成人の上腕での触診法による血圧測定で適切なのはどれか。 | MyMerci
一般・状況設定問題
問題

成人の上腕での触診法による血圧測定で適切なのはどれか。

解説
成人の標準的なマンシェットの幅は13〜15cm程度が適切です。減圧は1拍動(約1秒)ごとに2〜3mmHg程度の速さで行い、加圧は拍動消失点からさらに20〜30mmHg行います。

詳細解説

核心解説 この問題は、成人の上腕での触診法による血圧測定(Palpatory Method of Blood Pressure Measurement)の手順を問うています。血圧測定は、基礎看護技術(Fundamental Nursing Skills)の核心であり、正確な測定値を得るためには正しい手順と機器の選択が不可欠です。特に、カフ(マンシェット)のサイズ選択、加圧の程度、減圧速度は測定値の信頼性に直結するため、看護師国家試験でも頻出のテーマです。 正解の根拠(Answer Rationale) 正解は②番です。マンシェット(カフ)の幅は、成人の標準的なサイズとして13~17cm(一般的には13~15cm程度)のものが適切とされています。カフの幅が上腕周囲長に対して狭すぎると血圧が高く、広すぎると低く測定されるため、適切なサイズ選択は正確な測定のために最重要です。 誤答の分析(Distractor Analysis) 混同注意! ①番:ゴム嚢中央は上腕の正中線(内側)ではなく、上腕動脈(Brachial Artery)の拍動が最も強く触知できる位置に合わせます。正中線は神経や静脈の走行が主であり、動脈の位置と必ずしも一致しません。 ③番:減圧速度は、1拍動(約1秒)につき2~3mmHgが適切です。1秒ごとに10mmHgは速すぎて、真の収縮期血圧を正確に捉えられず、測定値が低くなりやすいため誤りです。 ④番:動脈の拍動が触知できなくなった値(収縮期血圧の推定値)から、さらに20~30mmHg加圧するのが適切です。40mmHg加圧は必要以上であり、患者に過度な圧迫による不快感や痛みを与え、正確な測定の妨げになる可能性があります。 関連概念の整理(Related Concepts) 触診法は、聴診法(Auscultatory Method)でコロトコフ音(Korotkoff Sounds)が聴取しにくい場合や、救急現場などで収縮期血圧を迅速に把握するために用いられます。触診法では拡張期血圧の測定が困難であるため、あくまでスクリーニング的な方法であることを理解しておきましょう。また、カフサイズの選択は、小児や肥満患者では特に重要です。
概念整理: 血圧測定(Blood Pressure Measurement)の基本は、適切なカフサイズ正しい加圧(拍動消失点+20~30mmHg)、適切な減圧速度(1拍動につき2~3mmHg)の3点です。
一目で比較!:
項目触診法(Palpatory Method)聴診法(Auscultatory Method)
測定可能な値収縮期血圧のみ収縮期・拡張期血圧
利点音が聞こえにくい環境でも測定可能最も標準的な方法で精度が高い
欠点拡張期血圧が不明聴診環境や聴力に影響される

看護過程ポイント: アセスメント(Assessment)段階では、患者の安静状態、測定部位の確認、カフサイズの適正評価が重要です。計画(Planning)では、患者への説明と協力の確保、観察(Observation)では、測定中の患者の表情や苦痛の有無を観察します。
暗記のコツ: 「カフの幅は13~17cm(成人標準)」と「減圧は1秒に2~3mmHg(ゆっくり)」はセットで覚えましょう。「拍動消失+20~30mmHg」も「2(秒)3(mmHg)20(mmHg)30(mmHg)」と数字が続くのでゴロ合わせで覚えると良いです。
国試頻出ポイント: 血圧測定の誤った手順(特にカフサイズ、減圧速度、加圧レベル)を選択させる問題は毎年のように出題されます。また、測定値に影響を与える因子(カフの大きさ、巻き方の緩急、腕の高さなど)と組み合わせた出題も多いです。
出題パターン注意!: 近年は「正しい手順を選べ」という単純な知識問題だけでなく、事例問題として「意識障害患者への救急対応での触診法の適用」や「高齢者・小児など測定条件が異なる事例」での応用問題が出題されています。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ(Clinical Scenario) 夜勤帯、70代男性患者が「頭が痛い、気分が悪い」とナースコール。訪室すると顔面紅潮、イライラした様子です。既往に高血圧(Hypertension)があり、内服を自己中断している可能性が疑われます。あなたはまず血圧測定を試みますが、聴診器がすぐに見つからず、触診法で収縮期血圧を迅速に把握する必要があります。 看護介入と判断戦略(Nursing Intervention & Clinical Judgment) 1. 観察(Observation):患者の全身状態、意識レベル、苦痛の程度を評価。カフを上腕に巻き、上腕動脈の拍動を触知。 2. アセスメント(Assessment):拍動が触れなくなったらその値を推定収縮期血圧として記憶。そこからさらに約20~30mmHg加圧。 3. 介入(Intervention):加圧後、徐々に減圧(1拍動2~3mmHg)しながら拍動が再び触れた時点の値を収縮期血圧として記録。同時に、顔色や会話、SpO2など全身状態をモニタリング。 4. 評価(Evaluation):測定後、すぐに医師へ報告。収縮期血圧が180mmHg以上であれば、高血圧緊急症(Hypertensive Emergency)の可能性も考慮し、より詳細な評価と治療介入を促します。 患者安全・注意事項(Patient Safety & Precautions) - 測定部位の確認:マンシェットは必ず裸の上腕に直接巻き、衣服の上から測定しない。 - 感染対策:測定器具は患者専用または使用後はアルコール綿で消毒。 - 患者の状態:痛みや不安を訴える場合は、測定を一時中断し、理由を説明して協力を得る。 - 誤差の原因:カフの位置が心臓の高さより高いと低く、低いと高く測定されるため、心臓と同じ高さ(第4肋間高)に保つ。
看護プロトコル: 観察項目(血圧値、脈拍、呼吸、SpO2、顔色、意識レベル)、報告基準(SBAR:Situation(状況)、Background(背景:既往歴・内服状況)、Assessment(アセスメント:推定収縮期血圧値・全身状態)、Recommendation(推奨:医師への報告指示))、記録のポイント(測定方法[触診法]、使用したカフサイズ、測定値、患者の反応)。
先輩看護師の一言: 「血圧測定は、一見簡単そうに見える看護技術ですが、実は多くの落とし穴があるんです。『たかが血圧、されど血圧』。患者さんの状態に合わせて、触診法と聴診法を臨機応変に使い分けられる看護師になりましょう!特に救急や夜勤帯では、聴診器がなくても触診で迅速に血圧を把握するスキルが、患者さんの安全を守る力になりますよ!」

重要概念

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