核心解説
この問題は、
急性細気管支炎 (Acute Bronchiolitis) による呼吸困難と経口摂取不良から、
脱水 (Dehydration) が進行している可能性が高い患児の入院時情報収集における優先順位を問うています。発熱・頻呼吸・経口摂取不良という病態から、水分バランスのアセスメントが最優先課題となります。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 本患児は発熱による不感蒸泄の増加、呼吸困難による頻呼吸と哺乳量減少により、
脱水 (Dehydration) のリスクが極めて高い状態です。脱水の程度を評価する上で最も重要な指標の一つが尿量であり、最終排尿の時間を確認することで、直近の尿量や排尿の有無を推測できます。入院後の点滴静脈内注射(輸液療法 (Fluid Therapy))の緊急性を判断するためにも、この情報は最優先で収集すべきです。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番の去痰薬の内服状況は、症状コントロールの評価には有用ですが、現在の生命の危機に直結する脱水の評価に比べると優先度は低くなります。③番の皮膚掻痒の有無は、アレルギー反応や蕁麻疹の確認に有用ですが、今回の主病態である呼吸困難や脱水とは直接関連が低い情報です。④番の排便の状況も重要ではありますが、脱水の評価では尿量の方がより直接的で鋭敏な指標となります。
関連概念の整理 (Related Concepts)
小児の脱水症の評価には、体重減少率、皮膚のツルゴール低下、口渇、眼窩陥凹、大泉門陥没(乳児の場合)、頻脈、尿量減少などがあります。特に
尿量 (Urine Output) は客観的かつリアルタイムな指標であり、乳児ではおむつの湿り具合や交換回数が重要な情報源となります。
概念整理:
小児の細気管支炎 (Bronchiolitis) における入院適応は、呼吸困難(SpO2低下、陥没呼吸、鼻翼呼吸)と経口摂取不良・脱水症状です。管理の中心は酸素療法と輸液療法であり、尿量のモニタリングは輸液の効果判定と腎血流維持の評価に不可欠です。
一目で比較!:
| 情報項目 | 評価の優先度 | 理由 |
|---|
| 最終排尿の時間 | 最優先 | 脱水の進行度を最も直接的に評価できる。 |
| 去痰薬内服状況 | 中程度 | 症状コントロールの評価にはなるが、急性期管理の優先順位は低い。 |
| 皮膚掻痒の有無 | 低い | 今回の病態とは関連が薄い。 |
看護過程ポイント:
アセスメント: 頻脈・口腔内乾燥・大泉門陥没の有無を観察。尿量(
正常: 1~2mL/kg/時)を評価。
看護診断: 「
体液量不足 (Deficient Fluid Volume)」または「
非効果的呼吸パターン (Ineffective Breathing Pattern)」が優先される。
計画・実施: 輸液速度の厳守、酸素投与下でのSpO2モニタリング、安静の確保。
評価: 尿量増加、バイタルサインの安定化、SpO2上昇。
暗記のコツ: 「脱水を疑ったら『最後に出たのはいつ?』が鉄則!」と覚えましょう。特に乳幼児では、尿量はバイタルサインと並ぶ重要なバイオマーカーです。
国試頻出ポイント: 脱水の評価指標(尿量、皮膚ツルゴール、体重減少率)と、輸液療法開始時の観察項目(尿量、呼吸状態、バイタルサイン)の優先順位は頻出です。また、RSウイルス細気管支炎は乳児の重症化リスクが高く、入院管理の基準(SpO2 92%未満、経口摂取不良など)も併せて押さえておきましょう。
出題パターン注意!: 単に「脱水の評価項目は?」と問うだけでなく、今回のように「入院直前に母親から収集する情報の優先度」として、状況設定の中で判断させる形で出題されます。看護師の臨床判断能力(Clinical Judgment)が問われる典型的なパターンです。