核心解説
この問題は、
令和2年度(2020年度)の日本の家族や雇用に関する統計調査の正しい数値を問う、
健康支援と社会保障制度分野からの出題です。最新の統計データを正確に把握し、社会の変化を看護の視点から理解することが求められます。特に、
少子化(Declining Birthrate)や
ワーク・ライフ・バランス(Work-Life Balance)の動向を押さえることは、家族看護や地域看護を実践する上で重要です。
1.
核心概念の分析 (Key Concept): この問題のテーマは「
家族に関する調査(National Surveys on Family)」の統計数値です。正解を選ぶには、
合計特殊出生率(Total Fertility Rate, TFR)、
共働き世帯(Dual-Income Households)と
専業主婦世帯(Single-Income Households)の割合、
離婚率(Divorce Rate)の動向、そして
育児休業取得率(Childcare Leave Take-Up Rate)の正確な数値を暗記しているかどうかが鍵となります。
2.
正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! ④「雇用均等基本調査では男性の育児休業取得率が12.65%である」が正解です。令和2年度(2020年度)の雇用均等基本調査(令和2年度雇用均等基本調査)において、男性の育児休業取得率は12.65%となり、初めて10%の大台を超えました(前年度は7.48%)。これは、政府の推進する
育児・介護休業法(Childcare and Family Care Leave Act)の改正や社会的な意識変革の影響を受けた結果です。
3.
誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意!
- ①「人口動態調査では合計特殊出生率が1.54である」→
誤り。令和2年(2020年)の
合計特殊出生率(TFR)は1.33(2020年人口動態統計)で、1.54ではありません。1.54という数値は、平成初期(1990年代初頭)の水準であり、近年は1.3前後で推移しています。
- ②「労働力調査では共働き世帯が専業主婦世帯より少ない」→
誤り。令和2年(2020年)の
労働力調査(Labour Force Survey)(2020年平均)では、共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回っています。共働き世帯は約1,240万世帯であるのに対し、専業主婦世帯は約500万世帯と、共働き世帯が約2.5倍と圧倒的に多くなっています。
- ③「人口動態調査では結婚後5年未満の離婚が約半数である」→
誤り。結婚後5年未満の離婚の割合は、かつては多かったものの、近年は減少傾向にあります。令和2年(2020年)の
人口動態統計(Vital Statistics)によると、結婚後5年未満の離婚の割合は約3割(30%程度)であり、半数には達しません。
4.
関連概念の整理 (Related Concepts): この問題に関連して、
合計特殊出生率、
婚姻率(Marriage Rate)、
離婚率(Divorce Rate)、
平均初婚年齢(Mean Age at First Marriage)、
女性の労働力率(Female Labour Force Participation Rate)などの指標をセットで覚えておくと良いでしょう。また、
育児休業(Childcare Leave)や
介護休業(Family Care Leave)の取得率の推移は、社会政策の効果を測る重要な指標です。
概念整理:
日本の家族をとりまく社会統計。令和2年(2020年)時点のキーナンバーを整理します。
| 調査項目 | 令和2年(2020年)の数値 |
|---|
| 合計特殊出生率 | 1.33 |
| 共働き世帯数 | 専業主婦世帯の約2.5倍 |
| 結婚後5年未満の離婚割合 | 約30% |
| 男性の育児休業取得率 | 12.65% |
一目で比較!:
混同注意!| 調査名 | 主な内容 |
|---|
| 人口動態調査 | 出生、死亡、婚姻、離婚の件数と率(TFR、死亡率、婚姻率など) |
| 労働力調査 | 就業者、完全失業者、就業状態(共働き世帯数など) |
| 雇用均等基本調査 | 男女別の雇用管理(育児休業・介護休業取得率など) |
看護過程ポイント: これらの統計データは、
アセスメント(Assessment)段階で、地域や家族の健康課題を分析するための背景情報として活用します。例えば、
少子化や
共働き世帯の増加は、子育て支援や介護サービスの需要、
産後うつ(Postpartum Depression)のリスクアセスメントなど、看護計画の立案に直結します。
暗記のコツ: 「
合計特殊出生率(TFR)は1.3台」、「
共働き世帯は専業主婦の2倍以上」、「男性の
育児休業取得率は10%超(令和2年)」と、3つのキーワードをセットで覚えましょう。「13(1.3)」「2倍」「10%」という数字がポイントです。
国試頻出ポイント: 「
雇用均等基本調査」は、男性の育児休業取得率が毎年上昇傾向にあるため、新しい年度の数値が出るたびに更新して覚える必要があります。国家試験では「〇〇調査で正しいのはどれか」という形で、複数の調査の数値を組み合わせて出題されるのが定番パターンです。
出題パターン注意!: 単純な数値暗記問題から、事例問題への発展が考えられます。例えば、「共働きで、夫の育児休業取得を検討している家族への看護支援として適切なのはどれか」といった、統計データの背景を理解した上での応用問題が出題されることもあります。