核心解説
この問題は、
保健師助産師看護師法(保助看法)に基づく看護師の法的業務範囲、特に
業務独占と
義務(業務)の違いを正確に理解しているかを問う、基礎的かつ極めて重要な問題です。
1.
核心概念の分析 (Key Concept): 看護師の業務は大きく2つに分類されます。1つは「
療養上の世話(保助看法第5条)」、もう1つは「
診療の補助(保助看法第37条)」です。このうち「
業務独占(看護師でなければ行えない行為)」として明確に規定されているのは「診療の補助」です。「療養上の世話」は「業務」とされていますが、独占的な行為とはされていません(看護師以外の者でも、一定の条件や範囲内で行うことが可能な場合があると解釈されています)。
2.
正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! 正解は②「
医師の指示の下での診療の補助」です。これは
保助看法第37条に規定されており、「看護師でなければ、業として(反復継続して行う意思をもって)行ってはならない」とされる行為です。具体的には、医師の指示に基づく
注射、採血、導尿、創傷処置などが該当します。
3.
誤答の分析 (Distractor Analysis):
-
混同注意! ①「処方箋の発行」は医師法に基づく
医師の独占業務です。看護師には処方権はありません。
- ③「療養上の世話」は保助看法第5条で「看護師の業務」とされていますが、
業務独占ではありません。看護師でなくても、例えば家族や介護職員が日常生活の世話(食事、清潔、排泄介助など)を行うことは法律上禁止されていません。
- ④「診断書の作成」は医師法に基づく
医師の独占業務です。看護師は診断を下す権限がなく、診断書を作成することはできません。
- ⑤「手術の執刀」は医師法に基づく
医師の独占業務です。看護師は手術の介助(器械出し、外回りなど)は行いますが、執刀はできません。
4.
関連概念の整理 (Related Concepts):
混同注意! 看護師の業務範囲を理解する上で、以下の概念を整理しておきましょう。
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業務独占:その資格を持つ者だけが法的に行うことができる行為(例:看護師の診療の補助、医師の診断・処方・手術、歯科医師の歯科診療)。
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名称独占:資格を持たない者がその名称を名乗ることを禁止する制度(例:「看護師」「保健師」「助産師」という名称)。
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絶対的医行為:医師でなければ絶対に行ってはいけない行為(外科手術、麻酔など)。
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相対的医行為:医師の指示の下で、看護師などが行うことができる行為(注射、点滴など)。
概念整理: 看護師の業務は「療養上の世話(業務)」と「診療の補助(業務独占)」の2本柱。業務独占は法律で厳格に定められており、違反すると罰則の対象となります。
一目で比較!:
| 行為 | 法的根拠 | 該当職種 | 業務独占 |
|---|
| 診療の補助(注射、採血など) | 保助看法第37条 | 看護師 | はい |
| 療養上の世話 | 保助看法第5条 | 看護師 | いいえ |
| 処方箋発行 | 医師法 | 医師 | はい |
| 診断書作成 | 医師法 | 医師 | はい |
暗記のコツ: 「看護師の独占業務=診療の補助」と覚えましょう。「療養上の世話」は「業務」だけど「独占」じゃない!「看護師の仕事=業務独占」と短絡せず、細かい違いを意識することが重要です。
国試頻出ポイント: この問題は
超頻出! 毎年、何らかの形で出題されます。選択肢の文言を少し変えて出題されることが多いので、概念を正確に理解しておく必要があります。「医師の指示の下で」「診療の補助」というキーワードをセットで覚えましょう。
出題パターン注意!: 「看護師が単独で行ってよい行為はどれか」「医師の指示がなくても行える行為はどれか」といった形で、業務範囲の限界を問う問題に発展します。また、特定行為研修制度(2015年施行)と関連させた応用問題も出題されています。