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健康障害の病期別の小児と家族の看護
問題

生後8か月の乳児が、気管支炎のため入院した。パルスオキシメータで経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO2) が92%を示している。看護師の対応として最も適切なのはどれか。

解説
小児のSpO2の正常値は一般的に96%以上である。92%は低酸素血症を示しており、酸素吸入の適応である。気管支炎では気道分泌物による閉塞や気管支壁の浮腫により低酸素血症をきたすため、速やかに酸素投与を行う必要がある。
同じテーマの次の問題生後6か月の乳児が、38.5℃の発熱と喘鳴、鼻翼呼吸を認め、RSウイルス (RSV) 感染症と診断された。入院時の看護で優先度が最も高い観察項目はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、乳児 (Infant)気管支炎 (Bronchitis)による低酸素血症 (Hypoxemia)に対する看護師の初期対応の優先順位を問うています。小児、特に乳児は解剖学的・生理学的に気道が狭く、呼吸予備能が低いため、SpO2 92%は緊急対応が必要な異常値です。看護師は、酸素化の改善を最優先に行動する必要があります。 正解の根拠 (Answer Rationale) 最重要! 小児のSpO2の正常値は96%以上 (一般的に)です。92%は明らかな低酸素血症 (Hypoxemia)を示しており、酸素吸入 (Oxygen Therapy)の適応となります。気管支炎では、気道分泌物や粘膜浮腫により気道が狭小化し、肺胞でのガス交換が障害されるため、速やかに酸素を投与して組織への酸素供給を確保することが、看護師の最も優先すべき対応です。 誤答の分析 (Distractor Analysis) 混同注意!哺乳を促す:低酸素状態での哺乳は、誤嚥のリスクを高め、呼吸仕事量を増加させるため禁忌です。まずは呼吸状態の安定が優先されます。 ② 様子観察:92%のSpO2は経過観察できるレベルではありません。呼吸状態は急変する可能性が高く、積極的な介入が必要です。 ③ 頭部低位:頭部低位(トレンデレンブルグ体位)は、気道分泌物の排出を促すために行うこともありますが、まずは酸素化の改善が優先です。また、この体位は胃内容物の逆流や呼吸困難を悪化させる可能性があります。 ④ 気道吸引:気道分泌物が多く、喘鳴や呼吸困難が明らかな場合は有効ですが、吸引そのものが呼吸状態を悪化させるリスクもあります。酸素吸入による酸素化の改善を先行させ、医師の指示の下で吸引の適応を判断します。 関連概念の整理 (Related Concepts)小児の呼吸不全のサイン:チアノーゼ、鼻翼呼吸、陥没呼吸、呻吟、呼吸数の増加/減少。SpO2低下はこれらのサインと併せて総合的に評価します。 ・気管支炎 (Bronchitis)細気管支炎 (Bronchiolitis):特に乳幼児では細気管支炎の方が重症化しやすく、呼吸困難や無呼吸発作を来すことがあります。いずれも酸素化の維持が最優先です。 ・パルスオキシメータ (Pulse Oximeter)の測定値に影響を与える因子:末梢循環不良、体動、光干渉、貧血など。測定値が正しいか、波形も確認します。
概念整理: 小児の低酸素血症への対応は「酸素投与 (Oxygen Therapy)」が最優先。その後に、原因精査と追加介入(吸引、薬物療法など)を検討する。
一目で比較!:
状態SpO2看護師の対応
正常96%以上継続観察
軽度低下93-95%酸素投与準備・原因精査・医師報告
中等度~重度低下92%以下直ちに酸素吸入開始・医師緊急報告

看護過程ポイント: アセスメント:SpO2 92%、呼吸数、呼吸様式(努力呼吸の有無)、チアノーゼ、意識レベル。
看護診断:非効果的気道クリアランス / ガス交換障害
計画:酸素投与によりSpO2 96%以上を維持する。
実施:酸素吸入(指示の流量で)開始、バイタルサインとSpO2モニタリング継続。
評価:酸素投与後のSpO2上昇の有無、呼吸状態の改善を確認。
暗記のコツ: 「小児のSpO2は96%が目安。92%は「救う(9)に(2)分(92)ない!」と覚えましょう。すぐに酸素を開始する必要があります。
国試頻出ポイント: 状況設定問題で、小児の呼吸困難の患者に「あなたは最初に何をするか」と聞かれたら、まずは酸素投与の準備と開始を選択肢から選ぶのが基本です。吸引や体位変換は酸素投与と並行して、あるいは医師の指示を仰いでから行います。
出題パターン注意!: 単純な知識問題として「小児のSpO2低下時の対応は?」と出題されるだけでなく、「喘息発作の幼児」「肺炎の新生児」といった事例の中で、「酸素吸入」「気管支拡張薬吸入」「ステロイド薬投与」などの選択肢と組み合わせて出題されます。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 夜間、8ヶ月の乳児が気管支炎で入院しています。パルスオキシメータのアラームが鳴り、SpO2が92%を表示しています。児は機嫌が悪く、泣いています。呼吸数は48回/分、鼻翼呼吸と軽度の陥没呼吸がみられます。顔色はやや不良です。看護師として、まず何をすべきでしょうか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 1. 観察:SpO2の波形(良好か)、呼吸の努力(陥没、呻吟、鼻翼呼吸)、意識状態(反応が鈍くないか)、顔色・口唇の色を瞬時に確認。 2. アセスメント:低酸素血症(92%)に加え、呼吸努力の増加(鼻翼呼吸・陥没)も認められるため、呼吸不全の進行が疑われる。緊急対応が必要。 3. 報告・指示:医師に「SBAR (Situation-Background-Assessment-Recommendation)」で報告。
S: 「〇〇ベッドの〇〇ちゃんが、SpO2 92%で呼吸が苦しそうです。」
B: 「気管支炎で入院中です。日中はSpO2 97%でした。」
A: 「SpO2 92%、呼吸数48、鼻翼呼吸と陥没あり。意識は清明です。」
R: 「酸素吸入を開始したいと考えていますが、いかがでしょうか。」 4. 介入:医師の指示を受けて、酸素吸入(酸素マスクや鼻カニューラ)を開始。児を落ち着かせるため、抱っこや体位を少し起こす(ファウラー位)ことで呼吸を楽にしてあげます。 5. 評価:酸素投与後、SpO2が95%以上に上昇するか、呼吸努力が軽減するかを確認。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 最重要! 酸素投与中は、未熟児網膜症 (ROP) 予防のため、高濃度酸素の長期投与を避ける(特に新生児・低出生体重児)。また、酸素配管の誤接続や流量設定ミスに注意。吸入中の児の観察を怠らず、喘鳴やチアノーゼの増悪がないか確認する。
看護プロトコル: SpO2モニターのアラーム設定は、病棟のプロトコルに従う(通常、アラーム下限は90-92%に設定)。アラームが鳴ったら、必ず患者の観察を行い、偽アラームでないことを確認してから対応する。
先輩看護師の一言: 「小児の呼吸状態は、あっという間に悪化します。SpO2が基準を少しでも下回ったら、すぐに動きましょう!『様子を見よう』が一番危険です。酸素吸入は看護師の大切な役割。準備と開始をスムーズに行えるよう、日頃から練習しておいてくださいね。」

重要概念

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