核心解説
この問題は、
乳幼児の神経反射 (Neonatal & Infantile Reflexes) の正常発達における「出現時期」と「消失時期」を問うています。生後10か月という月齢は、原始反射の多くが消失し、代わりに
姿勢反射 (Postural Reflexes) が出現・発達する時期です。
最重要! 乳児の神経学的発達評価では、「いつ出現し、いつ消失するか」を時系列で正確に理解することが必須です。
1.
核心概念の分析 (Key Concept): この問題のテーマは、乳幼児期の
神経発達のマイルストーンです。原始反射は大脳皮質の成熟に伴い消失し、代わりに
姿勢反射 (Landau反射、頸部右方反射など)が出現することで、乳児は寝返り、ずり這い、お座りといった粗大運動を獲得していきます。生後10か月は、
Landau反射 (Landau Reflex) が出現している時期(通常3~6か月で出現し、1~2歳で消失)に該当します。
2.
正解の根拠 (Answer Rationale): 正解は③
Landau(ランドー)反射 です。これは
原始反射ではなく姿勢反射に分類され、腹臥位で体幹を支えられると、頭部を挙上し、脊柱を伸展させる反射です。生後3~6か月頃に出現し、1~2歳頃まで持続するため、生後10か月の乳児に正常に観察される反射です。
3.
誤答の分析 (Distractor Analysis):
- ① 吸啜反射 (Sucking Reflex): これは
原始反射の一つで、出生直後から出現し、生後3~4か月頃までに消失します。生後10か月では
消失しているべき反射です。
混同注意!
- ② Moro(モロー)反射 (Moro Reflex): これも
原始反射で、新生児期に最も強く、生後3~4か月頃までに消失します。生後10か月ではみられません。
混同注意!
- ④ 探索(ルーティング)反射 (Rooting Reflex): これも
原始反射で、頬や口角を刺激すると顔をそちらに向けて口を開く反射です。生後3~4か月頃までに消失します。生後10か月ではみられません。
混同注意!
4.
関連概念の整理 (Related Concepts):
混同注意! 原始反射(吸啜反射、モロー反射、把握反射、探索反射、バビンスキー反射など)は全て
生後3~6か月までに消失するものと、姿勢反射(Landau反射、頸部右方反射、パラシュート反射など)は
生後3~6か月以降に出現し、小児期まで持続するものに大別されます。この「出現・消失時期」のパターンをしっかり区別しましょう。
概念整理:
| 反射の種類 | 出現時期 | 消失時期 |
|---|
原始反射 (Primitive Reflexes) 例: Moro反射、吸啜反射、探索反射 | 出生直後 | 生後3~6か月 |
姿勢反射 (Postural Reflexes) 例: Landau反射 | 生後3~6か月 | 1~2歳頃 |
一目で比較!:
| 反射名 | 刺激方法 | 反応 |
|---|
| 吸啜反射 | 口唇を刺激 | 吸啜運動を行う |
| Moro反射 | 頭部を急に後方へ倒す | 上肢を伸展→屈曲し、抱きつく動作 |
| Landau反射 | 腹臥位で体幹を支える | 頭部・脊柱を伸展する |
| 探索反射 | 頬や口角を刺激 | 顔をそちらに向け、口を開く |
看護過程ポイント: 乳幼児の神経発達評価は
小児看護のアセスメントの基本です。健診や入院中の観察で、各月齢に応じた反射の有無を確認します。反射が消失すべき時期に残存している(例: 1歳児にMoro反射がみられる)場合は、神経学的異常の可能性を疑い、医師へ報告する必要があります。
暗記のコツ: 「
3か月が境目」と覚えましょう!原始反射(モロー、吸啜、探索、把握)はほぼ全て
生後3~4か月で消失します。一方、Landau反射は「
Landau = Land(地面)+ A(上向き)」とイメージし、腹臥位で頭を上げる反射なので、這う準備(生後3~6か月)で出現すると記憶しましょう。
国試頻出ポイント: 看護師国家試験では、健診場面や発達評価の問題として、「生後○か月の乳児にみられる反射はどれか」という
単純知識問題が頻出です。また、最近は
状況設定問題(事例問題)として、発達遅延のアセスメントに発展して出題されることもあります。
出題パターン注意!: 単純な「反射名と時期」の暗記に加え、
反射が消失しない場合の病態(例: 脳性麻痺で原始反射が残存)や、
反射の組み合わせ(例: 「Landau反射がみられる」という情報から、何か月の乳児かを逆算する)といった応用問題も出題される可能性があります。