核心解説
この問題は、
連続携行式腹膜灌流法 (Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis, CAPD) を導入した患者が、職場で安全に透析を継続するために必要な設備を問うています。
CAPDの最大のリスクは腹膜炎 (Peritonitis) であり、その予防には清潔操作と適切な物品管理が不可欠です。患者は日中に会社でバッグ交換を行う必要があるため、感染リスクを最小限に抑え、安全に手技を行える環境を整えることが看護支援の鍵となります。
1. **
正解の根拠 (Answer Rationale)**: 正解は
③ 透析液の交換時に使用する個室 と
④ CAPDの物品を保管する専用棚 です。
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③ 個室: CAPDのバッグ交換は、
清潔操作 (Aseptic Technique) が絶対条件です。埃や人の出入りが多い職場の共有スペースでは、細菌が透析液やカテーテル接続部に付着するリスクが高まります。
感染予防のためには、清潔でプライバシーが保たれた個室が必要です。
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④ 専用棚: CAPDに必要な物品(透析液バッグ、消毒液、ガーゼ、キャップなど)を整理整頓して保管するための専用の場所が必要です。
透析液は直射日光を避け、常温で保管するため、清潔で安全な専用棚が適しています。また、物品をすぐに取り出せることで、手技の効率も向上します。
2. **
誤答の分析 (Distractor Analysis)**:
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① 透析液を保管する冷蔵庫: 混同注意! 透析液は
室温 (常温) で保存 します。冷蔵庫で冷やしてしまうと、注入時に体温より低い液が腹腔内に入り、
低体温や腹部不快感の原因となります。
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② 透析液を温める電子レンジ: 混同注意! 透析液を温める際は、
専用の加温器 (Dialysate Warmer) を使用します。電子レンジで温めると、液の温度が不均一になったり、過熱による火傷のリスクがあるため、
禁忌です。
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⑤ 透析液の貯留中に使用するベッド: 透析液の貯留中 (Dwell Time) は、患者は通常通り仕事や活動が可能です。
CAPDは「持続的に」行う在宅透析であり、貯留中にベッドで横になる必要はありません。職場でのベッドの設置は非現実的です。
3. **
関連概念の整理 (Related Concepts)**:
CAPD (Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis) は、患者自身が1日数回、腹膜に透析液を注入・貯留・排液を繰り返す方法です。血液透析 (Hemodialysis) と比較して、
食事制限が緩やかで、社会復帰がしやすいという利点がありますが、
自己管理能力と感染予防の徹底が必須です。特に
腹膜炎 (Peritonitis) はCAPDの中止に繋がる重大な合併症であるため、バッグ交換時の環境整備は看護指導の最重要項目です。
概念整理:
CAPD の管理の核心は
感染予防 (Infection Prevention) と
自己管理能力 (Self-Management)。職場での透析継続には、
清潔な環境(個室) と
適切な物品管理(専用棚) が不可欠です。
一目で比較!:
| 設備 | 必要性 | 理由 |
|---|
| 個室 | 必須 | 清潔操作のため。感染予防が最優先。 |
| 専用棚 | 必須 | 物品の整理整頓と衛生的保管のため。 |
| 冷蔵庫 | 不要 | 透析液は常温保存。冷やすと注入時に不快感を生じる。 |
| 電子レンジ | 不要(禁忌) | 専用加温器を使用。電子レンジは温度ムラや火傷の危険。 |
看護過程ポイント: 【アセスメント】患者の職場環境、CAPD手技の習熟度、感染徴候の有無。【計画】職場でのバッグ交換が安全に行えるよう、設備の提案と指導を計画。【実施】実際にバッグ交換を行い、手順の遵守状況と環境の清潔さを評価。【評価】腹膜炎の発生なく、安全にCAPDを継続できているか。
暗記のコツ: 「CAPDの設備は、
個室(か)・専用棚(せ) で覚えよう!『家事』をするように、自分の仕事場でも『か・せ』と場所を整えるイメージです。温めるのは『専用の機械(加温器)』であり、冷やすのもダメ、レンジもダメ。」
国試頻出ポイント: CAPDのバッグ交換に必要な環境(清潔な場所、物品保管場所)、透析液の保存方法(常温)、加温方法(専用加温器)は頻出。特に「電子レンジは使わない」という禁忌事項は必ず押さえましょう。
出題パターン注意!: 単純な「正しい設備はどれか」という知識問題だけでなく、「退院指導の内容で適切なのはどれか」という状況設定問題で、今回の内容(個室の確保、専用棚の設置)が含まれているかどうかを問われる形でも出題されます。