核心解説
この問題は、
心電図 (Electrocardiogram, ECG) の基本である
心拍数 (Heart Rate) の算出方法 を問うています。記録速度が25mm/秒の場合、心電図上の時間とマス目の関係を正しく理解することが必須です。ここでは「300 ÷ RR間隔の太いマス目(5mm)の数」という簡易計算式を活用します。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 記録速度25mm/秒では、
5mm(太いマス目1つ)は0.2秒に相当します。心拍数(HR)は
300 ÷ RR間隔(太マス数) で概算できます。図のRR間隔は約3.2マス分(0.64秒程度)に見えるため、計算は 300 ÷ 3.2 ≒ 93.75 となり、
90/分以上、100/分未満 が最も適切です。これは洞調律(正常範囲のやや速い側)に該当します。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
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混同注意! ① 30/分以上50/分未満:これは明らかな
徐脈 (Bradycardia) の範囲です。RR間隔が非常に長い(6〜10マス以上)場合に該当しますが、図では間隔が短いため誤りです。
- ② 50/分以上70/分未満:やや徐脈傾向ですが、図のRR間隔(約3マス強)ではこの範囲に達しません。
- ③ 70/分以上90/分未満:正常範囲の中でも標準的ですが、計算値(約94/分)はこの範囲を超えています。
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混同注意! ⑤ 100/分以上110/分未満:これは
頻脈 (Tachycardia) の下限に近い数値です。RR間隔が約3マス未満(0.6秒未満)の場合に該当しますが、図はやや長いため不適切です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
心拍数の算出には以下の方法があります。
1.
300 ÷ RR間隔(太マス数)法:迅速な概算法。記録速度25mm/秒の場合に有効。
2.
6秒法:6秒間(30マス)のQRS波数を ×10 する方法。不整脈がある場合に推奨。
3.
1500 ÷ RR間隔(小マス数)法:より精密な計算。小マス(1mm = 0.04秒)を使用。
混同しやすいのは
混同注意! 「記録速度50mm/秒」の場合で、この時は5mmが0.1秒となり、計算式が変わります。問題文で記録速度を必ず確認しましょう。
概念整理
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心拍数算定の基礎:記録速度25mm/秒 → 1mm = 0.04秒、5mm(太マス)= 0.2秒、1秒 = 25mm、6秒 = 150mm(30マス)。
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主な計算式:300 ÷ RR間隔の太マス数(概算)、または 1500 ÷ RR間隔の小マス数(精密)。
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正常範囲:洞調律で
60〜100/分。
一目で比較!
| 心拍数 | RR間隔(太マス数) | 対応する状態 |
|---|
| 60/分 | 約5マス | 正常下限 |
| 75/分 | 4マス | 標準 |
| 100/分 | 3マス | 正常上限/頻脈傾向 |
| 150/分 | 2マス | 頻脈(例:発作性上室性頻拍) |
看護過程ポイント
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アセスメント:心電図モニターを装着した患者では、RR間隔の規則性と心拍数を経時的に評価。徐脈(100/分)の場合は原因(薬剤、電解質異常、酸素化不良など)をアセスメント。
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看護診断:「心拍出量減少のリスク(Risk for Decreased Cardiac Output)」や「組織灌流低下(Ineffective Tissue Perfusion)」に関連する可能性。
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介入:異常値を認めたら、バイタルサイン(血圧、SpO2)を同時に測定し、症状(めまい、胸痛、失神)の有無を確認。医師への報告(SBAR)を迅速に行う。
暗記のコツ
「300 ÷ マス数」は、「心電図(ECG)の計算、300で割る」と覚えましょう。RR間隔が「3マスなら100、4マスなら75」と、数字が丸くて覚えやすいです。不整脈の場合は6秒法(30マス×10)も併用すると良いでしょう。
国試頻出ポイント
- 記録速度(25mm/秒)の確認は必須。
- 簡易計算(300法)と正確な計算(1500法)の両方を理解しておく。
- 頻脈/徐脈の定義(100/分)と、それに伴う臨床症状(低血圧、意識障害など)の関連が頻出。
出題パターン注意!
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単純知識問題:心電図の記録速度が25mm/秒の場合、1マス(5mm)の時間は何秒か?→ 0.2秒
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状況設定問題:「心電図モニターで心拍数が50/分と表示された。患者は意識清明だが血圧80/50mmHg。看護師の対応として正しいのはどれか。」→ 徐脈による低血圧をアセスメントし、医師への報告と昇圧薬の準備を優先。