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一般・状況設定問題
問題
身体的フレイルの評価基準はどれか。2つ選べ。
1
視力低下
2
体重減少
✓ 正解
3
聴力低下
4
歩行速度の低下
✓ 正解
5
腸蠕動運動の低下
解説
身体的フレイルの診断基準(J-CHS基準など)には、①体重減少、②筋力低下(握力)、③疲労感、④歩行速度の低下、⑤身体活動量の低下の5項目が含まれます。
詳細解説 核心解説
この問題は、高齢者看護において重要な概念である身体的フレイル (Physical Frailty) の評価基準を問うています。フレイル (Frailty) とは、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、ストレスに対する脆弱性が亢進した状態を指します。日本で広く用いられるJ-CHS基準 (Japanese version of the Cardiovascular Health Study criteria) では、以下の5項目のうち3つ以上該当でフレイル、1~2つ該当でプレフレイルと判定します。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! J-CHS基準の5項目は以下の通りです。
① 体重減少 (意図しない年間2~3kg以上の体重減少)
② 筋力低下(握力低下:男性
臨床シナリオ 臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)
75歳男性、外来通院中。最近3ヶ月で体重が3kg減少し(意図せず)、「階段を上るのが以前よりきつくなった」「何をするのも面倒だ」と訴えています。握力は右18kg、左16kg。通常歩行速度は0.8m/秒。J-CHS基準で評価すると、体重減少・握力低下・疲労感・歩行速度低下の4項目該当でフレイル (Frailty) と判定されました。
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察・アセスメント : フレイル該当項目を確認。栄養状態(食事摂取量、嗜好、咀嚼・嚥下機能)、身体活動量(具体的な活動内容、外出頻度)、心理状態(うつ傾向の有無:GDS-15など)、社会参加状況(家族との交流、趣味の有無)、内服状況(ポリファーマシーの有無)を包括的に評価。
2. 報告・連携 (SBAR) : 「S: 本日、J-CHS基準でフレイルと判定された75歳男性。B: 3ヶ月で3kgの体重減少、握力・歩行速度低下あり。A: フレイル状態であり、栄養指導と運動指導が必要と考える。R: 管理栄養士・理学療法士への紹介と、フレイル予防プログラムの開始を提案します。 」
3. 介入 : 栄養指導(1日あたり体重1kgあたり1.2~1.5gのたんぱく質摂取目標、ビタミンD・カルシウムの補給)、運動指導(週2回以上のレジスタンス運動・有酸素運動、バランス訓練)、口腔ケアの強化、社会参加の機会(地域のサロン・体操教室)の情報提供。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 転倒リスク : 歩行速度低下・筋力低下があるため、転倒予防の環境整備(手すり設置、段差解消、滑りにくい床材)と、運動開始時は見守りが必要。
- 低栄養リスク : 急激な体重減少は免疫力低下・創傷治癒遅延・筋力低下を悪化させるため、栄養状態の定期的なモニタリング(血清アルブミン値、BMI)が必須。
- 混同注意! フレイルと認知症 (Dementia) は異なる概念。フレイルは身体的脆弱性が主体だが、認知機能低下を伴う場合は「認知機能障害を伴うフレイル」としてより注意深い対応が必要。
看護プロトコル
- 観察項目 : 体重(毎月測定)、握力(3ヶ月毎)、歩行速度(3ヶ月毎)、食事摂取量(3日間の食事記録)、身体活動量(IPAQ簡易版など)、内服状況(薬剤数・服薬アドヒアランス)
- 報告基準(SBAR) : フレイル新規該当時、体重減少が加速した時、転倒発生時
- 記録のポイント : J-CHS基準の各項目の該当状況、介入内容とその反応、患者・家族の理解度と意向
先輩看護師の一言
「フレイルは『まだ元気だけど、ちょっと気になる』という高齢者を早期にキャッチするための大事な概念です!国試ではJ-CHS基準の5項目をまず暗記。でも、現場では『体重が減った』『歩くのが遅くなった』という患者さんの言葉や家族の気づきが何よりのヒント。『なんとなく元気がないな』というアセスメントも大切にして、積極的にスクリーニングしてみてくださいね。フレイルは介入で改善できる、希望のある状態です!」
重要概念
フレイル — 健康と要介護の中間状態。ストレス脆弱性が亢進し、適切な介入で可逆的。
J-CHS基準 — 身体的フレイル評価の国際標準基準。5項目中3以上でフレイル判定。
サルコペニア — 加齢による筋力・筋肉量低下。フレイルの身体的重要構成要素。
老年症候群 — 加齢に伴う多因子症候群。転倒・失禁・せん妄・視聴覚障害などを含む。
ロコモティブシンドローム — 運動器機能低下。フレイル・サルコペニアと概念が重複。
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