核心解説
この問題は、
産褥早期 (Early Puerperium)の母体管理、特に
子宮復古 (Involution of Uterus)の観察と、安全な退室・帰室時の患者指導を問うています。分娩直後は子宮が急速に収縮し、胎盤剥離面からの出血(悪露)が続くため、
最重要!弛緩出血 (Uterine Atony)や子宮復古不全の早期発見が最優先課題です。出血量200mLと少なかったものの、経膣分娩後も母体は常に異常出血のリスクがあります。正解は④番で、悪露に大きな凝血塊が混じることは子宮腔内の血液貯留を示唆し、異常を知らせる指標となります。
正解の根拠 (Answer Rationale):
悪露 (Lochia)の観察は産褥期看護の基本です。特に分娩直後から数時間は、悪露の量・色・性状・においを確認し、子宮復古の状態を評価します。凝血塊(Blood Clot)が混じる場合は、子宮が十分に収縮せず出血が持続しているサインであり、医師への報告やバイタルサイン測定、子宮底の確認などの対応が必要です。このため、患者自身に異常を早期に報告させる指導は極めて重要です。
誤答の分析 (Distractor Analysis): ①番は排泄後の消毒が不要で、通常は温水洗浄で十分であり、消毒薬は粘膜を刺激する可能性があります。②番は会陰縫合部の疼痛には冷罨法(アイスパック)が推奨され、温めると浮腫や炎症を悪化させるリスクがあります。③番は6時間おきの排尿ではなく、産褥早期は膀胱感覚が低下しているため、
混同注意!産褥早期は3~4時間おきの自発的排尿を促すか、導尿の適応を判断する必要があります。膀胱内に尿が貯留すると子宮収縮を阻害し、弛緩出血のリスクが高まります。
関連概念の整理 (Related Concepts): 分娩直後の母体管理では、
バイタルサイン (Vital Signs)の測定、子宮底の高さと硬さの確認(子宮底輪状マッサージ)、悪露の観察、会陰の観察(縫合部の腫脹・発赤・疼痛・出血)、排尿状態の確認が必須です。弛緩出血は産後出血の主要原因であり、子宮収縮薬(オキシトシンなど)の準備も重要です。
概念整理:
産褥早期の観察ポイント
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子宮復古: 子宮底は臍高または臍下一横指に触知し、硬く収縮しているかを確認。
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悪露: 分娩直後は赤色悪露(Lochia Rubra)で、量・凝血の有無・異臭を観察。
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弛緩出血: 子宮が軟らかく、子宮底が上昇する場合は出血のサイン。
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排尿: 膀胱内の尿貯留が子宮収縮を妨げるため、分娩後6~8時間以内の排尿を確認。
一目で比較!:
悪露の経時的変化
| 時期 | 色調 | 性状 | 特徴 |
|---|
| 分娩直後~3日 | 赤色 (Lochia Rubra) | 血液主体、時に小凝血 | 量が最も多い |
| 4~10日 | 漿液性 (Lochia Serosa) | 褐色~ピンク色 | 血液と漿液の混合 |
| 11日~3週 | 白色 (Lochia Alba) | 黄白色、粘液状 | 白血球・脱落組織が主体 |
看護過程ポイント:
アセスメント: 分娩直後の母体は疲労とともに子宮復古の状態を確認。**看護診断**: [出血リスク状態 (Risk for Bleeding)]。**計画**: 異常出血の早期発見のため、悪露の性状と子宮底の確認を頻回に行う。**実施**: 患者に悪露の観察ポイントを指導し、凝血塊や出血量増加を感じたらすぐに報告するよう促す。**評価**: 悪露の量が減少傾向か、子宮底が臍下に下がっているか。
暗記のコツ: 「分娩直後は
子宮の硬さ(子宮底触知)と悪露の色・量 が命綱!」と覚えましょう。凝血塊を見たら「弛緩出血かも」と連想します。
国試頻出ポイント: 産褥期の合併症として、
弛緩出血 (Uterine Atony)、
産褥熱 (Puerperal Fever)、
血栓塞栓症 (Thromboembolism)が頻出です。特に弛緩出血は、分娩後24時間以内の大量出血として出題されます。
出題パターン注意!: 「経膣分娩後のAさん(初産婦)に看護師が行う観察項目はどれか」や「産褥1日目の母体で注意すべき所見はどれか」といった形で、観察と指導を組み合わせた問題が頻出です。