核心解説
この問題は、高齢者ケアにおいて重要な
総合機能評価 (Comprehensive Geriatric Assessment, CGA)の簡易版である
CGA7の評価項目を問うています。
最重要!CGA7は、高齢者の身体・精神・社会機能を多面的に評価するためのスクリーニングツールであり、
生活機能全体を把握することが目的です。選択肢の中から、CGA7の7つの評価項目に該当するものを正確に選ぶ必要があります。
1. **
正解の根拠 (Answer Rationale)**: 正解は
②意欲と
⑤日常生活動作〈ADL〉です。
CGA7は、以下の7項目から構成されます。
① 歩行能力(転倒リスク)
② 認知機能
③ 意欲(うつ傾向のスクリーニング)
④ 手段的日常生活動作 (IADL)
⑤ 基本的日常生活動作 (BADL)
⑥ 栄養状態(低栄養のスクリーニング)
⑦ 服薬状況
「意欲」は③に該当し、「日常生活動作〈ADL〉」は④および⑤に該当するため、正解となります。これらの項目を評価することで、高齢者の生活機能低下の原因を早期に発見し、適切な介入につなげます。
2. **
誤答の分析 (Distractor Analysis)**:
混同注意! 他の選択肢はCGA7の評価項目ではありません。
① BMI (Body Mass Index) は栄養状態の指標の一つですが、CGA7では「栄養状態」として評価するのは体重減少の有無や食事摂取量であり、BMI単独ではありません。したがって、BMIはCGA7の直接的な評価項目ではありません。
③ 職業歴は高齢者の背景情報として重要ですが、CGA7の評価項目には含まれません。CGA7はあくまで現在の生活機能を評価するツールであり、過去の職業歴は評価対象外です。
④ 新機器の利用は、高齢者の生活適応能力を評価するための項目として考えられることもありますが、CGA7の標準的な項目には含まれていません。CGA7は基本的な生活機能(歩行、認知、意欲、ADL、栄養、服薬)に焦点を当てており、新機器の利用は評価項目として定められていません。
3. **
関連概念の整理 (Related Concepts)**:
高齢者総合機能評価 (CGA)は、医療・介護・生活の各側面を多職種チームで評価する包括的なアプローチです。CGA7はその簡易版であり、短時間でスクリーニングできるよう7項目に絞られています。混同しやすい概念として、
混同注意!「ADL評価尺度(Barthel Index, Katz Indexなど)」や「IADL評価尺度(Lawton Scaleなど)」がありますが、これらはCGAの一部であり、CGA7はこれらを含めた総合評価である点が異なります。
概念整理:
CGA7 (簡易版総合機能評価)は、高齢者の生活機能を7つの項目(歩行、認知、意欲、IADL、BADL、栄養、服薬)でスクリーニングするツールです。目的は、
フレイルやサルコペニアの早期発見と、
適切なケアプラン立案です。
一目で比較!:
| 評価ツール | 評価内容 | 特徴 |
|---|
| CGA7 | 歩行・認知・意欲・IADL・BADL・栄養・服薬の7項目 | 簡易スクリーニング 多職種連携の入り口 |
| Barthel Index | 基本的ADL (BADL) 10項目 | BADLに特化 点数化が容易 |
| Lawton Scale | 手段的ADL (IADL) 8項目 | 高齢者の生活自立度評価に特化 |
看護過程ポイント:
アセスメントでは、CGA7の各項目を評価し、特に低下している項目を特定します。
看護診断では、例えば「歩行能力低下」に対して「転倒リスク状態」や「身体可動性障害」などが考えられます。
計画・実施では、低下した機能に応じて、リハビリテーションや生活環境の調整、栄養指導、服薬管理指導などを行います。
評価では、介入後のCGA7再評価を行い、改善を確認します。
暗記のコツ: CGA7の7項目は「歩・認・意・手・基・栄・服」(ほ・にん・い・しゅ・き・えい・ふく)と覚えましょう。「
歩く、認知、意欲、手(IADL)、基(BADL)、栄養、服薬」の頭文字です。
国試頻出ポイント: CGA7は、高齢者の生活機能評価として頻出です。特に「意欲」と「ADL」は必ずセットで出題される傾向があります。また、CGAとCGA7の違い(CGAは包括的・多職種、CGA7は簡易スクリーニング)も問われることがあります。
出題パターン注意!: 「CGA7の評価項目を選べ」という単純な知識問題だけでなく、「高齢者が退院する際にCGA7を用いた評価が必要です。どのような情報を収集すべきですか?」という状況設定問題に発展することもあります。