核心解説
この問題は、舌における
味蕾 (Taste Buds)の分布を理解しているかを問うています。味蕾は味覚を感じる受容器で、舌の特定の部位に存在する味覚乳頭(茸状乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭)に多く存在します。一方、舌の表面全体を覆う
糸状乳頭 (Filiform Papillae)には味蕾が存在せず、触覚や食物の移動を感知する役割を担います。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 選択肢②の舌背部中央(図示された部位)は、
糸状乳頭 (Filiform Papillae)で覆われている領域です。糸状乳頭は舌表面で最も多く、食物の摩擦に耐える構造ですが、味蕾は含まれていません。そのため、味蕾が少ない部位として正解となります。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 各選択肢の部位と味蕾の有無を整理します。
①番(舌尖):
茸状乳頭 (Fungiform Papillae)が多く分布し、味蕾が豊富に存在します。特に甘味や塩味の感知に関与します。
③番(舌後方両側、V字に並ぶ大きなブツブツ):
有郭乳頭 (Circumvallate Papillae)で、V字状に並ぶ大型の乳頭です。1つあたり数百個の味蕾を持ち、特に苦味の感知に重要です。
④番(舌の両側面):
葉状乳頭 (Foliate Papillae)で、舌縁部に存在し、味蕾が多数存在します。
関連概念の整理 (Related Concepts)
味覚は、味蕾で感知された化学物質が味神経(鼓索神経、舌咽神経など)を介して脳へ伝えられます。舌の部位による味覚の感受性の違い(舌尖で甘味、舌奥で苦味など)は古典的に言われますが、実際には全ての味蕾が5基本味(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)を感知できることが分かっています。また、味覚障害のアセスメントでは、舌の観察だけでなく、
薬剤の副作用(例:抗がん薬、亜鉛欠乏)や口腔内の衛生状態、加齢による変化も考慮する必要があります。
概念整理
| 舌の乳頭の種類 | 分布部位 | 味蕾の有無 | 主な機能 |
| 糸状乳頭 (Filiform Papillae) | 舌背部全体(②番) | なし | 触覚、食物の摩擦防止、舌苔形成 |
| 茸状乳頭 (Fungiform Papillae) | 舌尖・舌縁(①番) | あり(少数) | 味覚(特に甘味・塩味) |
| 有郭乳頭 (Circumvallate Papillae) | 舌後方V字状(③番) | あり(多数) | 味覚(特に苦味) |
| 葉状乳頭 (Foliate Papillae) | 舌後方側面(④番) | あり(多数) | 味覚 |
一目で比較!
混同注意! 「味蕾がある=味覚を感じる乳頭」と「味蕾がない=触覚などの乳頭」を区別しましょう。有郭乳頭・茸状乳頭・葉状乳頭は味覚乳頭、糸状乳頭は機械的乳頭と分類されます。
暗記のコツ
「舌の中央(糸状乳頭)は味を感じない」と覚えましょう。逆に「舌尖(茸状)・側面(葉状)・奥(有郭)」は味を感じる場所です。語呂合わせ:「糸(糸状)は触覚、他は味覚!」
国試頻出ポイント
この問題は解剖学の基礎知識を問うもので、看護師国家試験では、味覚障害の患者へのケア(食事の工夫、口腔ケア)や、脳血管障害後の味覚異常のアセスメントなど、臨床応用問題として発展して出題されることがあります。また、
舌苔の観察(口腔ケアの評価)と関連づけて覚えておくと良いでしょう。