核心解説
この問題は、
介護保険制度 (Long-Term Care Insurance System) における
福祉用具の給付方法 の違いを問うています。介護保険では、福祉用具は大きく「貸与(レンタル)」と「購入(特定福祉用具販売)」の2種類に分かれます。この区別は、用具の性質と利用者のニーズに基づいており、
最重要!「貸与が原則」であり、「購入できるのは限られた品目のみ」という点を理解することが鍵です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 介護保険で「購入(特定福祉用具販売)」の対象となるのは、
排泄 (Excretion) および
入浴 (Bathing) に関する福祉用具に限定されています。これは、これらの用具が他人の使用済み品を再利用することに心理的な抵抗感や衛生面での懸念が強いためです。具体的には、腰掛便座、自動排泄処理装置の交換可能部品、そして選択肢①の
簡易浴槽 (Portable Bathtub) が該当します。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ②~⑤の「特殊寝台」「体位変換器」「移動用リフト」「スロープ」は、いずれも
貸与(レンタル) が原則の福祉用具です。これらは比較的高額であり、利用者の身体状況の変化に応じて機種を変更する必要があるため、貸与による給付が適しています。特に、
⑤の「スロープ」は、住宅改修費(支給限度額20万円)の対象であり、単品購入はできません。 住宅改修は事前申請が必要であり、工事を伴わない簡易スロープであっても、貸与対象または住宅改修のいずれかに該当し、単品購入は認められません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
介護保険における福祉用具給付の全体像を整理します。
| 給付方法 | 対象品目の例 | ポイント |
| 貸与(レンタル)が原則 | 車椅子、特殊寝台、体位変換器、移動用リフト、歩行器、認知症徘徊感知機器 | 利用者の状態変化に柔軟に対応できる。ほとんどの福祉用具がこれに該当。 |
| 購入(特定福祉用具販売) | 腰掛便座、自動排泄処理装置の部品、簡易浴槽、入浴補助用具(浴槽内いす、手すり等) | 衛生面・心理面から購入が認められている。年間支給限度額は原則10万円(1割または2~3割負担)。 |
| 住宅改修 | 手すりの取り付け、段差解消、床材の変更、引き戸への交換、洋式便器等への交換 | 事前申請が必要。支給限度額は20万円(1割または2~3割負担)。工事を伴うもの。 |
概念整理: 介護保険の福祉用具給付は「
貸与が原則、購入は例外(排泄・入浴関連のみ)」です。
一目で比較!: 購入可能な「簡易浴槽」と、貸与対象の「特殊寝台」「移動用リフト」、住宅改修の「スロープ」を区別しましょう。
看護過程ポイント: アセスメント段階で、利用者の身体機能、住環境、経済状況、そして「貸与か購入か」の意向を確認します。計画では、ケアマネジャーと連携し、適切な給付方法を選択します。
暗記のコツ: 「
借りるのが当たり前、買えるのは汚れ物だけ」と覚えましょう。貸与が原則で、購入できるのは「排泄(便座)」と「入浴(浴槽)」に関連するものだけです。
国試頻出ポイント: 「購入できるのはどれか」という正誤問題は頻出です。排泄・入浴関連用具の具体名を必ず押さえてください。
出題パターン注意!: 単純な知識問題としてだけでなく、「貸与から購入への切り替えが必要なケース」や「住宅改修と購入の併用が適切な事例」など、状況設定問題(事例問題)で出題されることもあります。