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健康障害の病期別の小児と家族の看護
問題

6歳の男児が、嘔吐と下痢を繰り返し、元気がなく口渇を訴えている。皮膚のツルゴールは低下し、眼窩陥凹を認める。この患児の脱水の程度と看護で最も適切なのはどれか。

解説
皮膚ツルゴール低下と眼窩陥凹は中等度脱水の徴候である。元気がないことから経口摂取が困難と判断され、静脈内輸液の準備が必要である。軽度脱水は口渇のみで皮膚所見は乏しく、高度脱水では意識障害やショックを伴う。
同じテーマの次の問題生後6か月の乳児が、38.5℃の発熱と喘鳴、鼻翼呼吸を認め、RSウイルス (RSV) 感染症と診断された。入院時の看護で優先度が最も高い観察項目はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、小児の脱水 (Dehydration in Children) の重症度評価と、それに基づく適切な看護介入(輸液療法 (Fluid Therapy))を問うています。小児は体重に対する水分量が多く、代謝回転が速いため、脱水の進行が急速であり、重症化しやすいことが病態生理の基本です。成人よりも早期に適切な評価と介入が必要であり、特に乳幼児・学童前期では、症状の変化を注意深く観察する看護判断力が求められます。本症例では「皮膚ツルゴール低下」「眼窩陥凹」という2つの重要な徴候が示されており、これらは最重要! 中等度脱水 (Moderate Dehydration) の特徴的な身体所見です。さらに「元気がない」「口渇」という情報を総合すると、経口摂取が十分にできない状態と判断され、経口補水液 (Oral Rehydration Solution, ORS) の投与では不十分であり、静脈内輸液 (Intravenous Infusion) による補充が必要となります。経口補水は、軽度から中等度脱水であっても、意識が清明で飲める状態の子どもに適用される第一選択であり、本症例のように全身状態が不良な場合は、医師への報告と静脈路確保の準備が看護師の優先行動となります。 正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は⑤番です。理由は以下の通りです。
1. 最重要! 皮膚ツルゴール低下と眼窩陥凹の存在は、体重減少率で約5~10%に相当する 中等度脱水 (Moderate Dehydration) を強く示唆します。
2. 症例では「元気がない」と記載されており、全身状態の不良(嗜眠傾向)が認められます。この状態では、経口的に水分を安全に摂取させることは誤嚥や嘔吐のリスクが高く、不適切です。
3. 従って、最優先の看護介入は 静脈内輸液 (Intravenous Infusion) の準備と、医師への迅速な報告です。看護師は輸液ポンプや輸液セット、ルート確保のための物品を準備し、医師の指示を仰ぎます。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番:混同注意! 皮膚ツルゴール低下と眼窩陥凹は中等度脱水の所見であり、高度脱水(意識障害、ショック、末梢冷感、尿量著減など)とは区別されます。また、選択肢の「静脈内輸液を開始する」は看護師の独立行為ではなく、医師の指示が必要です。従って、内容が不適切です。
②番:中等度脱水の評価自体は正しいですが、経口補水液を少量ずつ与えることは、全身状態が不良(元気がない)のため禁忌です。誤嚥や嘔吐のリスクを高めるため、誤りです。
③番:皮膚ツルゴール低下と眼窩陥凹は軽度脱水では通常認められません。軽度脱水は口渇のみで、身体所見に乏しいため、アセスメントが誤っています。
④番:脱水の程度を高度と誤認している点、および「一気に与える」という対応は誤嚥・嘔吐を誘発し、極めて危険です。また高度脱水では経口補水は禁忌です。 関連概念の整理 (Related Concepts)
小児の脱水重症度は、体重減少率、身体所見(口渇、皮膚ツルゴール、眼窩陥凹、粘膜乾燥、尿量、意識状態)で評価します。軽度(3-5%)、中等度(5-10%)、高度(10%以上)と分類され、治療法は経口補水(ORS)から静脈内輸液へと段階的に上がります。また、低張性脱水、等張性脱水、高張性脱水といった電解質異常のタイプも併せて押さえておくことが国試では重要です。

概念整理: 小児脱水の重症度は、身体所見(皮膚ツルゴール・眼窩陥凹・粘膜乾燥・尿量・意識状態)で総合評価。経口補水は軽度~中等度脱水で意識清明・飲水可能な場合に適用。全身状態不良(嗜眠・嘔吐反復・意識障害)は静脈内輸液の絶対適応。
一目で比較!:
脱水重症度身体所見の特徴体重減少率治療法
軽度 (Mild)口渇のみ。皮膚ツルゴール正常、眼窩陥凹なし3-5%経口補水液(ORS)
中等度 (Moderate)皮膚ツルゴール低下・眼窩陥凹・粘膜乾燥・口渇・尿量減少5-10%経口補水(可能なら)または静脈内輸液
高度 (Severe)意識障害・ショック・末梢冷感・尿量著減・脈拍微弱10%以上静脈内輸液(緊急)

看護過程ポイント: アセスメント:バイタルサイン(特に脈拍・血圧)、体重測定、皮膚の状態(弾力性・乾燥)、尿量と回数、意識レベル(JCS・GCS)、口渇の有無を経時的に評価。看護診断体液量不足 (Deficient Fluid Volume)誤嚥リスク状態 (Risk for Aspiration)非効果的な健康維持 (Ineffective Health Maintenance)計画:静脈内輸液の安全な実施とモニタリング、経口摂取の安全な再開基準の設定。実施:輸液ラインの管理、バイタルサイン・尿量の頻回観察、保護者への説明(病状・治療・経過観察の重要性)。評価:バイタルサインの安定、尿量の回復、皮膚ツルゴールの改善、意識レベルの正常化。
暗記のコツ: 「ツルゴール低下=5%以上の脱水(中等度以上)」と覚えましょう!「口渇だけが軽度、ツルゴールと眼窩は中等度、意識と血圧が高度」と唱えると整理しやすいです。
国試頻出ポイント: 小児の脱水は頻出テーマです。特に「身体所見から脱水の程度を判断する」問題と、「治療法(経口 vs 静脈内)の選択」を組み合わせた事例問題がよく出ます。皮膚ツルゴールと眼窩陥凹の所見を見たら、必ず中等度以上と考えてください。また、経口補水が禁忌となる状態(意識障害・嘔吐反復・全身状態不良)もセットで暗記しましょう。
出題パターン注意!: 「6歳男児、嘔吐と下痢、元気がない、皮膚ツルゴール低下、眼窩陥凹」という情報から、中等度脱水と判断し、さらに「元気がない」から経口補水は不適切、と二段階の判断を求められる問題です。単に脱水の重症度を暗記するだけでなく、全身状態を踏まえた看護判断の優先順位が問われています。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
小児病棟で、6歳の男児が急性胃腸炎(急性下痢症)で入院してきました。母親が「昨日から何度も嘔吐と下痢があり、今日はほとんど水分も取れず、ぐったりしています」と報告。看護師が観察すると、皮膚を摘んで戻りが遅い(皮膚ツルゴール低下)、眼球が少し窪んで見える(眼窩陥凹)、口の中が乾燥している、体重は入院前より1.5kg減少していました。意識は清明ですが、やや反応が遅く、口渇を訴えています。

看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察: 最重要! バイタルサイン(特に脈拍数・血圧・呼吸状態)、意識レベル(JCS)、体重、尿量、皮膚ツルゴール、眼窩陥凹、口渇の程度を記録。SpO2モニターを装着し、ショックの兆候(末梢冷感・チアノーゼ・血圧低下)がないかを確認。
2. アセスメント: 身体所見(皮膚ツルゴール低下、眼窩陥凹、体重減少5%超)から中等度脱水と判断。経口摂取が不十分(嘔吐・元気がない)なため、静脈内輸液が必要とアセスメント。
3. 報告: SBAR形式で医師に報告。「S(状況):6歳男児、急性胃腸炎で中等度脱水。B(背景):嘔吐と下痢で経口摂取困難。A(アセスメント):中等度脱水で全身状態不良。R(推奨):静脈内輸液の指示をお願いします。」
4. 介入: 医師の指示のもと、末梢静脈路を確保し、輸液(例:維持輸液として乳酸リンゲル液または生理食塩液)を開始。輸液速度は医師の指示に従い、輸液ポンプを使用。嘔吐時には誤嚥予防のため頭部を横に向ける。
5. 評価: 輸液開始後、バイタルサインの安定、尿量の増加(目安:1ml/kg/h以上)、皮膚ツルゴールの改善、意識レベルの正常化を確認。

患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
最重要! 小児の輸液では、過剰輸液による心不全(Fluid Overload)に注意。体重当たりの輸液量を厳密に計算し、輸液ポンプで正確に投与する。また、経口摂取再開時は、まず少量の経口補水液(ORS)から開始し、嘔吐がないことを確認しながら徐々に量を増やす。保護者には、病状の経過(嘔吐・下痢の回数、水分摂取量、尿量)を記録するよう指導し、異常時(ぐったり、痙攣、意識障害)はすぐにナースコールを促す。
看護プロトコル: 観察項目:バイタルサイン(4時間ごとまたは状態に応じて)、尿量(時間尿測定またはおむつ重量)、体重(毎日)、皮膚・粘膜の状態、意識レベル。 報告基準(SBAR):バイタルサインの異常(特に頻脈・低血圧)、意識障害、尿量減少(

重要概念

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