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高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護
問題

82歳の女性。大腿骨頸部骨折の術後3日目。経口摂取が不十分で、発熱(38.5℃)が続いている。尿量は400mL/日と減少し、尿色は濃い。バイタルサインは血圧88/56mmHg、脈拍104回/分。この患者の脱水症のタイプとして最も考えられるものはどれか。

解説
等張性脱水は水分とナトリウムが等しく喪失する状態で、経口摂取不足や発熱による不感蒸泄の増加、下痢などが原因となる。高齢者の術後で発熱と摂取不足がある場合、水分と電解質がバランスよく失われるため等張性脱水が最も多い。細胞内脱水は高張性脱水の特徴であり、細胞外脱水は等張性脱水の一部である。
同じテーマの次の問題85歳の女性。施設入居中。本日、発熱と食欲低下を認めた。バイタルサインは体温38.2℃、脈拍98回/分、血圧98/62mmHg、呼吸数22回/分。皮膚のツルゴール低下と口腔粘膜の乾…

詳細解説

核心解説 この問題は、脱水症 (Dehydration) の病態生理と分類を問うています。脱水は、水分と電解質(特にナトリウム)の喪失バランスによって、高張性・等張性・低張性の3つに分類されます。高齢の術後患者で発熱と経口摂取不良がある場合、水分とナトリウムがほぼ等しく失われるため、等張性脱水 (Isotonic Dehydration) が最も典型的です。

正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 等張性脱水は、水分とナトリウムが等しい割合で失われる状態です。本例では、発熱による不感蒸泄の増加と経口摂取不足により、細胞外液(血管内液+間質液)が減少します。しかし、ナトリウム濃度は正常範囲に保たれるため、血清Na値は135~145mEq/Lの範囲内にとどまります。臨床所見として、尿量減少(400mL/日)、皮膚ツルゴール低下、血圧低下(88/56mmHg)、頻脈(104回/分)が認められます。

誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①高張性脱水は、水分喪失がナトリウム喪失より多い状態(例:発熱のみで水分摂取がない、糖尿病性高血糖)で、血清Na >145mEq/L、細胞内脱水(口渇・意識障害)が特徴です。本例では発熱と摂取不足はあるが、輸液が行われている可能性も考慮し、等張性が優先されます。
②③「細胞外脱水」「細胞内脱水」は、脱水の分類として不適切です。これらは脱水時の体液分布の状態を表す概念であり、脱水のタイプ分類(高張・等張・低張)とは異なります。
⑤低張性脱水は、ナトリウム喪失が水分喪失より多い状態(例:利尿薬の過剰使用、副腎不全)で、血清Na 145mEq/L発熱・水分摂取不足・糖尿病性高血糖細胞内脱水(細胞から水分が出ていく)等張性脱水135~145mEq/L下痢・嘔吐・出血・術後経口摂取不足細胞外液減少(細胞内はほぼ正常)低張性脱水30mL/時、血圧回復、皮膚ツルゴール改善を確認。
暗記のコツ: 「等しい=等張」=「水分とNaが等しい割合で失われる」。「高張=Na高め=細胞内脱水で口渇」。
国試頻出ポイント: 高齢者の術後管理と脱水の組み合わせは頻出。発熱・経口摂取不足・尿量減少の3つの情報から等張性脱水を導き出す問題は、看護師国家試験でよく見られます。
出題パターン注意!: 単純な分類問題から、事例問題へ発展。「術後3日目、発熱、尿量400mL/日、血圧低下」の情報から、輸液製剤の選択(乳酸リンゲル液 vs 5%ブドウ糖液)や、輸液速度の計算を問う問題に発展することがあります。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド この概念が実際の病院・在宅・施設の臨床現場でどのように適用されるかを説明します。

臨床シナリオ (Clinical Scenario)
80代女性、大腿骨頸部骨折術後2日目。経口摂取が不十分で、発熱38.2℃。夜勤帯の看護師がラウンド中に、患者から「めまいがする」と訴えあり。バイタルサイン:血圧82/50mmHg、脈拍110回/分、尿量は過去6時間で80mL(13mL/時)。皮膚ツルゴール低下あり。あなたが看護師として最初にとるべき行動は?

看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察: まず バイタルサイン(血圧・脈拍・呼吸・SpO2)尿量・尿色 を確認。血清Na値が不明でも、臨床所見(発熱+摂取不足+血圧低下)から等張性脱水を強く疑います。
2. アセスメント: 最重要! 術後高齢者の脱水は、循環血液量減少性ショック (Hypovolemic Shock) への移行リスクが高いため、血圧80mmHg台・頻脈・乏尿の3徴は危険シグナルです。
3. 報告: SBAR (Situation-Background-Assessment-Recommendation) で医師に報告。S:血圧低下・乏尿あり。B:術後3日目、発熱と摂取不足。A:等張性脱水の可能性。R:乳酸リンゲル液500mLの急速投与を提案。
4. 介入: 医師の指示に基づき、乳酸リンゲル液または生理食塩液を投与。投与中は肺音の聴取(ラ音の有無)頸静脈怒張を観察し、輸液過多による肺水腫を予防。
5. 評価: 目標は尿量>30mL/時、血圧>100mmHg、脈拍

重要概念

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