診療記録で正しいのはどれか。 | MyMerci
一般・状況設定問題
問題

診療記録で正しいのはどれか。

解説
診療記録等には、医師の診療録(カルテ)のほか、看護記録や検査記録が含まれます。法律による保存義務は診療録が5年、看護記録などが2年です。

詳細解説

核心解説 この問題は、診療記録 (Medical Records) の定義と法的な取り扱いに関する知識を問うています。診療記録は、医療法や関連法規でその範囲、保存期間、開示請求権などが厳格に定められており、看護師として正しく理解しておくことが不可欠です。特に「何が診療記録に含まれるか」という基本は、国試でも頻出のポイントです。

1. 核心概念の分析 (Key Concept)
診療記録は、患者の診療経過、検査結果、看護ケアの内容などを記録した一連の文書の総称です。医療法第21条では「病院、診療所又は助産所の管理者は、当該病院、診療所又は助産所の診療又は助産に関する諸記録を、政令の定めるところにより、整備しなければならない」と定められています。この「諸記録」には、医師の作成する診療録(カルテ)だけでなく、看護師が作成する看護記録、検査技師が作成する検査記録、薬剤師が作成する薬剤記録など、多職種が関わる全ての記録が含まれます。

2. 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 正解は①番「看護記録が含まれる」です。診療記録は診療録(カルテ)のみを指す狭義の概念ではなく、看護記録、検査記録、手術記録、画像診断記録、注射・処置記録など、診療・看護に関わる一連の記録の総称です。したがって、看護記録は診療記録の一部として明確に位置づけられています。

3. 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ②番「開示は保健所長が行う」は誤りです。診療記録の開示は、原則として診療記録を管理している医療機関の長(病院長など)が行います。患者からの開示請求があった場合、医療機関は遅滞なく開示する義務があります。保健所長が開示するのは、感染症法に基づく調査など、特定の公的な場面に限られます。

③番「1年間の保存義務がある」も誤りです。医療法施行令で定められた診療記録の保存期間は、診療録(カルテ)は5年間、看護記録や検査記録などのその他の診療記録は2年間の保存義務があります。1年間はあまりに短く、誤った数字です。

④番「閲覧は患者本人に限られる」も誤りです。診療記録の開示(閲覧)請求権は患者本人にありますが、患者の死後は遺族も請求できます。また、患者本人が未成年者や成年被後見人の場合は、法定代理人が代わって請求できます。さらに、患者本人の委任状があれば、弁護士など第三者も閲覧が可能です。

4. 関連概念の整理 (Related Concepts)
診療記録の法的な位置づけとして、最重要! 診療記録は医療訴訟の証拠となりうる重要な法的文書です。また、診療報酬請求の根拠としても必須であり、「記録がない=ケアをしていなかった」とみなされる可能性があるため、正確で丁寧な記録が求められます。開示請求の際の「不開示事由」として、他の患者や第三者のプライバシーを侵害するおそれがある場合なども併せて覚えておきましょう。

概念整理: 診療記録の範囲は「診療録」よりも広く、看護記録、検査記録、手術記録、画像診断記録、注射・処置記録、体温表、看護計画書、退院時サマリーなど、診療・看護に関わる全ての記録を含む。

一目で比較!:
項目診療録(カルテ)その他の診療記録(看護記録等)
作成者医師看護師、検査技師、薬剤師など多職種
保存期間(医療法施行令)5年間2年間


看護過程ポイント: 診療記録は看護過程の評価段階で活用する重要な情報源です。記録の内容は看護診断の根拠、看護介入の評価、他職種との連携に不可欠であり、正確性、客観性、継続性が求められます。SOAP(Subjective, Objective, Assessment, Plan)形式での記録が一般的です。

暗記のコツ: 「カルテは医師のもの。診療記録はチームのもの。」と覚えましょう。また、保存期間は「医師(5年)は看護師(2年)より長く記憶する(保存する)」というゴロで覚えると便利です。

国試頻出ポイント: 診療記録の定義(何が含まれるか)、保存期間(5年/2年)、開示請求の主体(患者本人、遺族、法定代理人、委任状による第三者)、診療記録と診療録の違いは、ほぼ毎年何らかの形で出題される超頻出項目です。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 1. 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
あなたは外科病棟で働く看護師です。受け持った患者(70代男性、大腸癌術後)の看護記録を作成中、先輩看護師から「この記録、主観的情報(患者さんの言葉)と客観的情報(看護師の観察所見)が混ざっていて分かりにくいよ。診療記録として後で証拠能力が問われることもあるから、もう一度整理して書き直してみて」と指導を受けました。あなたはどのように記録を修正すべきでしょうか?

2. 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
最重要! 診療記録は「観察したこと」と「判断したこと」を分けて記録する必要があります。
- 観察 (Observation): 「患者は『お腹が張って痛い』と表情をゆがめて訴えた。腹部は膨満しており、打診で鼓音が優位であった。」(主観+客観を明確に分ける)
- アセスメント (Assessment): 「術後イレウスの可能性が考えられる。」(根拠に基づく判断)
- 報告・介入 (Report & Intervention): 「医師に報告し、指示に基づき胃管を挿入し低圧持続吸引を開始した。」
- 評価 (Evaluation): 「胃管挿入後、500mlの黄緑色排液あり。患者の腹部膨満感は軽減した。」

3. 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
診療記録は医療訴訟における最重要証拠です。記録の改ざんや事後的な追記(遡及記録)は、民事・刑事両面で重大な責任を問われます。また、誤った記録を発見した場合は、訂正線(二重線)を引いて訂正印を押し、正しい内容を追記するというルールを厳守します(修正液や修正テープの使用は絶対禁止)。個人情報保護の観点から、診療記録は施錠されたキャビネットやパスワード管理された電子カルテで厳重に管理します。

看護プロトコル: 記録は「何を(What)」「いつ(When)」「誰が(Who)」「どのように(How)」観察・実施したかが明確になるよう記載する。SOAP形式や経過記録(POMR)を活用し、客観的事実(O)と主観的情報(S)を混同しない。医師への報告はSBAR(Situation, Background, Assessment, Recommendation)を用いると記録もスムーズになる。

先輩看護師の一言: 「診療記録は患者さんの治療経過の全てが詰まった『宝物』です。同時に、自分の看護を守る『盾』にもなります。『記録がない=ケアをしていない』という現実を忘れずに、常に法的な視点を持って、正確で客観的な記録を心がけましょう。特に『なぜそう判断したのか(アセスメント)』を書ける看護師は、本当に信頼されますよ!」

重要概念

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