核心解説
この問題は、四肢の動脈性外出血に対する基本的な止血法の知識を問うています。動脈性出血は心拍動に一致して鮮紅色の血液が拍動状に噴出するため、迅速かつ適切な止血処置が必要です。止血の原理は、出血部位への血流量を減少させることと、血液凝固を促進することにあります。選択肢1の「出血部位を心臓より高く保つ」ことは、重力を利用して患部への動脈血流量を減少させるため、有効な補助的止血法です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 四肢の動脈性外出血では、出血部位を心臓より高く挙上(挙上法)することで、重力により患部への動脈圧が低下し、血流が減少します。これにより出血量を減らし、止血を促進します。直接圧迫法(ガーゼなどで出血部位を直接圧迫する方法)が最優先の止血法ですが、挙上法はその補助として有効です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
- ②番:止血帯は幅1cm未満を用いる →
混同注意! 細い止血帯は皮膚や組織を損傷するリスクが高いため、推奨されません。標準的には幅3cm以上の幅広の止血帯を使用します。
- ③番:止血帯は連続して4時間使用する → 長時間の止血帯使用は、虚血による末梢神経障害や筋肉壊死(コンパートメント症候群)のリスクを高めます。通常は連続使用は1時間以内とし、その後は緩めて血流を再開させる必要があります。
- ④番:出血部位を動脈圧より低い圧で圧迫する → 動脈性出血に対しては、出血部位の動脈圧より高い圧で圧迫しなければ止血できません。低い圧では止血効果が得られません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
止血法には、直接圧迫法、挙上法、止血帯法、動脈圧迫法などがあります。動脈性出血の第一選択は直接圧迫法であり、それが無効な場合に止血帯法を考慮します。止血帯法は最終手段であり、その使用には適応と時間制限(1時間以内)を厳守する必要があります。また、間接圧迫法(動脈を骨に押し付けて止血する方法)は、上腕動脈や大腿動脈など限られた部位で使用されます。
概念整理: 動脈性出血の止血法
| 方法 | 原理 | 適応 | 注意点 |
|---|
| 直接圧迫法 | 創部を直接圧迫 | 全出血の第一選択 | 清潔ガーゼ使用 |
| 挙上法 | 重力で血流減少 | 四肢出血の補助 | 単独では不十分 |
| 止血帯法 | 動脈血流遮断 | 直接圧迫無効時 | 幅3cm以上 1時間以内 |
一目で比較!: 動脈性出血 vs 静脈性出血
| 種類 | 色 | 出血様式 | 止血法 |
|---|
| 動脈性 | 鮮紅色 | 拍動性噴出 | 強圧迫 止血帯 |
| 静脈性 | 暗赤色 | 持続的流出 | 軽圧迫 挙上 |
看護過程ポイント: アセスメント: 出血部位・色・量・拍動の有無 計画: 直接圧迫開始 実施: 挙上補助 評価: 止血確認・末梢循環評価
暗記のコツ: 「動脈は上へ!静脈は下へ!」出血部位を心臓より高く(挙上)するのは動脈性出血。静脈性出血はむしろ挙上すると還流が妨げられるため、挙上は動脈性と覚えましょう。
国試頻出ポイント: 止血法は救急看護の基本で毎年出題。特に止血帯の使用基準(幅・時間)は必出。直接圧迫法が最優先であることも押さえる。
出題パターン注意!: 「四肢切断患者の救急処置で正しいのはどれか」「止血帯を使用する際の注意点はどれか」など状況設定問題に発展。