核心解説
この問題は、
分娩監視装置 (Cardiotocography, CTG) の基本的な測定原理を問うています。
分娩監視装置では、子宮収縮の強さ(トーヌス)を子宮内圧 (Intrauterine Pressure) として測定します。 この装置には、母体の腹部に装着して子宮収縮の頻度と持続時間を測定する外測法(External Tocography)と、子宮内にカテーテルを挿入して直接圧を測定する内測法(Internal Tocography)がありますが、いずれも測定の対象は子宮内圧です。胎児心拍数(Fetal Heart Rate, FHR)と子宮収縮(Tocogram)の同時記録が分娩監視の基本です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
分娩監視装置(CTG)において、子宮収縮の強さを客観的に評価するために測定される圧力は「子宮内圧」です。特に内測法では、子宮内圧カテーテル(Intrauterine Pressure Catheter, IUPC)を用いて、子宮収縮時の最大圧(Maximal Pressure)と、収縮間期の静止時圧(Resting Tone)を正確に測定できます。これは、陣痛の進行や微弱陣痛・過強陣痛の評価に不可欠です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番の胎盤圧や③番の児頭圧、④番の腟内圧、⑤番の羊水圧は、分娩監視装置では測定しません。胎盤機能の評価は超音波ドプラ法など、児頭の下降度は内診や超音波、腟内圧や羊水圧は臨床的に測定されることは稀です。
最重要! あくまで分娩監視装置が測定するのは「子宮の収縮力」を反映する「子宮内圧」であると覚えてください。
概念整理:
分娩監視装置 (CTG) の測定項目は、①胎児心拍数(FHR)と②子宮収縮(子宮内圧)の2つです。子宮収縮の評価指標には、収縮の頻度(Frequency)、持続時間(Duration)、強さ(Intensity)、および収縮間期の緊張(Basal Tone)があります。内測法で得られる数値は、強さ(通常30~50mmHg)と静止時圧(通常5~15mmHg)です。
一目で比較!:
| 測定法 | 測定項目 | 主な利点 | 主な欠点 |
|---|
| 外測法 (External) | 子宮収縮の頻度・持続時間 | 非侵襲的・簡便 | 母体の体型や胎動の影響を受ける・絶対値は不正確 |
| 内測法 (Internal) | 子宮内圧(強さ・静止時圧)の絶対値 | 正確な圧測定が可能 | 侵襲的(破水後・頸管開大時に適応)・感染リスク |
看護過程ポイント: 【アセスメント】CTG波形から、子宮収縮のパターン(頻度・持続・強さ)と胎児心拍数パターンの関係性(早期一過性徐脈・遅発一過性徐脈・変動一過性徐脈)を総合的に評価します。【看護診断】「胎児交換能低下リスク」「陣痛活動低下/過剰」など。【介入】内測法実施時は、無菌的操作を徹底し、カテーテル挿入後の子宮内圧値の確認と、感染徴候(発熱、悪露の変化)の観察を行います。
暗記のコツ: 「CTGで見るのは『赤ちゃんの心臓(胎児心拍数)』と『お母さんの子宮の筋肉の力(子宮内圧)』の2つだけ!」と覚えましょう。「子宮内圧」という言葉が正確な名称です。
国試頻出ポイント: CTGの波形解釈(特に遅発一過性徐脈の原因と対応)や、子宮収縮の評価指標(頻度・持続・強さ)に関する計算問題と併せて、内測法と外測法の違いを問う問題も頻出です。
出題パターン注意!: 単純な知識問題から、「内測法で測定される値はどれか」といった基本的な確認問題として出題されます。また、事例問題では「CTGの内測法で子宮内圧が高い値を示している場合、どのような異常を疑うか」といった発展形も考えられます。