生後6か月の乳児が、38.5℃の発熱と喘鳴、鼻翼呼吸を認め、RSウイルス (RSV) 感染症と診断された。入院時の看護で… | MyMerci
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健康障害の病期別の小児と家族の看護
問題

生後6か月の乳児が、38.5℃の発熱と喘鳴、鼻翼呼吸を認め、RSウイルス (RSV) 感染症と診断された。入院時の看護で優先度が最も高い観察項目はどれか。

解説
RSV感染症による細気管支炎では、気道分泌物増加と気道狭窄により呼吸状態が悪化しやすい。特に乳児は呼吸予備能が低く、低酸素血症に陥りやすいため、顔色や口唇の色調(チアノーゼの有無)の観察が最優先される。
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詳細解説

核心解説 この問題は、RSウイルス (Respiratory Syncytial Virus, RSV) 感染症により細気管支炎 (Bronchiolitis) を発症した乳児の急性期看護における優先観察項目を問うています。最重要! 生後6か月の乳児は気道が狭く、呼吸筋が未発達で、免疫機能も未熟なため、RSV感染による気道分泌物増加と気道狭窄 (Airway Obstruction) により急速に呼吸不全 (Respiratory Failure) へ進行するリスクが極めて高い状態です。この病態生理を理解すると、呼吸状態の評価が最優先であることが明確になります。 正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は④番、顔色と口唇の色調 です。
RSV細気管支炎の急性期では、低酸素血症 (Hypoxemia) によるチアノーゼ (Cyanosis) の有無が最も重要な観察項目です。乳児は成人と比較して機能的残気量 (Functional Residual Capacity) が少なく、酸素需要が高いため、わずかな気道閉塞でも酸素飽和度 (SpO2) が急激に低下します。口唇や爪床のチアノーゼ、顔色の蒼白 (Pallor) は重症低酸素血症のサインであり、直ちに酸素投与や医師への報告が必要です。呼吸状態の悪化を最も早期に捉える指標として、顔色と口唇の色調の観察は優先度が最も高くなります。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番の頭囲の測定は、主に水頭症 (Hydrocephalus) や頭蓋内圧亢進のスクリーニング、あるいは発達評価に用いるものであり、急性期の呼吸状態の評価には直接的に関与しません。呼吸状態が安定した後、あるいは入院時の全身状態評価の一部として実施しますが、優先度は低いです。
②番の哺乳量の測定は、全身状態や脱水の程度を評価する上で重要ですが、混同注意! 呼吸状態が不安定な急性期において、生命に直結する低酸素血症の評価(顔色・口唇の色調)に優先順位で劣ります。呼吸困難が強いと哺乳自体が困難になるため、哺乳量の低下は呼吸状態悪化の結果として捉えるべきであり、原因である呼吸状態の観察が先です。
③番の皮膚の弾力性は、脱水の評価指標(スキンテントルゴール)として重要ですが、RSV感染症において最も緊急性が高いのは低酸素血症であり、脱水は二次的な問題です。優先度は顔色・口唇の色調より低くなります。
⑤番の便の性状と回数は、全身状態の把握や消化器症状の評価に有用ですが、急性期の呼吸不全のリスク評価においては最優先項目ではありません。 関連概念の整理 (Related Concepts)
RSV感染症による細気管支炎では、喘鳴 (Wheezing)、咳嗽 (Cough)、呼吸促迫 (Tachypnea)、鼻翼呼吸 (Nasal Flaring)、胸部陥没 (Chest Retraction) などの呼吸困難徴候も併せて観察します。また、混同注意! 乳児の呼吸不全の評価には、単にSpO2値だけでなく、顔色、活気(元気のなさ、啼泣の弱さ)、哺乳状態を総合的にアセスメントする必要があります。
概念整理: RSV細気管支炎 → 気道狭窄・分泌物増加 → 低酸素血症 → チアノーゼ → 呼吸不全。この連鎖を早期に発見するため、顔色・口唇の色調の観察が最優先。哺乳量・皮膚弾力性は脱水評価として重要だが、低酸素血症の評価が生命の安全上優先される。
一目で比較!:
状態優先観察項目理由
RSV細気管支炎急性期顔色・口唇の色調 (チアノーゼ)低酸素血症の直接評価。生命に直結
脱水症状が強い場合皮膚の弾力性、粘膜の乾燥輸液療法の必要性を評価
神経症状が疑われる場合頭囲、大泉門の膨隆頭蓋内圧亢進の評価

看護過程ポイント: アセスメント: 呼吸数、努力呼吸の有無(鼻翼呼吸、陥没呼吸)、SpO2、顔色・口唇のチアノーゼをセットで観察。看護診断: 「非効果的気道クリアランス」または「ガス交換障害」。計画: 酸素療法、体位ドレナージ、吸引の準備。実施: 必要時、医師の指示に基づき酸素投与、加湿、吸引。評価: 顔色の改善、SpO2の上昇、呼吸困難徴候の軽減。
暗記のコツ: 「RSV乳児は『顔色』と『息』を最初に見る!」と覚えましょう。哺乳量や便の性状は後回し。呼吸状態が悪ければ哺乳も便の状態も悪くなるからです。
国試頻出ポイント: RSV感染症は毎年のように出題される頻出疾患です。特に乳児の呼吸状態の観察項目(チアノーゼ、陥没呼吸、鼻翼呼吸)と、重症化リスク(早産児、先天性心疾患、慢性肺疾患の有無)をセットで問われることが多いです。状況設定問題では、「顔色が悪い」「哺乳力が低下した」という情報から、まず何を観察するか、何を報告するかを問われます。
出題パターン注意!: 単純な知識問題(「RSV細気管支炎で最も注意すべきことは?」)から、事例問題(「生後6か月の乳児がRSV感染症で入院。夜勤帯に看護師が最初に観察すべきことは?」)へ発展します。また、誤嚥性肺炎や気管支喘息発作との比較も出題されます。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
夜勤帯、RSV細気管支炎で入院中の生後6か月の乳児。日中は38.5℃の発熱と喘鳴があったが、SpO2は室内気で96%と保たれていました。夜間、母親が「なんだか顔色が青白い気がする」とナースコール。あなたはすぐに病室に向かいます。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察: まず、顔色と口唇の色調を確認します。口唇にチアノーゼを認め、顔色は蒼白。呼吸数が50回/分と頻呼吸で、鼻翼呼吸と胸部陥没も見られます。 SpO2モニターを装着すると88%と低下。
2. アセスメント: RSV感染による気道分泌物増加で気道狭窄が進行し、低酸素血症を来していると判断。重症細気管支炎の可能性が高い。
3. 報告 (SBAR): 「状況(S):6か月のRSV患者さん、顔色が悪いと母親が訴えています。背景(B):日中のSpO2は96%でしたが、現在は88%です。評価(A):口唇チアノーゼ、鼻翼呼吸、胸部陥没あり、呼吸不全の徴候です。推奨(R):酸素投与の指示と、医師の急行をお願いします。」
4. 介入: 医師の指示に基づき、酸素投与(酸素マスクまたは酸素フード)を開始。吸引の準備(必要時)。頭部挙上、または体位を少し起こして気道確保。
5. 評価: 酸素投与後、SpO2が徐々に上昇し、顔色が改善。呼吸状態が安定するまで継続観察。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
最重要! 乳児は気管が細く、分泌物で容易に閉塞します。吸引は深く入れすぎないように注意し、吸引圧は低め(80-100mmHg程度)に設定。酸素投与時は、未熟児網膜症のリスクを考慮し、高濃度酸素を長時間投与しないよう医師と確認。また、RSVは感染力が強いため、標準予防策に加え、接触感染対策と飛沫感染対策(ガウン、手袋、マスク着用)を徹底します。
看護プロトコル: 観察項目:呼吸数、努力呼吸の有無、SpO2、顔色・口唇の色調、哺乳状態、活気。報告基準(SBAR):SpO2が92%未満、チアノーゼ出現、呼吸数が60回/分以上、元気がない。記録のポイント:観察時刻、バイタルサイン、顔色・口唇の色調、酸素投与の有無と流量、患者の反応。家族への説明:酸素投与や吸引の必要性、経過観察の重要性を分かりやすく説明し、不安を軽減する。
先輩看護師の一言: 「RSVの乳児で一番怖いのは急変です。顔色と呼吸の『いつもと違う』にいち早く気づくことが、命を救います。母親の『なんか変』という直感もとても大事!ぜひ信頼関係を築いて、気軽に相談してもらえる環境を作ってくださいね。」

重要概念

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