核心解説
この問題は、
放射性同位元素 (Radioisotope, RI) を用いる画像検査を問うています。核医学検査の基本概念として、RIで標識した薬剤(放射性医薬品)を体内に投与し、その集積をガンマカメラやPETカメラで検出することを理解することが鍵です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! ⑤番の
骨シンチグラフィ (Bone Scintigraphy) は代表的な核医学検査です。
テクネチウム99m (99mTc) などの放射性同位元素で標識されたリン酸化合物を静脈注射し、骨組織への集積を画像化します。骨転移、骨折、骨腫瘍、骨髄炎などの診断に用いられます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番の
脳血管造影 (Cerebral Angiography)は、カテーテルからヨード造影剤を注入しX線透視で撮影する画像検査です。RIは使用しません。
②番の
膀胱鏡検査 (Cystoscopy)は、内視鏡を尿道から膀胱に挿入して直接観察する検査です。RIは使用しません。
③番の
頭部CT検査 (Head CT)は、X線を用いて頭部の断層画像を取得する検査です。造影剤を使用する場合もありますが、RIは使用しません。
④番の
腹部超音波検査 (Abdominal Ultrasonography)は、超音波(エコー)を用いて臓器の断層像を描出する検査です。RIは使用しません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
核医学検査は「機能画像」とも呼ばれ、RIの体内分布を捉えることで、臓器の血流や代謝などの機能的情報を得られます。一方、CTやMRIは「形態画像」であり、解剖学的な構造を詳細に描出します。骨シンチグラフィ以外にも、
心筋シンチグラフィ (Myocardial Scintigraphy)、
肺換気/血流シンチグラフィ (Ventilation/Perfusion Scan)、
腎シンチグラフィ (Renal Scintigraphy)など多くの核医学検査があります。
概念整理:
放射性同位元素 (RI) は、不安定な原子核を持ち、放射線を出しながら安定な原子に変化する性質を持つ元素。これを医療用に標識したものが放射性医薬品。核医学検査の原理は、このRIから放出されるガンマ線を検出すること。
一目で比較!:
| 検査法 | 使用するエネルギー | 目的 |
|---|
| 骨シンチグラフィ | 放射性同位元素 (RI) | 骨の機能評価(血流・代謝) |
| CT検査 | X線 | 解剖学的形態評価 |
| MRI検査 | 磁気・電波 | 軟部組織の高精細形態評価 |
| 超音波検査 | 超音波 | リアルタイム形態評価・血流評価 |
看護過程ポイント: 核医学検査を受ける患者へのアセスメントでは、検査の目的と患者の不安(放射線被曝への心配など)を評価。看護計画では、検査前の説明と同意、放射性医薬品投与後の安静保持と排尿指導(特に骨シンチグラフィでは膀胱被曝低減のため)、検査後の放射線管理区域のルール説明が重要。
暗記のコツ: 「RI(放射性同位元素)は『放射線を出す元素』、シンチグラフィは『シンチレーションカメラで撮影する』と覚える。『骨シンチ = RI使用』は国試の鉄板知識!」
国試頻出ポイント: 「RIを用いる検査は?」「核医学検査の特徴は?」「放射線被曝のある検査は?」の3パターンで頻出。MRI(磁気)や超音波(エコー)は放射線被曝がないことも併せて出題される。
出題パターン注意!: 単純な「どれがRIを使うか」の知識問題に加え、「甲状腺癌の転移検索に用いる検査は?」「骨転移のスクリーニングに適する検査は?」という臨床応用問題にも発展。正診率は高いが、CTやMRIとの混同に注意。