核心解説
この問題は、日本の看護教育史における重要な節目、
日本赤十字社 (Japanese Red Cross Society) による最初の看護婦養成所の設立年を問うています。看護師国家試験では、歴史的な流れと制度の変遷を理解しているかが問われることがあります。特に、戦時中の傷病者救護という社会的要請が、どのように組織的な看護教育の始まりに繋がったかを押さえることが重要です。
1.
核心概念の分析 (Key Concept): この問題の核心は、
我が国初の組織的看護教育機関の設立年を特定することです。看護教育史において、日本赤十字社(当時は博愛社)の活動は、戦場における看護の必要性から始まりました。
2.
正解の根拠 (Answer Rationale): 日本赤十字社は、1890年(明治23年)に東京で
博愛社看護婦養成所(後の日本赤十字社看護婦養成所)を設立しました。これは、日本で最初の体系的な看護婦養成機関であり、日清戦争や日露戦争などで活躍する看護婦を養成する基盤となりました。
3.
誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! ①番の1920年(大正9年)は、日本看護協会の前身となる団体が設立された時期など、別の看護史上の出来事と混同しやすい年です。
②番の1885年(明治18年)は、日本赤十字社が博愛社から改称した年(1887年)に近いですが、養成所の設立はそれよりも後です。
③番の1900年(明治33年)は、看護婦規則が制定されるなど、看護資格が法制化され始めた時期です。
④番の1910年(明治43年)は、私立の看護学校が増加し始めた時期であり、最初の養成所設立より後の出来事です。
4.
関連概念の整理 (Related Concepts): 日本赤十字社の看護教育は、国際赤十字運動の精神に基づき、戦時救護を目的としていました。これに対し、現在の看護基礎教育は、保健師助産師看護師法に基づき、疾病の予防から回復、終末期まで幅広い健康問題に対応できる人材を育成しています。歴史的な「看護婦」から「看護師」への名称変更(2002年法改正)も併せて覚えておきましょう。
概念整理: 日本最初の組織的看護婦養成所 →
1890年(明治23年)、
日本赤十字社(博愛社看護婦養成所) が設立。目的は戦時傷病者の看護。
一目で比較!:
| 年号(西暦) | 看護史の主な出来事 |
| 1885年(明治18年) | 日本赤十字社の前身「博愛社」が設立 |
| 1890年(明治23年) | 博愛社看護婦養成所を設立(日本初の組織的養成機関) |
| 1900年(明治33年) | 看護婦規則の制定(資格の法制化) |
| 1915年(大正4年) | 日本看護婦協会(日本看護協会の前身)設立 |
看護過程ポイント: 歴史を学ぶことは、現代の看護の「なぜ」を理解する基盤となります。過去の先人たちがどのような想いで看護を形作ってきたかを知ることで、看護の本質をより深く捉えることができます。
暗記のコツ: 年号は「
1890年(明治23年)」を「
いちはちきゅうまる」と語呂で覚えるのも一つの手です。また、「日本赤十字社が設立した最初の看護婦養成所」というキーワードとセットで覚えましょう。
国試頻出ポイント: 単独で設立年だけを問う問題は減っていますが、看護史の流れの中で「最初」「初めて」という概念は頻出です。高橋瑞子、フローレンス・ナイチンゲールなど、他の人物や組織の業績と混同しないように注意しましょう。
出題パターン注意!: 「我が国の看護教育の始まりはどれか」というような、やや抽象度の高い設問で出題される可能性があります。具体的な養成所の名称と設立年を結びつけて記憶しておくことで、確実に正答できます。