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周産期にある人と家族の看護
問題
分娩第1期の産婦に対する看護として最も適切なのはどれか。
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1
水分摂取は禁止し、脱水予防のために静脈输液を行う。
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2
子宮収縮の間欠期に休息がとれるよう環境を整える。
✓ 正解
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3
疼痛緩和のために、硬膜外麻酔の適応を医師に相談する。
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4
内診の頻度を高め、子宮口開大度を詳細に評価する。
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5
分娩の進行を促すため、早期からの腹圧を促す。
解説
分娩第1期では、子宮収縮の間欠期に産婦が休息・リラックスできるように環境を整えることが重要である。腹圧は分娩第2期に入ってから促す。水分摂取は許可されることが多く、内診は感染リスクや産婦の負担を考慮し必要時に行う。
同じテーマの次の問題分娩第1期の定義として正しいものはどれか。
詳細解説
核心解説
この問題は、分娩第1期 (First Stage of Labor) の産婦に対する看護の優先順位を問うています。分娩第1期は子宮口開大期 (Cervical Dilation Stage) であり、陣痛と陣痛の間の間欠期にいかに体力を温存し、休息を取らせるかが看護の鍵となります。分娩はマラソンに例えられ、特に初産婦では平均10~12時間と長時間に及ぶため、この時期にエネルギーを消耗し過ぎると、娩出期(第2期)に必要な腹圧がかけられなくなり、遷延分娩や胎児機能不全のリスクが高まります。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! ②「子宮収縮の間欠期に休息がとれるよう環境を整える」が正解です。分娩第1期の看護の基本は、産婦のエネルギー保存 (Energy Conservation) です。照明を落とす、静かな環境を保つ、クッションやタオルケットで安楽な姿勢をサポートする、陣痛発作時には呼吸法に合わせて声かけを行うなど、産婦がリラックスできる環境を整えることが最優先です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
① 混同注意! 水分摂取は一般的に許可されることが多く、分娩が遷延した場合の脱水予防として経口摂取が推奨されます(無痛分娩や母体合併症がある場合を除く)。絶対的な水分禁止は適切ではありません。
③ 硬膜外麻酔 (Epidural Anesthesia) は産婦の希望や疼痛の程度、医療施設の体制に応じて医師と相談する選択肢の一つですが、すべての産婦に初期から推奨されるわけではありません。まずは非薬物的な疼痛緩和(呼吸法、マッサージ、体位変換など)を優先します。
④ 混同注意! 内診 (Vaginal Examination) は子宮口開大度や児頭の下降度を評価するために必要ですが、頻回に行うと感染リスク (Infection Risk) を高め、産婦に不快感やストレスを与えます。内診は分娩経過に応じて必要最小限とします。
⑤ 腹圧 (Bearing Down / Pushing) は、子宮口が全開大(約10cm)となる分娩第2期 (Second Stage of Labor) になってから促すものです。第1期に腹圧をかけると、子宮頸部の裂傷や産婦の早期疲労、子宮口の浮腫を引き起こす可能性があります。
関連概念の整理 (Related Concepts)
分娩第1期はさらに潜伏期 (Latent Phase) と活動期 (Active Phase) に分けられます。潜伏期は子宮口開大3~4cm程度までで、比較的陣痛間隔が長く、穏やかに経過します。活動期は開大4~5cm以降で陣痛の間隔が短くなり、疼痛も強くなります。看護師は分娩進行曲線 (Partograph / Friedman's Curve) を用いて経過をアセスメントし、異常があれば早期発見・早期対応を行う責任があります。
概念整理: 分娩第1期 = 子宮口開大期。最優先看護は「産婦のエネルギー温存と休息支援」。非薬物的疼痛緩和(呼吸法・リラクゼーション)を基本とし、環境調整が鍵。
一目で比較!: 分娩第1期(腹圧禁止、休息優先) vs 分娩第2期(腹圧許可、娩出介助) vs 分娩第3期(胎盤娩出確認、子宮収縮確認)。
看護過程ポイント: アセスメント(陣痛周期・強度、子宮口開大度、胎児心拍数パターン、産婦の疲労度・水分摂取状況)→ 看護診断(疲労、不安、疼痛、非効果的な対処)→ 介入(環境調整、マッサージ、体位変換、経口水分補給の励行、産婦と家族への説明と心理的支援)→ 評価(休息が取れているか、バイタルサイン・胎児心拍が安定しているか)。
暗記のコツ: 「産婦はマラソンランナー。第1区(第1期)で飛ばし過ぎると、第2区(第2期)でバテる!」と覚えましょう。休息を取らせることが、結果的に安全な分娩につながります。
国試頻出ポイント: 分娩各期の定義(子宮口開大度)、各期の看護の優先順位、腹圧の開始時期、内診の適切な頻度、無痛分娩の適応と看護。また、経産婦の方が初産婦よりも分娩時間が短いことも併せて出題されます。
出題パターン注意!: 状況設定問題(事例問題)で、「30代初産婦、陣痛開始から10時間、子宮口開大6cm、強い陣痛に苦痛を訴えている」のようなケースで、看護師の対応として正しい選択肢を選ばせるパターンが頻出です。選択肢に「腹圧を促す」「硬膜外麻酔の準備を始める」などの誘導が入るため、基本をしっかり押さえておきましょう。
臨床シナリオ
臨床実践ガイド
- 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 28歳初産婦、妊娠40週。午前8時より規則的な陣痛が始まり、午後1時に入院。子宮口開大4cm、児頭はSP-1、胎児心拍数陣痛図 (CTG) は反応性良好。産婦は「痛い…痛い…もう無理」と強い不安と疼痛を訴え、呼吸が浅く速くなっています。看護師としてどのようにアセスメントし、介入すべきでしょうか?
- 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! まずは陣痛周期を確認し、発作時と間欠期を明確に区別します。発作時は産婦のそばに寄り添い、一緒に「フーッ」と息を吐く呼吸法(緩徐呼気法)を促します。間欠期には「よく頑張りましたね。今はお休みの時間ですよ」と声をかけ、タオルで汗を拭いたり、背中をさすったりしてリラックスを促します。産婦の希望があれば、軽い飲み物(経口補水液やスポーツドリンクなど)を提供し、排尿の確認も行います。CTGモニターで胎児心拍数と陣痛のパターンを継続観察し、異常波形(遅発一過性徐脈 (Late Deceleration)、変動一過性徐脈 (Variable Deceleration))がないかをチェックします。
- 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 分娩中の急変(常位胎盤早期剥離、臍帯脱出、子宮破裂など)は生命に関わるため、異常出血、突然の強い持続性腹痛、胎児心拍数の著しい低下 などに常に注意します。感染対策として、内診や処置の前後には手指衛生を徹底します。また、産婦の羞恥心やプライバシーに配慮し、カーテンやタオルケットで露出を最小限にします。
看護プロトコル: 観察項目(陣痛周期・強度・持続時間、子宮口開大度・展退度、児頭下降度、胎児心拍数パターン、産婦のバイタルサイン・疼痛スケール(NRS/VAS)・排尿状態・水分摂取量)。報告基準(SBAR):Situation(開大〇cm、陣痛周期△分)、Background(初産、妊娠経過良好)、Assessment(疼痛が強く、呼吸が浅く速い、胎児心拍は反応性良好)、Recommendation(間欠期の休息確保と呼吸法の指導を継続、医師の診察を依頼しますか?)。
先輩看護師の一言: 「分娩第1期は、産婦さんにとって未知の痛みとの闘いです。『痛い』という訴えは、『助けて』のSOS。私たちは、間欠期にしっかり休める環境を作り、産婦さんが自分でコントロールできるという感覚(自己効力感)を取り戻せるように支援することが大切です。陣痛は産婦さん一人では乗り越えられない波。看護師が伴走者となって、波の合間の休息をしっかりサポートしましょう!」
重要概念
- 分娩第1期 — 規則的な子宮収縮の開始から子宮口が全開大(約10cm)になるまでの期間。子宮口開大期とも呼ばれ、潜伏期と活動期に分けられる。
- 間欠期 — 子宮収縮(陣痛)と次の収縮の間の休息期。この時期に産婦が休息を取れるよう支援することが看護の重要ポイント。
- 腹圧 — 分娩第2期に、子宮収縮に合わせて意図的に腹筋を使って力を入れる行為(いきみ)。第1期での腹圧は禁忌。
- 内診 — 医師または助産師が腟内に指を挿入し、子宮口の開大度・展退度、児頭の下降度、膜の状態などを評価する診察。感染予防のため必要時に行う。
- 胎児心拍数陣痛図 — 分娩中の胎児心拍数と子宮収縮を同時に記録・監視する装置。胎児の状態を評価し、胎児機能不全の早期発見に不可欠。
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