核心解説
この問題は、
看護提供方式 (Nursing Care Delivery System)の一つである「
機能別看護方式 (Functional Nursing)」の定義を問うています。看護提供方式は、限られた人員で効果的かつ安全な看護を提供するために、業務の割り振り方やチームの組み方を決定する重要な概念です。機能別看護方式は、その中でも最も古い歴史を持つ方式で、業務の効率性を重視します。
正解の根拠 (Answer Rationale)
②番が正解です。機能別看護方式は、
「検温」「与薬」「清拭」「注射」など、看護業務を内容(機能)ごとに細分化し、複数の看護師がそれぞれの業務を分担して実施する方式です。例えば、A看護師は病棟全体の与薬担当、B看護師は検温担当、C看護師は処置・清拭担当といった役割分担をします。この方式の最大のメリットは、
業務の習熟度が高まり、短時間で多くの患者に均質なケアを提供できる効率性にあります。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番は
混同注意!「
モジュール型看護方式」または「
チームナーシングの変形」の説明です。勤務帯ごとに担当患者を決めるのは一般的な方法ですが、これを「機能別」と混同しないでください。機能別は「患者」ではなく「業務」で分担します。
③番は
混同注意!「
プライマリナーシング (Primary Nursing)」の説明です。1人の看護師(プライマリナース)が受け持ち患者の入院から退院(あるいは24時間)までの看護計画立案とケアに責任を持つ、患者中心の方式です。機能別とは対極の考え方です。
④番は
混同注意!「
チームナーシング (Team Nursing)」の説明です。看護師長やチームリーダーの指示のもと、複数の看護師がチームを組み、チーム内で患者を受け持ちます。業務分担という点では機能別と似ていますが、患者をグループで受け持ち、チーム内でコミュニケーションを取りながらケアを提供する点が異なります。
関連概念の整理 (Related Concepts)
看護提供方式の変遷を理解しましょう。
| 看護提供方式 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|
| 機能別看護 (Functional Nursing) | 業務を細分化し分担 | 効率的、習熟度が高い | ケアが断片的、患者の全体像を捉えにくい |
| チームナーシング (Team Nursing) | チームで患者を受け持つ | チーム内で情報共有、新人教育に適する | チームリーダーの能力に左右される |
| プライマリナーシング (Primary Nursing) | 1人の看護師が患者の全責任を持つ | 継続的で質の高い看護、患者満足度が高い | 看護師の負担が大きく、経験と能力が必要 |
| モジュール型看護 | 病棟をいくつかのエリアに分け、少人数のチームで受け持つ | プライマリとチームの中間的、効率と継続性のバランスが良い | エリア間の連携が課題になることがある |
国試では、それぞれの方式の「キーワード」で区別できるようにしておきましょう。
- 機能別看護:「業務分担」「効率性」「細分化」
- チームナーシング:「チーム」「リーダー」「グループ」
- プライマリナーシング:「継続」「全責任」「患者中心」
- モジュール型看護:「エリア」「小チーム」
概念整理: 看護提供方式は、看護の質と効率を左右するマネジメントの基礎概念です。機能別看護は「何をするか(業務)」で分け、プライマリナーシングは「誰を看るか(患者)」で分けるという視点で整理しましょう。
一目で比較!:
| 方式 | 分担の単位 | 責任の所在 |
|---|
| 機能別 | 業務(検温・与薬など) | 各業務担当者 |
| チームナーシング | 患者グループ | チームリーダー |
| プライマリナーシング | 個人の患者 | プライマリナース(個人) |
看護過程ポイント: この問題は看護過程の「計画」段階に関連します。看護提供方式の選択は、看護計画をどのような体制で実施するかを決定する重要なマネジメント事項です。
暗記のコツ: 「機能別」=「機能(仕事)」ごとに「別(わける)」と覚えましょう。「検温さん」「与薬さん」のように、看護師が業務の「専門職人」になるイメージです。
国試頻出ポイント: 各看護提供方式の定義と、メリット・デメリットの比較は頻出です。特に「機能別看護はケアが断片的になりやすい」「プライマリナーシングは継続性が高い」といった特徴は、事例問題の中で「どの方式を選択するのが適切か」という形で問われることもあります。
出題パターン注意!: 単純な「定義を選べ」だけでなく、「新人看護師が多い病棟で導入しやすい方式はどれか(チームナーシング)」や「患者のQOL向上を目指し、継続的なケアを提供したい場合に適切な方式はどれか(プライマリナーシング)」のように、状況設定問題に発展することが多いテーマです。