高尿酸血症で正しいのはどれか。 | MyMerci
一般・状況設定問題
問題

高尿酸血症で正しいのはどれか。

解説
痛風発作は、プリン体を多く含む食事や「飲酒(特にビールなど)」、ストレス、脱水などが引き金となって誘発されます。急性期に尿酸降下薬を新たに開始すると発作を悪化させるため禁忌です。目標は6.0mg/dL以下です。

詳細解説

核心解説 この問題は、高尿酸血症 (Hyperuricemia) とその代表的合併症である 痛風 (Gout) の病態と管理について正しい知識を問うものです。プリン体代謝異常により血清尿酸値が上昇し、関節や組織に 尿酸塩結晶 (Urate Crystals) が沈着することで、激しい関節炎や痛風結節を引き起こします。この疾患の急性期治療と予防管理の違いを正確に理解することが鍵となります。 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! ②番の「痛風発作は飲酒で誘発される」が正解です。アルコール、特にビールはプリン体を多く含むだけでなく、代謝過程で尿酸の排泄を阻害し、血中尿酸値を急激に上昇させるため、痛風発作の主要な誘因となります。他にも、プリン体の多い食品(レバー、魚卵など)、脱水、ストレス、外傷、手術などが誘因となります。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 痛風結節(Tophus)は、関節周囲や耳介などに形成される尿酸塩結晶の塊で、慢性痛風患者にみられます。通常、無痛性ですが、時に炎症を起こして圧痛を伴うことがあります。しかし、「疼痛を伴う」のは主に急性痛風発作時の関節炎であり、痛風結節自体は基本的に無痛です。
禁忌事項! 痛風発作の急性期に 尿酸降下薬 (Urate-lowering Therapy, ULT)(例:アロプリノール、フェブキソスタット)を新たに開始すると、血中尿酸値が急激に変動し、かえって発作を悪化させたり遷延させたりします。急性期の治療は 非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)コルヒチン (Colchicine)、または副腎皮質ステロイドで炎症を鎮めることが優先されます。尿酸降下薬は、発作が完全に治まった後(通常2週間以上経過後)に少量から開始します。
管理目標の誤り! 高尿酸血症の治療目標は、痛風発作の再発予防と関節障害・腎障害の進行抑制です。一般的な治療目標値は 血清尿酸値6.0mg/dL以下 とされています。9.0mg/dL以下では、尿酸塩結晶の溶解や発作予防効果が十分に得られないため、目標としては不十分です。 概念整理: 高尿酸血症 (Hyperuricemia) は血清尿酸値が7.0mg/dLを超える状態。尿酸はプリン体の最終代謝産物で、生成過剰または排泄低下により生じる。関節内に尿酸塩結晶が析出すると、好中球を主体とする激しい炎症反応(痛風発作 (Acute Gout Attack))を引き起こす。長期化すると痛風結節や腎障害(尿酸腎症、尿路結石)を合併する。 一目で比較!:
状態治療の優先順位使用薬剤
痛風発作 急性期①疼痛・炎症の鎮静NSAIDs、コルヒチン、ステロイド
高尿酸血症 寛解期/予防①血清尿酸値6.0mg/dL以下を目標尿酸降下薬(アロプリノールなど)
看護過程ポイント: アセスメント: 発作の誘因(飲酒、食事、脱水、ストレス)、関節の状態(発赤・腫脹・熱感・疼痛部位と程度)、バイタルサイン、血清尿酸値・腎機能(BUN、Cr、eGFR)。看護診断: 急性疼痛(関節の炎症による)、身体可動性障害(疼痛による)、非効果的健康維持(食事・飲酒コントロールの不足)。介入: 急性期は安静・患部冷却・挙上。発作予防のために生活指導(飲酒制限、プリン体制限食、十分な水分摂取)。尿酸降下薬の服薬アドヒアランス向上支援。 暗記のコツ: 「痛風=ビールが大敵!」「急性期に尿酸下げる薬はNG!まず炎症を鎮めよ!」「目標尿酸値は『6.0』(ロクマル)」。 国試頻出ポイント: ①高尿酸血症の治療目標値(6.0mg/dL以下)は毎年問われる基本数字。②急性痛風発作時の禁忌薬剤(尿酸降下薬の新規開始)と、発作時に使用すべき薬剤(NSAIDsなど)の組み合わせは頻出。③痛風結節の性状(無痛性)と発作時の関節炎症状(疼痛あり)の対比。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
50代男性、左足の母趾中足趾節関節(MTP関節)に突然の激痛と腫脹が出現し、救急外来を受診。発症前夜にビールを大量に飲んだと話す。血清尿酸値は9.2mg/dL。医師より ロキソプロフェンナトリウム (Loxoprofen Sodium) が処方され、経過観察の方針となりました。翌日の病棟ラウンドで、患者は「まだ痛くて動けない」と訴えています。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察: 患部の状態(発赤、熱感、腫脹の程度、疼痛スケールNRS)、バイタルサイン、内服状況。
2. アセスメント: 急性痛風発作の持続状態と判断。NSAIDsの効果発現には時間がかかること、安静が不十分である可能性を考慮。
3. 報告 (SBAR): 「S(状況):左母趾MTP関節の激痛が継続しています。B(背景):昨夜ビール摂取後、今朝から発症し、尿酸値9.2mg/dL。A(アセスメント):急性痛風発作とみられます。R(推奨):安静の強化と、疼痛コントロールのため指示された追加鎮痛薬の検討をお願いします。」
4. 介入: 患肢を挙上し、冷却用アイスパックをタオルで包んで10〜15分間隔で適用。ベッド柵を設置し、転倒予防。安静の重要性を説明。
5. 評価: 疼痛が軽減し、患者が安楽な姿勢を保てているか確認。 看護プロトコル: 観察項目: 発作部位の発赤・腫脹・熱感・疼痛、バイタルサイン、血清尿酸値、腎機能(BUN、Cr)。報告基準 (SBAR): 疼痛が持続または増強する場合、新たな関節症状が出現した場合、解熱鎮痛薬の副作用(消化管出血、腎機能低下)が疑われる場合。患者指導: 飲酒(特にビール、日本酒)制限、プリン体を多く含む食品(レバー、白子、干物、魚卵)の過剰摂取回避、1日2L以上の水分摂取、尿酸降下薬の継続内服の重要性。 先輩看護師の一言: 「痛風発作は本当に痛いんです。患者さんは『骨が折れたかと思った』と表現することもあります。そんな時、私たち看護師が『安静にして、冷やせば楽になりますよ』と声をかけ、少しでも安楽に過ごせるようにケアすることが大切です。急性期に尿酸を下げる薬をうっかり出さないように注意してくださいね。国試では『急性期の治療』と『慢性期の予防』を分けて考えるクセをつけましょう!」

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