核心解説
この問題は、医療従事者にとって最も身近で深刻な事故の一つである
針刺し事故 (Needlestick Injury)の予防対策を問うています。
針刺し事故はHBV、HCV、HIVなどの血液媒介性病原体 (Bloodborne Pathogens) への曝露リスクがあり、防止策の徹底が求められます。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 選択肢4「針専用の廃棄容器は容量が8割程度に達したら処分する」が適切です。
針捨てボックス (Sharps Container) は、廃棄針が容器からはみ出したり、針が突き出て事故を起こすのを防ぐため、容量の7~8割程度で交換・廃棄することが標準的な安全対策です。満杯になる前に交換することで、針に触れるリスクを最小化します。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番「採血時に手袋を着用する」:手袋の着用は
混同注意! 手袋は粘膜や傷のある皮膚への血液曝露を防ぐバリアとして有効ですが、
針刺しそのものを防止する効果はありません。手袋を着用しても針が皮膚を貫通するリスクは残るため、本問の「防止方法」としては不十分です。
②番「採血部位をアルコールで消毒する」:これは
採血前の皮膚消毒 (Antisepsis)に関する手順であり、針刺し事故の防止とは全く関係がありません。
③番「抜針した採血針はキャップをして破棄する」:
禁忌行為! リキャップ (Recapping) は針刺し事故の最大の原因の一つであり、絶対に行ってはいけません。使用済み針は、キャップをせずにそのまま専用容器へ廃棄するのが原則です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
針刺し事故防止策の基本は、「
安全器材の使用(リトラクタブル針、セーフティ針)、リキャップ禁止、適切な廃棄容器の管理、針廃棄容器の適時交換」です。また、万が一事故が発生した場合の対応(
曝露後予防 (Post-Exposure Prophylaxis, PEP))も併せて覚えておきましょう。
概念整理:
針刺し事故 (Needlestick Injury) 防止策の核心は、
「使用後は直ちに専用容器へ捨てる」「絶対にリキャップしない」「容器は溢れる前に交換する」の3点です。手指衛生や手袋着用は曝露予防にはなりますが、刺創予防にはなりません。
一目で比較!:
| 行為 | 針刺し予防効果 | 理由 |
|---|
| 手袋着用 | ×(低減はするが防止はしない) | 針は手袋を貫通する |
| リキャップ | ×(逆に危険) | キャップを狙う動作で事故発生 |
| 専用容器の適時交換 | 〇(有効) | 針の突出を防ぐ |
看護過程ポイント:
アセスメント:使用する器材の安全設計、廃棄容器の設置場所と残容量を確認。
計画・実施:穿刺後は直ちに針を廃棄容器に捨てる動作をルーチン化する。容器は7~8割で交換する計画を立てる。
評価:針刺し事故発生率の減少、スタッフの安全手順遵守率。
暗記のコツ: 「針刺し防止3つのNo!」
「No リキャップ!No 満杯放置!No 素手での片付け!」 と覚えましょう。
国試頻出ポイント: 針刺し事故防止は毎年必ず1問は出題される頻出テーマです。
最重要! 「リキャップ禁止」「専用容器の適切な管理(8割交換)」は確実に正解できるようにしておきましょう。また、事故後の対応(血液検査、PEPの要否)とセットで問われることが多いです。
出題パターン注意!: 単純な知識問題として出題される他、事例問題で「採血後、誤ってリキャップをしようとして針刺し事故が発生した。看護師の行動で適切だったのはどれか」のように発展します。