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周産期にある人と家族の看護
分娩第2期において、児頭が腟口から見え隠れする状態を何というか。
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1
発露
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2
着冠
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3
回旋
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4
下降
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5
排臨
✓ 正解
解説
排臨(はいりん)は、分娩第2期にいきみによって児頭が腟口から見えるようになるが、いきみを休めると腟内に戻ってしまう状態をいう。発露(はつろ)は、児頭が腟口に固定され、いきみを休めても戻らなくなった状態を指す。
同じテーマの次の問題分娩第1期の定義として正しいものはどれか。この問題が収録された問題集母性看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、分娩第2期 (Second Stage of Labor)における重要な観察用語を問うています。児頭の下降と回旋の進行度を正確に評価することは、分娩の進み具合を判断し、適切なタイミングで助産ケアや看護介入を行うために必須の知識です。分娩第2期では、子宮口が完全開大(10cm)した後、児頭が産道を下降・回旋しながら、最終的に娩出されます。この一連の過程における「児頭の見え方」には、混同注意!「排臨」と「発露」という2つの段階があります。
核心概念の分析 (Key Concept): この問題は、分娩機序 (Mechanism of Labor)の中でも、特に「排臨 (Bearing-down)」と「発露 (Crowning)」という用語の正確な定義と、臨床における鑑別を理解しているかを問うています。排臨は、いきみによって児頭が腟口に見えるが、いきみの間欠期に腟内に戻ってしまう状態です。一方、発露は、児頭が腟口に固定され、いきみを休めても腟口から見えたまま戻らなくなる状態を指します。
正解の根拠 (Answer Rationale): 問題文「児頭が腟口から見え隠れする状態」は、まさに排臨 (Bearing-down)の定義そのものです。いきみに応じて児頭が進んだり戻ったりする不安定な状態であり、この段階ではまだ分娩が間近ではないと判断できます。正解は⑤番の「排臨」です。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
①番「発露」は、排臨の次の段階で、児頭が固定された状態です。「見え隠れ」ではなく、見えたまま戻らない状態です。
②番「着冠」は、日本語ではあまり使用されない用語ですが、発露とほぼ同義で用いられることがあります。問題文の「見え隠れ」の状態ではありません。
③番「回旋」は、児頭が産道内でその向きを変える運動そのものを指し、腟口からの見え方を表現する用語ではありません。
④番「下降」は、児頭が産道内を骨盤入口から出口へと降りてくる一連の動きを指し、特定の見え方を表すものではありません。
関連概念の整理 (Related Concepts): 分娩機序(第1回旋:屈曲、第2回旋:内回旋、第3回旋:伸展、第4回旋:外回旋)と排臨・発露のタイミングを関連付けて覚えると良いでしょう。排臨は主に児頭の伸展(第3回旋)が始まる時期に観察され、発露は伸展が完了し、後頭部が恥骨弓下に固定された状態です。
概念整理: 分娩第2期の児頭下降過程:下降(産道内を降りる)→ 排臨(いきみで見え隠れ)→ 発露(いきみを休めても戻らない固定)→ 娩出。
一目で比較!: | 項目 | 排臨 (Bearing-down) | 発露 (Crowning) |
|---|
| 定義 | いきみで児頭が見え、休むと戻る | 児頭が固定され、休んでも戻らない |
| 児頭の状態 | 不安定、まだ戻る可能性あり | 固定され、娩出直前 |
| 臨床的意味 | 分娩はまだもう少し続く | 次回のいきみで娩出の可能性大 |
看護過程ポイント: 排臨の段階では、母体のいきみの指示と呼吸法の指導が重要です。まだ児頭が固定されていないため、早期にいきみすぎると会陰裂傷や児頭の急激な下降による胎児心拍数の変動を引き起こすリスクがあります。
暗記のコツ: 「排臨=排便の『排』、いきんで出そうになるけど戻るイメージ」と覚えましょう。「発露=『発』は『出る』、露は『あらわれる』、出たまま戻らないイメージ」です。
国試頻出ポイント: 排臨と発露の鑑別は、分娩期の看護(母性看護学)で毎年必ずといって良いほど出題されます。定義を正確に覚えるだけでなく、「この状態のときに看護師は何をすべきか」という応用問題に発展することも多いため、病態とケアの関連を理解しておきましょう。
出題パターン注意!: 「分娩第2期の経過で、児頭が腟口に見え隠れする状態です。看護師はまず何を確認すべきですか?」というように、用語の知識とその後のアセスメントを組み合わせた問題が出題される可能性があります。
臨床実践ガイド
分娩室での実際の場面を想定しましょう。
臨床シナリオ (Clinical Scenario): 経産婦の30代女性が、分娩第2期に入り、いきみが始まりました。内診では子宮口は全開大。助産師が「児頭が見えてきましたよ」と声をかけています。あなたは新人看護師で、この産婦のバイタルサインと胎児心拍数のモニタリングを担当しています。産婦は「もう出る!」と強い痛みを訴え、いきみを入れています。
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): まず、観察すべきは児頭の見え方の状態(排臨か発露か)です。もし排臨(いきみで見え隠れ)であれば、分娩はまだもう少し時間がかかると予測できます。以下の対応を行います。1. 観察: いきみの間欠期に児頭が腟口から完全に隠れるかどうかを確認します。同時に、胎児心拍数モニター(CTG)で基線細変動や遅発一過性徐脈の有無を確認。2. アセスメント: 排臨の状態では、子宮収縮に合わせたいきみが重要です。母体が過度にいきみすぎていないか、会陰部の緊張が強すぎないかを評価。3. 介入: 産婦に「いきみはお腹が張っているときだけでいいですよ。休むときは、口を開けて『ハッハッ』と息を吐いてリラックスしましょう」と呼吸法を指導します。4. 評価: 次のいきみで児頭の進行が順調か、胎児心拍数に異常がないかを継続観察。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): ⚠️ 排臨の段階で過度ないきみを指示すると、急激な児頭下降による臍帯脱出 (Umbilical Cord Prolapse)や、母体の会陰裂傷 (Perineal Laceration) のリスクが高まります。また、母体の疲労が蓄積すると分娩進行が停滞する可能性があるため、適切な呼吸法による休憩の確保が重要です。
看護プロトコル: 分娩第2期の観察項目は、バイタルサイン(血圧、脈拍)、子宮収縮の頻度と持続時間(触診またはトコグラム)、胎児心拍数(CTG)、児頭の下降度(排臨/発露)、母体の全身状態(疲労、発汗、表情)です。記録には、観察時刻、いきみの状態、児頭の見え方、対応したケア内容を具体的に記載します。医師や助産師への報告はSBAR(状況-背景-アセスメント-推奨)を用います。
先輩看護師の一言: 「分娩第2期は母体にとって最も辛い時期です。でも、看護師が『排臨』と『発露』の違いを正確に理解していれば、『もうすぐですよ!』というタイミングを適切に伝えられ、産婦さんの不安を大きく減らすことができます。用語を覚えるだけでなく、実際にどんな状態なのかをイメージできるようになりましょう!」
- 排臨 — 分娩第2期に、いきみによって児頭が腟口に見え隠れする状態。いきみの間欠期には腟内に戻る。
- 発露 — 分娩第2期に、児頭が腟口に固定され、いきみを休めても戻らなくなる状態。娩出直前。
- 分娩機序 — 児頭が産道を通過するために行う一連の運動(下降、屈曲、内回旋、伸展、外回旋など)のこと。
- 分娩第2期 — 子宮口が完全開大(全開大)してから、児が娩出されるまでの期間。
- 会陰裂傷 — 分娩時に会陰部が裂ける損傷。急激な児頭下降や過度ないきみでリスクが高まる。
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