こんな問題があと416問挑戦 ›
介護保険・医療保険と老年看護
認知症高齢者のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)に関する記述で正しいのはどれか。
-
1
入所定員は30名程度である
-
2
少人数(5~9名)で共同生活を営み、家庭的な環境で生活する
✓ 正解
-
3
医療ケアを中心としたサービスを提供する
-
4
要介護1から要介護5までのすべての認知症高齢者が対象である
-
5
入所期間は原則として3か月以内と定められている
解説
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、認知症高齢者が5~9名程度の少人数で共同生活を送りながら、家庭的な環境の中で日常生活の支援や介護を受ける施設である。入所対象は原則として要介護1以上の認知症高齢者で、入所期間に制限はなく、医療ケアよりも生活支援が中心となる。
同じテーマの次の問題介護保険法における介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の入所対象者として正しいのはどれか。この問題が収録された問題集老年看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の正しい定義と特徴を問うています。グループホームは、認知症高齢者が少人数(5~9名)で家庭的な環境のもと、共同生活を営みながら日常生活の支援を受ける施設です。この制度の本質は「施設でのケア」ではなく、住み慣れた地域での生活継続を支援する居住系サービスである点を理解することが重要です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
②番が正解です。グループホームの最大の特徴は、最重要! 家庭的な環境で、少人数(5~9名)のユニットで共同生活を送り、入居者同士や職員との関わりの中で認知症の進行を緩やかにし、残存機能を維持・向上させることを目的としています。他の入所施設とは異なり、個室を基本とし、共用のリビングやキッチンで生活する点が特徴です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 各誤答の分析を行います。
①番「入所定員は30名程度」は誤りです。グループホームの定員は1ユニット5~9名、全体でも2ユニット(10~18名)程度が標準であり、30名は混同注意!特別養護老人ホーム(特養)の入所定員のイメージと混同しやすいポイントです。
③番「医療ケアを中心としたサービス」は誤りです。グループホームは生活支援が中心であり、医療行為(喀痰吸引や経管栄養など)が必要な場合でも、あくまで日常生活の延長として位置づけられます。医療ケアが中心の施設は介護老人保健施設(老健)や介護医療院です。
④番「要介護1から要介護5までのすべての認知症高齢者が対象」は誤りです。グループホームの入居条件は、原則として要介護1以上の認知症高齢者であり、入居時点で認知症の診断が必須です。しかし、重度の認知症や行動・心理症状(BPSD)が強く、集団生活が困難な場合は入所が難しいこともあります。
⑤番「入所期間は原則として3か月以内」は誤りです。グループホームは入所期間に制限はなく、終身にわたって生活できる施設です。これは混同注意!短期入所生活介護(ショートステイ)の利用期間(原則30日以内)と混同しないようにしましょう。
概念整理: グループホームは介護保険法に基づく「地域密着型サービス」の一つです。要介護認定を受けた認知症高齢者が、少人数のユニットで家庭的な環境のもと、日常生活上の世話や機能訓練、療養上の世話を受けます。看護職員の配置は義務ではありませんが、連携体制が求められます。
一目で比較!: 主な認知症高齢者向け施設を比較します。
| 施設 | 特徴 | 入所期間 | 医療ケア |
|---|
| グループホーム | 少人数(5~9名)家庭的な環境 | 制限なし(終身) | 生活支援中心(医療は連携) |
| 特別養護老人ホーム | 比較的大人数 施設的環境 | 制限なし(終身) | 生活支援中心(看護師配置あり) |
| 介護老人保健施設 | リハビリテーション重視 | 原則3か月(更新可能) | 医療ケア積極的(医師・看護師常駐) |
看護過程ポイント: グループホームでの看護師の役割は、直接ケア提供よりも職員への指導・助言、健康管理、医療機関との連絡調整が中心です。入居者の状態変化(特にBPSDの出現や身体疾患の合併)に早期に気づき、医師や介護職と連携することが求められます。
暗記のコツ: 「グループホーム=家庭的な少人数生活」と覚えましょう。「5~9名」の数字は、「5人家族+祖父母」のようなイメージで家庭を連想すると記憶に残りやすいです。
国試頻出ポイント: グループホームの特徴(少人数、家庭的な環境、入所期間制限なし)は、介護保険施設(特養・老健)との比較問題として毎年頻出です。特に「入所期間制限」「医療ケアの位置づけ」「対象者の要介護度」の3点は確実に押さえておきましょう。
出題パターン注意!: 単純な定義問題から、「グループホームに入居中で、BPSDが出現した認知症高齢者への対応」のような事例問題に発展します。その際、グループホームの特徴(家庭的な環境、少人数ケア)を活かした介入(環境調整、個別ケア、職員への助言など)が正解のポイントになります。
臨床実践ガイド
実際のグループホームでの看護実践をイメージしてみましょう。臨床シナリオ (Clinical Scenario)「80代女性、アルツハイマー型認知症。グループホームに入居して3年。最近、夜間に興奮して廊下を歩き回り、他の入居者とトラブルになることが増えました。介護職員から『どう対応すればいいか』と相談を受けました。」
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)1. アセスメント: BPSDの原因を探ります。身体疾患(便秘、感染症、脱水)の有無、環境変化(新しい入居者、職員の交代)、心理的ストレスなどを評価します。バイタルサイン測定、食事摂取量、排便状況の確認を優先します。2. 報告・連携: 観察結果を医師・ケアマネジャーに報告し、必要に応じて訪問診療や受診を調整します。3. 介入: 最重要! 非薬物療法を優先します。夜間の照明を暗くしすぎない、就寝前にリラックスできる音楽を流す、日中の活動量を増やすなど、環境調整と生活リズムの見直しを介護職員と協力して行います。薬物療法は最終手段です。患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)- 転倒・転落予防: 興奮状態での転倒リスクが高いため、見守りを強化します。
- 他の入居者への影響: 興奮している入居者を無理に制限せず、安全なスペースで落ち着くまで見守る対応が重要です。
- 感染対策: グループホームは家庭的な環境ゆえに、感染症が発生しやすいです。手指衛生や環境消毒の徹底を指導します。
看護プロトコル: グループホームでの急変時対応プロトコルを作成しておくことが重要です。特に、SBARを用いた報告様式を整備し、介護職員が迷わず看護師や医師に連絡できる体制を構築しましょう。
先輩看護師の一言: 「グループホームは『施設』ではなく、入居者さんの『おうち』です。看護師として、医療的な視点だけでなく、その方の生活や人となりを理解した上で、『どうしたらこの場所で穏やかに暮らし続けられるか』を考えることが大切です。国試では制度の枠組みが問われますが、現場ではその枠組みの中で『暮らしを支える』という視点が何より求められます!」
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) — 認知症高齢者が少人数(5~9名)で家庭的な環境のもと、共同生活を営みながら日常生活の支援を受ける介護保険法上の地域密着型サービス。
- 地域密着型サービス — 要介護者が住み慣れた地域での生活継続を支援するために、市町村が指定権限を持つ介護サービス。グループホーム、小規模多機能型居宅介護などが該当する。
- BPSD(行動・心理症状) — 認知症に伴う行動や心理症状。興奮、徘徊、妄想、幻覚、うつ状態など。環境調整や非薬物療法を優先し、患者の安全とQOLを考慮した対応が求められる。
- 特別養護老人ホーム(特養) — 常時介護が必要で、在宅生活が困難な高齢者が入所する介護保険施設。比較的大人数で、グループホームとは異なり施設的な環境。
- 介護老人保健施設(老健) — リハビリテーションに重点を置き、在宅復帰を目的とした介護保険施設。原則3か月の入所期間があり、医師・看護師が常駐する。
MyMerciで看護師国家試験を完全対策
過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。
無料で始める
学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。