどれか。
-
1
仰臥位にする。
-
2
Bellocq〈ベロック〉タンポンを挿入する。
-
3
Kiesselbach〈キーゼルバッハ〉部位を圧迫する。
✓ 正解
-
4
咽頭に流れてきた血液は飲み込むよう説明する。
解説
鼻出血の多くは、鼻中隔前方にある毛細血管が豊富な「キーゼルバッハ部位」から起こります。そのため、出血時は座って軽く下を向き、小鼻を両側から親指と人差し指で強く圧迫(キーゼルバッハ部位の圧迫)して止血します。血液は吐き出させます。
同じテーマの次の問題インシデントレポートについて適切なのはどれか。2つ選べ。この問題が収録された問題集【合格ライン突破】 過去問5年分 本気の実戦問題KRW 20,000
核心解説
この問題は、鼻出血 (Epistaxis)、特に好発部位であるキーゼルバッハ部位 (Kiesselbach's plexus / Little's area)からの出血への適切な対応を問うています。鼻出血の90%以上はこの前方の血管叢から生じるため、その解剖学的位置を理解し、局所的な圧迫止血法を正しく選択できるかが鍵となります。
1. 核心概念の分析 (Key Concept)
鼻中隔前方のキーゼルバッハ部位は、鼻口蓋動脈・篩骨動脈・上唇動脈・大口蓋動脈が吻合する血管豊富な領域です。この部位からの出血に対しては、最も簡便で有効な一次対応として、鼻翼(小鼻)の両側から圧迫する外鼻圧迫法(キーゼルバッハ圧迫法)が推奨されます。患者の体位は、血液が気道に流れ込まないよう、座位で前傾(ややうつむき加減)にし、血液は飲み込まずに吐き出させることが重要です。
2. 正解の根拠 (Answer Rationale)
③番 最重要! Kiesselbach〈キーゼルバッハ〉部位を圧迫する が正解です。
鼻出血の大半は前方からの出血であり、鼻翼を親指と人差し指で5~10分間しっかりと圧迫することで、キーゼルバッハ部位の血管を直接圧迫し、止血できます。これは最も基本的で侵襲の少ない一次止血法です。
3. 誤答の分析 (Distractor Analysis)
① 混同注意! 仰臥位にする は誤りです。仰臥位は血液が咽頭や気道に流れ込みやすくなり、誤嚥や気道閉塞、血液を飲み込むことによる吐き気・嘔吐のリスクを高めます。正しくは座位で前傾が基本です。
② Bellocq〈ベロック〉タンポンを挿入する は誤りです。これは後方からの出血や、前方からの圧迫止血が効かない難治性出血に対して医師が行う後部鼻腔タンポン法です。一次対応ではありません。
④ 咽頭に流れてきた血液は飲み込むよう説明する は誤りです。血液を飲み込むと、胃を刺激して吐き気・嘔吐を誘発したり、出血量の正確な評価ができなくなります。血液は吐き出させることが正しい指導です。
4. 関連概念の整理 (Related Concepts)
- 鼻出血の分類: 前方(キーゼルバッハ部位)と後方(蝶口蓋動脈など)に分けられます。後方出血は高齢者や高血圧患者に多く、止血が難しく、Bellocqタンポンや血管塞栓術の適応となります。
- 止血後のケア: 止血後も再出血予防のため、鼻をかまない・強くいきまない、熱いもの・アルコールの摂取を避ける よう指導します。
概念整理: 鼻出血 (Epistaxis) の一次対応は、座位・前傾・外鼻圧迫(キーゼルバッハ圧迫)・血液を吐き出させる の4点が基本です。後方出血との区別が重要で、後方出血では喉の奥から血液が流れ込む感じがし、止血が困難です。
一目で比較!:
| 部位 | 前方 (キーゼルバッハ) | 後方 (蝶口蓋動脈) |
|---|
| 好発 | 小児・若年者 | 高齢者・高血圧患者 |
| 一次対応 | 外鼻圧迫法 | 医師による後部タンポン法 |
| 出血の見え方 | 鼻孔から流出 | 咽頭に流れ込む |
| 体位 | 座位・前傾 | 座位・前傾(誤嚥予防) |
看護過程ポイント:
- アセスメント: 出血部位(前方or後方)、出血量、バイタルサイン、既往歴(高血圧・血液疾患・抗凝固薬内服)。
- 看護診断 (Nursing Diagnosis): 「非効果的気道クリアランスのリスク」、または「体液量不足のリスク」。
- 計画・実施: 座位保持、圧迫止血の介助と指導、バイタルサイン測定、出血量の観察(吐き出した血液の量)。
- 評価: 止血が確認できたか、呼吸状態に問題がないか、誤嚥・嘔吐が生じていないか。
暗記のコツ: 「鼻血が出たら、座って(座位)、うつむいて(前傾)、小鼻をぎゅっとつまむ(外鼻圧迫)!」とリズムで覚えましょう。「仰向けに寝かせる」はNGとセットで暗記してください。
国試頻出ポイント: 鼻出血の一次対応(外鼻圧迫 vs 後部タンポン)の使い分け、体位(座位 vs 仰臥位)、血液の処理(飲み込む vs 吐き出す)の3点がセットでよく出題されます。特に「仰臥位は誤り」という知識は必須です。
出題パターン注意!: 単純な知識問題だけでなく、「夜間に老人ホームで入居者が突然鼻出血を起こした」といった状況設定問題に発展します。その場合、高齢者であることから後方出血の可能性を考慮しつつ、まずは一次対応として外鼻圧迫を試みる、という判断が問われます。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario): 訪問看護で80代女性の自宅を訪れたところ、利用者が突然鼻出血を起こし、座位で前かがみになっています。「さっきから血が止まらないの」と不安そうな表情です。既往歴に高血圧があり、抗凝固薬(ワルファリン)を内服中です。看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):- 1観察出血部位(前方か後方か)、出血量、バイタルサイン(血圧・脈拍)、意識レベル、内服状況(特に抗凝固薬)を確認します。
- 2アセスメント前方からの出血であれば、まず外鼻圧迫を試みます。しかし、抗凝固薬内服中であること、高齢であることから後方出血の可能性も考慮します。
- 3報告と介入患者に不安を与えないよう声かけをしながら、最重要! 座位を保たせ、ティッシュやガーゼで鼻翼を圧迫(キーゼルバッハ圧迫)します。血液は吐き出させるよう促し、ガーゼの交換回数で出血量を把握します。5~10分経っても止血しない、または喉の奥に血液が流れ込む感覚がある場合は、後方出血の可能性を疑い、すぐに医師へ連絡・報告します。
- 4評価圧迫解除後に止血が確認できたか、バイタルサインの変化、患者の不安の軽減を評価します。止血後は、鼻を強くかまないよう指導し、内服薬の変更などはかかりつけ医に相談するよう伝えます。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
- 禁忌行動: 仰臥位にしない。血液を飲み込ませない(嘔吐や誤嚥のリスク)。
- 危険所見: 高齢者・抗凝固薬内服中の患者は止血困難な場合が多く、後方出血のリスクが高い。意識変容や大量出血時は気道確保とショック対応を優先。
- 医療安全: 出血量の記録は、ガーゼの重さや吐き出した血液の色・量を客観的に評価する。 看護プロトコル:- 1観察項目出血部位、出血量(ガーゼの交換頻度と浸潤範囲)、バイタルサイン、意識レベル、血液の色(動脈性か静脈性か)。
- 2報告基準 (SBAR)- S: 「○○様が10分前から鼻出血を認め、外鼻圧迫を行っていますが止血しません。」
- B: 「80代女性、高血圧でワルファリン内服中です。」
- A: 「出血は前方からのように見えますが、圧迫5分経過しても出血が続いています。バイタルサインは安定していますが、不安が強いです。」
- R: 「医師の診察と止血処置をお願いします。後部タンポンや入院の可能性についてご判断ください。」
- 3記録のポイント出血が始まった時間、対応内容(圧迫の開始時間・部位・持続時間)、出血量の推定、患者の反応、医師への報告内容と指示。
先輩看護師の一言:
「鼻出血はよくあることですが、特に高齢者や抗凝固薬を飲んでいる患者さんでは、決して油断しないでください!『いつもと違う』止血の難しさを見逃さないことが、重篤な事態を防ぎます。国試ではまず基本の一次対応を確実に覚え、そこからリスクのある患者さんへの応用を考えていきましょう!」
- Kiesselbach部位(キーゼルバッハ部位) — 鼻中隔前方の毛細血管が豊富な領域(Little's area)。鼻出血の好発部位で、外鼻圧迫で止血可能。
- Bellocqタンポン(ベロックタンポン) — 後部鼻腔タンポン法の一つ。後方からの難治性鼻出血に対して医師が挿入する。
- 外鼻圧迫法 — 鼻翼を両側から圧迫する一次止血法。キーゼルバッハ部位を直接圧迫する。
- 鼻出血(Epistaxis) — 鼻腔からの出血。原因は外傷、乾燥、高血圧、血液疾患、抗凝固薬内服など多岐にわたる。
- 体位管理(鼻出血時) — 座位で前傾姿勢が基本。血液の誤嚥・嘔吐を予防し、出血量の正確な評価を可能にする。
MyMerciで看護師国家試験を完全対策
過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。
無料で始める
学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。